応用数学B

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用数学B
科目番号 2021-492 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 新版確率統計,新版確率統計演習(実教出版)
担当教員 鈴木 正樹

到達目標

1. 確率の基本性質や概念を理解でき,事象の確率を求めることができる.(B1)
2. 1次元および2次元のデータ整理ができる.相関関係が理解でき,相関係数,回帰直線を求めることができる.(B1)
3. 確率変数,確率分布の概念が理解でき,確率分布の定義から統計量を求めることができる.中心極限定理を用いて, 標本から条件を満たす確率を求めることができる.(B1)
4. 母平均、母分散の推定および検定ができる.(B1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1条件付確率、ベイズの定理を理解でき,実際の問題に応用できる.確率の基本性質や概念を理解でき,事象の確率を求めることができる.確率の基本性質や概念を理解できず,事象の確率を求めることができない.
評価項目2回帰直線を最小二乗法を用いて求めることができる. 1次元および2次元のデータ整理ができる.相関関係が理解でき,相関係数,回帰直線を求めることができる. 1次元および2次元のデータ整理ができない.相関関係が理解できず,相関係数,回帰直線を求めることができない.
評価項目3大数の法則,中心極限定理を理解でき,実際の問題に応用できる.確率変数,確率分布の概念が理解でき,確率分布の定義から統計量を求めることができる.中心極限定理を用いて, 標本から条件を満たす確率を求めることができる.し、確率分布の定義から平均、分散等の統計量を求ることができる。  確率変数,確率分布の概念が理解できず,確率分布の定義から統計量を求めることができない.中心極限定理を用いて, 標本から条件を満たす確率を求めることができない.
評価項目4母分散が未知の場合に母平均の推定ができる.母平均、母分散の推定および検定ができる.母平均、母分散の推定および検定ができない.

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (B1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (B1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
数理統計学の基礎(確率と統計)について講義を行う.確率論は16 世紀から17 世紀にかけてカルダーノ,パスカル,フェルマーなどにより数学の一分野となっていった.19 世紀初めにコロモゴロフにより公理的確率論が確立し,現在では株価など偶然性を伴う現象の解析にはなくてはならない.統計学は経験的に得られたバラツキのあるデータから,応用数学の手法を用いて数値上の性質や規則性あるいは不規則性を見いだす.そのため,医学,薬学,経済学,社会学,心理学,言語学など,自然科学・社会科学・人文科学の実証分析を伴う分野について,必須の学問となっている.
授業の進め方・方法:
授業は講義形式で行う.授業中は集中して聴講すること.
適宜,レポート課題を課すので,期限内に提出すること.
注意点:
評価については,評価割合に従って行う.ただし,適宜再試や追加課題を課し,加点することがある.
この科目は学修単位科目であり1単位あたり15時間の対面授業を実施する.併せて1単位あたり30時間の事前学習・事後学習が必要となる.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
2週 確率とその基本性質(1) 事象と確率の定義を理解できる.
3週 確率とその基本性質(2) 確率の基本性質を理解できる.
4週 いろいろな確率の計算(1) 独立試行の確率を求めることができる
5週 いろいろな確率の計算(2) 反復試行の確率を求めることができる.
6週 いろいろな確率の計算(3) 条件付き確率を求めることができる.
7週 いろいろな確率の計算(4) ベイズの定理を理解でき,これを用いて確率を求めることができる.
8週 演習 章末問題を解くことができる.
2ndQ
9週 1次元のデータ(1) 度数分布表を作成できる.
10週 1次元のデータ(2) 代表値を求めることができる.
11週 1次元のデータ(3) 分散,標準偏差を求めることができる.
12週 演習 実際の1次元データを用いて,データの整理ができる.
13週 2次元のデータ(1) 散布図を作成でき,共分散を求めることができる.
14週 2次元のデータ(2) 相関係数,回帰直線を求めることができる.
15週 演習 実際の2次元データを用いて,データの整理ができる.
16週
後期
3rdQ
1週 確率分布(1) 確率変数を理解できる.
2週 確率分布(2) 確率変数の平均,分散,標準偏差を求めることができる.
3週 確率分布(3) 確率変数の性質を理解できる.
4週 確率分布(4) 二項分布を理解できる.
5週 確率分布(5) 正規分布を理解できる.
6週 確率分布(6) 確率変数の標準化ができる.
7週 確率分布(7) 二項分布と正規分布の関係を理解できる.
8週 演習 章末問題を解くことができる.
4thQ
9週 統計的推測(1) 母集団と標本を理解できる.
10週 統計的推測(2) 中心極限定理が理解できる.
11週 推定(1) 母平均の推定ができる.
12週 推定(2) 母比率の検定ができる.
13週 検定(1) 母平均の検定ができる.
14週 検定(2) 母比率の検定ができる.
15週 演習 章末問題を解くことができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12
分数式の加減乗除の計算ができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12
簡単な連立方程式を解くことができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12
恒等式と方程式の違いを区別できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3後1,後2,後7,後8
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後1,後2,後7,後8
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3後1,後2,後7,後8
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
角を弧度法で表現することができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
一般角の三角関数の値を求めることができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
2点間の距離を求めることができる。3前14,前15
内分点の座標を求めることができる。3前14,前15
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3前14,前15
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3前14,前15
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3前14,前15
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3前14,前15
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3前2,前3,前12
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3前2,前3,前12
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3後1,後2,後3,後8
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3後1,後2,後3,後8
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3後1,後2,後3,後8
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3後1,後2,後3,後8
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3前14,前15
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3前14,前15
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3前14,前15
合成関数の導関数を求めることができる。3前14,前15
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3前14,前15
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3前14,前15
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3前14,前15
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3前14,前15
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3前14,前15
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3前14,前15
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3前14,前15
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3前14,前15
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3前14,前15
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3前14,前15
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3前14,前15
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3前3,前4,前8,前12
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3前5,前6,前8,前12
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3前9,前10,前11,前12
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3前13,前14,前15

評価割合

定期試験課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100
専門的能力000
分野横断的能力000