通信工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 通信工学
科目番号 2022-415 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 制御情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 通信工学 (電気・電子系教科書シリーズ)、竹下鉄夫、吉川英機(著)、コロナ社/計算機シミュレーション(D科演習室での利用を想定)
担当教員 山崎 悟史

到達目標

1.信号の数学的表現(実信号と解析信号),それに関する等価低域系などの諸概念を説明できる.
2.フーリエ級数やフーリエ変換(フーリエ解析)に基づき,信号に関する諸量を計算できる.
3.フーリエ解析に基づき,信号を時間領域および周波数領域で解析できる.
4.雑音の統計的表現を理解し,信号に与える影響を説明できる.
5.dB,dBmなどの単位系を理解し,適切な回線設計に関する計算(リンク・バジェット)ができる.
6.基本的なディジタル変復調について説明,計算機上で実装できる.
7.スペクトル効率やビット誤り率などに基づき,通信品質を評価できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1信号の数学的表現(実信号と解析信号),それに関する等価低域系などの諸概念を説明できる(評価割合:8割以上).信号の数学的表現(実信号と解析信号),それに関する等価低域系などの諸概念を説明できる(評価割合:6~8割).信号の数学的表現(実信号と解析信号),それに関する等価低域系などの諸概念を説明できる(評価割合:6割未満).
評価項目2フーリエ級数やフーリエ変換(フーリエ解析)に基づき,信号に関する諸量を計算できる(評価割合:8割以上).フーリエ級数やフーリエ変換(フーリエ解析)に基づき,信号に関する諸量を計算できる(評価割合:6~8割).フーリエ級数やフーリエ変換(フーリエ解析)に基づき,信号に関する諸量を計算できる(評価割合:6割未満).
評価項目3フーリエ解析に基づき,信号を時間領域および周波数領域で解析できる(評価割合:8割以上).フーリエ解析に基づき,信号を時間領域および周波数領域で解析できる(評価割合:6~8割).フーリエ解析に基づき,信号を時間領域および周波数領域で解析できる(評価割合:6割未満).
評価項目4雑音の統計的表現を理解し,信号に与える影響を説明できる(評価割合:8割以上).雑音の統計的表現を理解し,信号に与える影響を説明できる(評価割合:6~8割).雑音の統計的表現を理解し,信号に与える影響を説明できる(評価割合:6割未満).
評価項目5dB,dBmなどの単位系を理解し,適切な回線設計に関する計算(リンク・バジェット)ができる(評価割合:8割以上).dB,dBmなどの単位系を理解し,適切な回線設計に関する計算(リンク・バジェット)ができる(評価割合:6~8割).dB,dBmなどの単位系を理解し,適切な回線設計に関する計算(リンク・バジェット)ができる(評価割合:6割未満).
評価項目6基本的なディジタル変復調について説明,計算機上で実装できる(評価割合:8割以上).基本的なディジタル変復調について説明,計算機上で実装できる(評価割合:6~8割).基本的なディジタル変復調について説明,計算機上で実装できる(評価割合:6割未満).
評価項目7スペクトル効率やビット誤り率などに基づき,通信品質を評価できる(評価割合:8割以上).スペクトル効率やビット誤り率などに基づき,通信品質を評価できる(評価割合:6~8割).スペクトル効率やビット誤り率などに基づき,通信品質を評価できる(評価割合:6割未満).

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
通信の目的は遠隔の人へ情報を伝えたい、遠隔の情報を取得したい、遠隔の機械を操作したいに大別される。古くは「のろし」「太鼓」のような伝達手段から、現代のディジタルTVや携帯電話、無線LANに至るまで、その目的の本質は大きく変わってない。本講義では、信号処理(フーリエ解析)と確率論の数学的基礎を土台に、信号と雑音、ディジタル変復調、受信側での通信品質特性について扱い、最新技術にも通ずる基礎や土台となる考え方について扱う。座学講義、レポート課題・演習やPCを利用した実習を通じて習得する。随時、レポートおよび演習課題を課す。
授業の進め方・方法:
スライド形式(オリジナルのプリント)による座学講義を主とし、レポート課題・演習やPCを利用した実習を併用する。
注意点:
他の科目(電磁気学、電気・電子回路、確率・統計、回路とシステム、フーリエ解析、情報ネットワーク論)などと関連する内容があるので、これらの科目を履修していると理解が深まる。逆に、本科目(通信工学)の履修を通じて、これらの他の科目の有用性や意義が見出せる。また、課題を遂行する上で、プログラミング(C言語など)に関する知識が必須となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、信号の表現と解析1 本講義の位置付け、概要が理解できる。信号表現、位相について説明できる。
2週 信号の表現と解析2 フーリエ級数展開、フーリエ変換について理解し、それによる信号解析ができる。
3週 信号の表現と解析3 各種フーリエ変換の性質を理解し、それを用いた計算ができる。
4週 信号の表現と解析4 各種フーリエ変換の性質を理解し、それを用いた計算ができる。
dB等の概念を理解し、それを用いた通信回線設計の計算ができる。
5週 演習 無線通信システムを計算機シミュレーションで評価するためにMATLABの使用法について演習する.
6週 確率・統計の基礎 無線通信システムを理解,解析する上で必要となる確率・統計の基礎的な概念(正規分布、確率密度関数、累積分布関数等)が説明できる。
7週 無線通信システム1 無線通信システムのモデル化、構成要素を理解し、雑音(特に加法性白色雑音)について説明できる。
8週 無線通信システム2 無線を用いた電波伝搬に関する基礎概念(自由空間伝搬、無線周波数帯の特徴など)について説明できる。フリスの式を用いた伝搬損の計算ができる。
2ndQ
9週 無線通信システム3 移動通信環境に関する基礎概念(パスロス、シャドウイング、フェージング)の基礎概念について説明できる。送受信機の基本構成,等価低域系と帯域通過系について説明できる。
10週 ディジタル変調と復調 ディジタル変調と復調の基本概念について説明できる。基本的な変調方式について数式を用いて説明できる。
11週 ディジタル変調1 BPSK変調について数式表現を用いて説明できる。計算機シミュレーションを用いて実装し、受信側の誤り率を評価できる。
12週 ディジタル変調2 QPSK変調について数式表現を用いて説明できる。計算機シミュレーションを用いて実装し、受信側の誤り率を評価できる。
13週 ディジタル復調1 復調の基本概念(同期検波や遅延検波など)について説明できる。
14週 ディジタル復調2 BPSK復調、受信側の誤り率特性について数式を用いて説明できる。計算機シミュレーションを用いて実装し、理論特性との比較によって妥当性を評価できる。
15週 ディジタル復調3 QPSK復調、受信側の誤り率特性について数式を用いて説明できる。計算機シミュレーションを用いて実装し、理論特性との比較によって妥当性を評価できる。
16週 多重化と多元接続 実際の通信システムに,変復調や多重化・多元接続などがどのように実現されているのか説明できる。また無線LANなどで用いられているランダムアクセス方式の基本動作について説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

課題試験ポートフォリオその他合計
総合評価割合30700000100
基礎的能力2040000060
専門的能力1030000040
分野横断的能力0000000