応用数学B

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用数学B
科目番号 2018-440 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材
担当教員 澤井 洋

到達目標

1.確率の定義を理解し、簡単な事象の確率を求められること。確率の性質を用い,少し込み入った事象の確率を求め ることができる。条件付き確率と事象の独立性を理解し,実際の問題に応用できること(B1)。
2.平均、分散、標準偏差の定義とその意味を理解でき,データからそれらを求められること。2次元データの整理では相関関係を理解し、相関係数を求められること(B1)。
3.確率変数と確率分布の概念を理解し、確率分布の定義から平均、分散等の統計量を求められること。また, 中心極限定理を用いて, 標本から条件を満たす確率を求められること(B1)。
4.母平均、母分散、母比率の区間推定について,信頼度の意味が分かり信頼区間を作成できること(B1)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1条件付確率、ベイズの定理を理解し、これを実際の問題に応用できる。確率の定義を理解し、簡単な事象の確率を求めることができる。 確率の定義を理解できず、簡単な事象の確率を求めることができない。 
評価項目2相関関係を理解し、相関係数を求めることができる。 平均、分散、標準偏差の定義とその意味を理解でき、データからそれらを求めることができる。平均、分散、標準偏差の定義とその意味を理解できず、データからそれらを求めることができない。
評価項目3中心極限定理を理解し, 標本から条件を満たす確率を求めることができる。  確率変数と確率分布の概念を理解し、確率分布の定義から平均、分散等の統計量を求ることができる。  確率変数と確率分布の概念を理解できず、確率分布の定義から平均、分散等の統計量を求ることができない。 

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (B1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (B1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
数理統計学の基礎(確率と統計)について講義を行う。確率論は16 世紀から17 世紀にかけてカルダーノ、パスカル、フェルマーなどにより数学の一分野となっていった。19 世紀初めにコロモゴロフにより公理的確率論が確立し,現在では株価など偶然性を伴う現象の解析にはなくてはならない。統計学は経験的に得られたバラツキのあるデータから、応用数学の手法を用いて数値上の性質や規則性あるいは不規則性を見いだす。そのため,、医学、薬学、経済学、社会学、心理学、言語学など、自然科学・社会科学・人文科学の実証分析を伴う分野について、必須の学問となっている。
授業の進め方・方法:
講義と演習形式で行う。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
2週 確率の定義と性質 古典的な確率を定義するし, これを理解することが出来る。
3週 確率の定義と性質 確率の基本性質を理解することができる。
4週 確率の定義と性質 期待値を定義し、これを求めることができる。
5週 いろいろな確率 条件付確率を定義し、乗法定理を理解することができる。
6週 いろいろな確率 事象の独立を理解し、その際の確率の関係式を求めることができる。
7週 いろいろな確率 反復試行の確率を求めることができる。
8週 いろいろな確率 ベイズの定理を理解し、これを用いて、確率を求めることができる。
2ndQ
9週 1次元データ① 平均・分散を定義し、これを求める。
10週 1次元データ② 四分位を理解することができる。
11週 2次元データ① 共分散・相関係数を求めることができる。
12週 2次元データ② 回帰直線を求めることができる。
13週 離散型確率変数と確率分布① 離散型確率変数を理解し、積率母関数から平均・分散を求める。
14週 離散型確率変数と確率分布② 二項分布を理解する。
15週 離散型確率変数と確率分布③ ポアソン分布を理解し、二項分布との関係を示す。
16週
後期
3rdQ
1週 連続型確率変数と確率分布① 連続型確率変数を理解し、分布関数と確率密度関数の関係を理解することができる。
2週 連続型確率変数と確率分布② 一様分布を理解することができる。
3週 連続型確率変数と確率分布③ 積率母関数から平均・分散を求めることができる。
4週 連続型確率変数と確率分布④ 正規分布、及び、標準正規分布を理解することができる。
5週 確率変数の関数 平均の線形性、及び、独立な場合の分散の関係式を理解することができる。
6週 母集団と標本 母集団と標本を理解することができる。
7週 統計量と標本分散 大数の法則、中心極限定理を理解する。
8週 二項分布と正規分布の関係 中心極限定理を用いて、二項分布と正規分布の関係を理解することができる。
4thQ
9週 いろいろな確率① カイ二乗分布を理解することができる。
10週 いろいろな確率② t分布、F分布を理解することができる。
11週 点推定 点推定を求める。不偏分散が標本分散の不偏推定量であることを理解する。
12週 母平均の区間推定① 母分散が既知の場合の母平均の区間推定を行う。
13週 母平均の区間推定② 母分散が未知の場合の母平均の区間推定を行う。
14週 母分散の区間推定 母分散の区間推定を行う。
15週 母比率の区間推定 母比率の区間推定を行う。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオE-Mat合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力60400000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000