応用数学A

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 応用数学A
科目番号 2019-428 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 教科書:新応用数学(大日本図書)、問題集:新応用数学問題集(大日本図書)
担当教員 西垣 誠一

到達目標

1.いくつかの典型的な関数のラプラス変換を求めることができる。(B1ー3)
2.周期関数のフーリエ級数を求めることができる。(B1-3)                                                        
3.簡単な関数のフーリエ変換を求めることができる。(B1-3)                                                
4.複素関数の導関数を求めることができること。                                                            5.複素関数の積分を計算できること。(B1-3)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1□ラプラス変換を用いて微分方程式を解いたり、線形システムの問題に適用できる。□典型的な関数のラプラス変換を求めることができる。□典型的な関数について、そのラプラス変換を求めることができない。
評価項目2□2π周期以外の周期関数についてもフーリエ級数を求めることができ、一般の級数を求める問題等に応用できる。□2π周期の周期関数のフーリエ級数を求めることができる。□2π周期の周期関数のフーリエ級数を求めることができない。
評価項目3□スペクトルの概念が理解でき、サンプリング定理などを理解し適用することができる。□簡単な関数のフーリエ変換を求めることができる。□関数のフーリエ変換を計算することができない。
評価項目4□複素関数を1つの複素数平面から別の複素数平面への写像として捉えることができ、1次分数関数などがどのような写像になるか理解できる。□正則関数の導関数を求めることができる。□正則関数の導関数を求めることができない。
評価項目5□留数定理が理解でき、その応用ができること。□複素関数の積分を計算することができる。□複素関数の積分を計算することができない。

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (B1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (B1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ラプラス変換は線形システムや電気回路等に係る微分方程式を見通しよく解くための道具として大変有用であり、その辺りの計算ができることを目指す。フーリエ解析は現代解析学の基礎となったともいえる分野でその奥は深いが、ここではその導入部分について学ぶ。複素関数とは独立変数も従属変数も複素数の関数で、これまで学んできた独立変数が実数のいわゆる実関数に対応する表現としてある。複素関数の微分の定義は、見かけ上は実関数のそれと同じだが、微分可能となるためにははるかに強い条件が必要となる。そのため、微分可能な関数(正則関数という)はいろいろきれいな性質をもつ。この辺りを感じながら学んでいく。
授業の進め方・方法:
授業は講義を中心に進めるが、教科書の問いの一部を各自で解いてみる時間もとるようにし、残りの問いは自主学習用としたい。また、長期休暇明け等には課題提出を求める。尚、授業中における質問も随時可とする。
注意点:
1. 評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
2. 中間試験を授業時間内に実施することがあります。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、ラプラス変換の定義 ラプラス変換の定義を理解できる。
2週 相似性と移動法則 相似性と移動法則を用いてラプラス変換を計算できる。
3週 微分法則と積分法則 微分法則および積分法則を用いてラプラス変換を計算できる。
4週 逆ラプラス変換 部分分数分解等を用いてラプラス変換された関数のもとの関数を求めることができる。
5週 微分方程式への応用 ラプラス変換を利用して定数係数2階線形微分方程式を解くことができる。
6週 たたみこみ たたみこみと呼ばれる積分計算のラプラス変換が理解でき計算できる。
7週 線形システムの伝達関数とデルタ関数 入力にデルタ関数を持つ線形システムの出力を求めることができる。
8週 周期2πの関数のフーリエ級数(1) 周期2πの関数のフーリエ級数の定義を理解できる。
2ndQ
9週 周期2πの関数のフーリエ級数(2) 周期2πの関数のフーリエ級数を求めることができる。
10週 一般の周期関数のフーリエ級数(1) 一般の周期関数のフーリエ級数を求めることができる。
11週 一般の周期関数のフーリエ級数(2) フーリエ級数の収束定理を理解することができる。
12週 複素フーリエ級数 周期関数の複素フーリエ級数を求めることができる。
13週 フーリエ変換と積分定理 フーリエ変換および逆フーリエ変換による反転公式を理解することができる。
14週 フーリエ変換の性質と公式 フーリエ変換の性質を理解し、その公式を正しく使うことができる。
15週 スペクトル 線スペクトルおよび連続スペクトルの概念を理解することができる。サンプリング定理を理解することができる。
16週
後期
3rdQ
1週 複素数と極形式 複素数の基本的性質および極形式を理解することができる。
2週 絶対値と偏角 複素数の絶対値と偏角の概念を理解することができる。
3週 複素関数 いくつかの初等的な複素関数の定義を理解することができる。
4週 正則関数 微分可能な複素関数について理解し、その導関数を求めることができる。
5週 コーシー・リーマンの関係式 正則関数の実部と虚部の間に成り立つコーシー・リーマンの関係式を理解することができる。
6週 逆関数 複素関数の逆関数を考えることにより、多価関数の概念を理解することができる。
7週 複素積分(1) 複素関数の積分の定義を理解することができる。
8週 複素積分(2) 複素関数の積分計算ができる。
4thQ
9週 コーシーの積分定理(1) コーシーの積分定理を理解すること。
10週 コーシーの積分定理(2) コーシーの積分定理を用いて、積分計算ができる。
11週 コーシーの積分表示 正則関数の導関数の積分表示を理解することができる。
12週 数列と級数 複素数列・複素級数の収束・発散について理解することができる。
13週 関数の展開 複素関数のべき級数展開ができる。
14週 孤立特異点と留数 孤立特異点および留数の概念を理解することができる。
15週 留数定理 留数の概念を応用して積分計算ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3

評価割合

試験課題等合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100