概要:
中学校で学習した内容を基礎として,日常生活や社会との関連を図りながら物質とその変化への関心を高め,観察,実験などを通して,化学的に探究する能力と態度を育てるとともに,化学の基本的な概念や原理・法則,化学の果たす役割を理解させ,科学的な見方や考え方を養う。本講義を通して,化学の基本的な概念や原理・法則を工学分野に適用できることを学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は遠隔形式で行う。毎回,講義と演習,確認問題を行う。試験は年に2回の定期試験として実施する。
注意点:
評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。また遠隔授業において課題の提出に支障がある場合を考慮して,試験の点数が合格点に達している場合は合格とすることがあります。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 物質の構成(純物質と混合物,物質の分離) |
純物質と混合物の区別が説明できる。混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。ろ過ができる。
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2週 |
物質の成分と構成元素(元素,単体と化合物,元素の確認) |
物質が原子からできていることを説明できる。単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。沈殿生成を含む代表的な成分元素の検出方法について説明できる。
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3週 |
物質の成分と構成元素(物質の三態と状態間の変化,粒子の熱運動) |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。物質の三態とその状態変化を説明できる。セルシウス温度と絶対温度の間で換算ができる。
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4週 |
原子の構造と元素の周期表(原子,同位体) |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。同位体について説明できる。放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。
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5週 |
原子の構造と元素の周期表(原子の電子配置,元素の周期表) |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。価電子の働きについて説明できる。原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。
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6週 |
化学結合(イオンの生成,イオンの種類) |
原子のイオン化について説明できる。元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。
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7週 |
化学結合(イオンの分類,イオン半径,イオン結合とイオン結晶) |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。イオン式とイオンの名称を説明できる。イオン結合について説明できる。イオン結合性物質の性質を説明できる。イオン性結晶がどのようなものか説明できる。
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8週 |
化学結合(共有結合と分子の形成) |
共有結合について説明できる。構造式や電子式により分子を書き表すことができる
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2ndQ |
9週 |
化学結合(配位結合,電気陰性度と分子の極性) |
配位結合の成り立ちについて理解できる。電気陰性度の概念を理解し,その値から結合の極性の大きさを説明できる。
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10週 |
化学結合(水素結合,ファンデルワールス力,分子結晶) |
分子間力と分子結晶の性質を説明できる。共有結合の結晶の性質について説明できる。自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。金属の性質を説明できる
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11週 |
化学結合(共有結合の結晶,金属結晶・物質の分類) |
原子の相対質量が説明できる。原子の相対質量が説明できる。天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。
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12週 |
物質量と化学反応式(原子の相対質量,原子量,分子量,式量) |
原子の相対質量が説明できる。原子の相対質量が説明できる。天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。
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13週 |
有効数字,物質量と化学反応式(アボガドロ数と物質量) |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。物理量を有効数字を考慮して正しく表すことができる。アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。
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14週 |
物質量と化学反応式(モル質量,モル体積) |
物質の質量と物質量の関係を説明できる。気体の体積と物質量の関係を説明できる。
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15週 |
物質量のいろいろな計算,物質量と化学反応式(溶液の濃度) |
粒子の個数,物質の質量,気体の体積を物質量を介して変換できる。質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。
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16週 |
物質量と化学反応式(化学反応式)・演習 |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
物質量と化学反応式(化学反応式の表す量的関係) |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。
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2週 |
酸と塩基(酸と塩基の性質,酸と塩基の定義,広い意味の酸と塩基,酸と塩基の価数) |
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。
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3週 |
酸と塩基(酸・塩基の強弱,水素イオン濃度,水素イオン濃度とpH) |
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。pH を説明でき、pH から水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。
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4週 |
酸と塩基(中和反応と塩の生成,塩の種類,塩の性質) |
酸,塩基の濃度からpHを求めることができる。pHの概念と使用法について説明できる。中和反応がどのような反応であるか説明できる。塩を分類できる。塩の水溶液の性質を判断できる。
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5週 |
酸と塩基(中和反応の量的関係,中和滴定,滴定曲線) |
中和滴定の計算ができる。中和滴定の操作や指示薬の選択について説明できる。
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6週 |
酸化還元反応(酸化と還元,酸化数,酸化還元反応と酸化数) |
酸化還元反応について説明できる。原子に酸化数をわりあてることができる。酸化数の増減から反応を見分けることができる。
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7週 |
酸化還元反応(酸化剤と還元剤,電子の授受と酸化還元反応)酸化剤と還元剤のはたらきの強さ) |
酸化剤・還元剤について説明できる。酸化剤と還元剤の半反応式を記述できる。半反応式から酸化還元反応の化学反応式を組み立てることができる。
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8週 |
酸化還元反応(酸化剤と還元剤のはたらきの強さ,酸化剤と還元剤の量的関係) |
酸化剤・還元剤のはたらきの強さについて説明できる。酸化還元滴定の計算ができる。
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4thQ |
9週 |
酸化還元反応(金属のイオン化傾向,金属の反応性) |
イオン化傾向について説明できる。金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。
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10週 |
酸化還元反応(電池のしくみ,実用電池,金属の製錬) |
ダニエル電池についてその反応を説明できる。鉛蓄電池についてその反応を説明できる。一次電池の種類を説明できる。二次電池の種類を説明できる。代表的な金属の製錬について説明できる
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11週 |
酸化還元反応(電気分解,電気分解の量的関係) |
電気分解反応を説明できる。ファラデーの法則による計算ができる。
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12週 |
酸化還元反応(金属の製錬,電解精錬,溶融塩電解,水酸化ナトリウムの製造) |
代表的な金属の製錬について説明できる。電気分解の利用として銅の精錬など,実社会における技術の利用例を説明できる。
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13週 |
人間生活の中の化学,化学とその役割 |
代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。対数を用いてpHを求めることができる。
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14週 |
化学実験法(試薬の扱い,応急処置,試薬の調整法,気体の発生方法) |
実験の基礎知識を持っている。事故への対処の方法を理解し,対処できる。レポート作成の手順を理解し,レポート作成できる。ガラス器具の取り扱いができる。試薬の調整ができる。代表的な気体発生の実験ができる。代表的な無機化学反応により沈殿をつくり,ろ過できる。
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15週 |
対数を用いたpH計算,演習 |
対数を用いてpHを計算できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 3 | |
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。 | 3 | |
物質が原子からできていることを説明できる。 | 3 | |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
純物質と混合物の区別が説明できる。 | 3 | 前1 |
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。 | 3 | 前1 |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 3 | 前3 |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 3 | 前3 |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 3 | 前4 |
同位体について説明できる。 | 3 | 前4 |
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 3 | 前4 |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 3 | 前5 |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | 前5 |
原子のイオン化について説明できる。 | 3 | 前6 |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 3 | 前7 |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 3 | 前5 |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 3 | 前5 |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 3 | 前7 |
イオン結合について説明できる。 | 3 | 前7 |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 3 | 前7 |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前7 |
共有結合について説明できる。 | 3 | 前8 |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | 前8 |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 3 | |
金属の性質を説明できる。 | 3 | |
原子の相対質量が説明できる。 | 3 | 前12 |
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。 | 3 | 前12 |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 3 | 前13 |
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。 | 3 | 前13 |
気体の体積と物質量の関係を説明できる。 | 3 | 前14 |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 3 | 前16 |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 3 | 後1 |
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 | 3 | 後3 |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 3 | |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 3 | |
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。 | 3 | 後2 |
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。 | 3 | 後2 |
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。 | 3 | 後3 |
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。 | 3 | 後3 |
中和反応がどのような反応であるか説明できる。 | 3 | 後4 |
中和滴定の計算ができる。 | 3 | 後5 |
酸化還元反応について説明できる。 | 3 | 後6 |
イオン化傾向について説明できる。 | 3 | 後9 |
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。 | 3 | 後9 |
ダニエル電池についてその反応を説明できる。 | 3 | 後10 |
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。 | 3 | 後10 |
一次電池の種類を説明できる。 | 3 | 後10 |
二次電池の種類を説明できる。 | 3 | 後10 |
電気分解反応を説明できる。 | 3 | |
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。 | 3 | |
ファラデーの法則による計算ができる。 | 3 | |
化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 3 | 前2 |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 3 | 前2 |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | 前13 |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | 前2 |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | 前2 |
試薬の調製ができる。 | 3 | |
代表的な気体発生の実験ができる。 | 3 | |
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。 | 3 | 前2 |