工学演習Ⅱ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 工学演習Ⅱ
科目番号 2021-475 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 制御情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 教科書:特になし。適宜、資料を配布。
担当教員 芹澤 弘秀

到達目標

1. ベクトル解析に関する基礎的な計算法を理解し、理工学の問題におけるベクトル演算を実行できる。
2. 線形空間(ベクトル空間)とヒルベルト空間に関する基礎概念を理解でき、説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1: ベクトル解析ベクトル解析の基礎概念と計算法を理解でき、理工学分野の問題を解く際にその知識を応用できる。ベクトル解析の基礎概念と計算法を理解でき、理工学分野の問題に現れる基礎的なベクトル演算を実行できる。ベクトル解析の基礎概念と計算法を理解できず、理工学分野の問題に現れる基礎的なベクトル演算を実行できない
評価項目2: 線形空間(ベクトル空間)とヒルベルト空間線形空間とヒルベルト空間に関する基礎概念の連関を理解でき、説明できる。線形空間とヒルベルト空間に関する基礎概念を理解でき、説明できる。線形空間とヒルベルト空間に関する基礎概念を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (B1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (B1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
理工学分野では言語ツールとしての数学が必要不可欠であり、その言語ツールを用いて対象を捉え、解析、設計などを行う。本講義では、まず3次元実ベクトル空間内でのベクトル演算と諸定理(固有値問題も含む)を学習し、物理学でのベクトル解析の位置づけを理解する。次に、抽象化されたn次元ベクトル空間での固有値問題を取り扱い、さらに無限次元のベクトル空間であるヒルベルト空間へと拡張することで、理工学分野で必要となる諸定理を学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は講義形式で行い、適宜レポート課題を課す。継続的な自学自習(日々の努力)を奨励しているため、定期試験や小試験のための勉強ノートまたは対策レポート(日付入り)を受理する場合がある。
注意点:
1. 評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
2. この科目は学修単位科目であり、1単位あたり30時間の対面授業を実施します。併せて1単位あたり15時間の事前学習・事後学習が必要となります。
3. 前期中間試験を40%、小試験を20%、課題レポートを35%、授業態度(ノート検査等)を5%の重みとして成績評価を行う。60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
ベクトルの基礎(幾何ベクトルと数ベクトル)
学習の必要性を説明できる。
ベクトルの成分表記および和と差を説明でき、理工学の問題に応用できる。
2週 ベクトル解析1(ベクトルの微分、内積と外積の基礎) ベクトルの微分を計算でき、理工学の問題に応用できる。内積と外積の定義を説明できる。
3週 ベクトル解析2(内積と外積の応用) 内積と外積の成分表示式を導出できる。内積と外積を理工学の問題に応用できる。
4週 ベクトル解析3(勾配∇f) スカラー場の勾配の意味を説明でき、計算できる。
5週 ベクトル解析4(発散∇・F) ベクトル場の発散の意味を説明でき、計算できる。
6週 ベクトル解析5(回転∇×F) ベクトル場の回転の意味を説明でき、計算できる。
7週 ベクトル解析6(ベクトルの積分) 線積分、面積分、体積分を説明できる。
8週 ベクトル解析7(ガウスの発散定理、ストークスの定理) ガウスの発散定理とストークスの定理を説明でき、計算できる。
2ndQ
9週 線形空間1(準備1:3次元実ベクトル空間内での線形写像、固有値と固有ベクトル、座標変換と標準形) 3次元空間内での線形写像と固有値・固有ベクトルを説明でき、座標変換(標準形)の計算ができる。
10週 線形空間2(準備2:集合と写像) 集合と写像の基礎概念を説明できる。
11週 線形空間3(準備3:代数系) 半群、モノイド、群、可換群、環、体、線形代数を説明できる。
12週 線形空間4(線形空間、部分空間、線形独立) 線形空間、部分空間、線形独立を説明できる。
13週 線形空間5(線形写像と行列、固有空間による直和、対角化可能の条件) 線形写像と行列、固有空間による直和の概念、および対角化可能の条件を説明できる。
14週 線形空間6(内積空間、ノルム空間、シュミットの直交化法、直交補空間、随伴作用素) 内積空間、ノルム空間、シュミットの直交化法、および直交補空間の基礎概念を説明できる。
15週 線形空間7(正規作用素、バナッハ空間、ヒルベルト空間、一般化フーリエ展開) バナッハ空間とヒルベルト空間を説明できる。一般化フーリエ展開の概念を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

前期中間試験小試験課題レポート授業態度合計
総合評価割合4020355100
基礎的能力4020355100
専門的能力00000
分野横断的能力00000