計測工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 計測工学
科目番号 2019-439 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 制御情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 計測システム工学の基礎 西原 主計・山藤 和男・松田 康広 著 (森北出版)
担当教員 大久保 進也

到達目標

1.計測の基礎理論に基づいて,測定のデータ処理が正しく出来る.
2.各物理量の測定法を説明し,実際の測定に応用できる.(C1-3)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 計測の基礎理論に基づいて,測定のデータ処理が正しく出来る.□計測誤差について,間接測定による誤差・最小二乗法を用いた直線の式・標準偏差によるばらつきなどを,理論に基づいた式を導出するとともに,これらの式を用いて算出することができる(定期試験の平均が80%以上).□計測誤差について,間接測定による誤差・最小二乗法を用いた直線の式・標準偏差によるばらつきなどを,理論に基づいた式を用いて算出することができる(定期試験の平均が80%未満かつ60%以上).□計測誤差について,間接測定による誤差・最小二乗法を用いた直線の式・標準偏差によるばらつきなどを,理論に基づいた式を用いて算出することができない(定期試験の平均が60%未満).
評価項目2 各物理量の測定法を説明し,実際の測定に応用できる.(C1-3)□機械的な測定(長さや角度など)や電気的なセンサを用いた測定方法の原理および,どのようなところでこれらの測定が応用されているのかを説明できる(レポートの平均が80%以上).□機械的な測定(長さや角度など)や電気的なセンサを用いた測定方法の原理を説明できない(課題レポートの平均がが80%未満かつ60%以上).□機械的な測定(長さや角度など)や電気的なセンサを用いた測定方法の原理を説明できない(課題レポートの平均が60%未満).

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
近年,計測技術の進歩は目覚しく,特にエレクトロニクスを応用した新しい計測法が次々と使用されるようになっている.このような最新の技術を十分生かして計測を実施できるように,また,実験で様々な測定機器を取扱って正しく計測が行えるようにするために,計測に関する基礎知識について系統的に講義する.
授業の進め方・方法:
授業は教科書に沿って講義形式で行う.適時レポートを出すので,定められた期限までに提出すること.
注意点:
1.評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
2.中間試験を授業時間内に実施することがあります。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 測定と計測、物理量の単位 について説明できる
2週 計測のはじめに SI組立単位について説明でできる
3週 測定の誤差と精度① 測定誤差と有効数字、計算課程での誤差、測定の精度 について説明でできる
4週 測定の誤差と精度② 精度の表し方、間接測定と誤差、測定精度の向上 について説明でできる
5週 最小二乗法 基準の方程式、実験式の簡便な導出方法、2次形式の最小二乗法 について説明でできる
6週 機械的測定 長さの測定、角度と面の測定 、質量、力、圧力の測定、流速と流量の測定について説明でできる
7週 センサとセンシング センサのあらまし、空間量の計測、光の計測 について説明でできる
8週 試験の解説
4thQ
9週 信号の計測法① 信号出力の方式、アナログ前処理について説明でできる
10週 信号の計測法② 直流ブリッジによる抵抗の測定、フィルタ、ノイズ対策 について説明でできる
11週 信号の計測法③ 観測機器と記録機器、ADコンバータ について説明でできる
12週 信号の処理① サンプリング、平均化・平滑化について説明でできる
13週 信号の処理② 周波数領域における信号解析について説明でできる
14週 信号の処理③ フーリエ級数とフーリエ変換 について説明でできる
15週 応用問題
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計標準規格の意義を説明できる。3
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。3
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。3
軸の種類と用途を理解し、適用できる。3
滑り軸受の構造と種類を説明できる。3
転がり軸受の構造、種類、寿命を説明できる。3
工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。3
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。3
鋳物の欠陥について説明できる。3
溶接法を分類できる。3
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。3
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。3
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。3
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。3
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。3
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。3
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。3
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。3
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。3
切削工具材料の条件と種類を説明できる。3
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。3
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。3
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。3
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。3
材料機械材料に求められる性質を説明できる。3
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。3
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。3
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。3
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。3
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。3
金属と合金の結晶構造を説明できる。3
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。3
塑性変形の起り方を説明できる。3
鉄鋼の製法を説明できる。3
焼きなましの目的と操作を説明できる。3
焼きならしの目的と操作を説明できる。3
焼入れの目的と操作を説明できる。3
焼戻しの目的と操作を説明できる。3
計測制御計測の定義と種類を説明できる。3後1
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。3後3,後4
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。3後2
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。3後6
電気・電子系分野計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。3
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。3
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4
ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。3
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。3
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。3
やすりを用いて平面仕上げができる。3
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。3
アーク溶接の原理を理解し、アーク溶接機、アーク溶接器具、アーク溶接棒の扱い方を理解し、実践できる。3
アーク溶接の基本作業ができる。3
旋盤主要部の構造と機能を説明できる。3
旋盤の基本操作を習得し、外丸削り、端面削り、段付削り、ねじ切り、テ―パ削り、穴あけ、中ぐりなどの作業ができる。3
フライス盤主要部の構造と機能を説明できる。3
フライス盤の基本操作を習得し、平面削りや側面削りなどの作業ができる。3
ボール盤の基本操作を習得し、穴あけなどの作業ができる。3
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。3
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。3
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。3
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力6040100
分野横断的能力000