工学基礎Ⅰ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 工学基礎Ⅰ
科目番号 2022-550 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 制御情報工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 工学基礎Ⅰ
担当教員 遠山 和之,勝山 智男,大津 孝佳,小村 元憲,山之内 亘

到達目標

高専での効果的な学習方法,実験器具の使い方,データの扱い方,事故防止,知的財産,技術者倫理などの工学に共通の基礎事項を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電圧計や電流計の内部抵抗を理解して、適切な接続方法で測定することができる。電圧計や電流計の内部抵抗を理解して、適切な接続方法で測定することができる。電圧計と電流計の基本的な取り扱い方、測定精度を理解し、測定することができる。電圧計と電流計の直流・交流の区別、接続方法について知っている。
電気を扱う際、感電、電気機器の加熱、電気火花などによる事故の危険性を理解し、予防することができる。電気を扱う際、感電、電気機器の加熱、電気火花などによる事故の危険性を理解し、予防することができる。電気を扱う際、感電、電気機器の加熱、電気火花などによる事故の危険性を理解できる。感電、電気機器の加熱、電気火花などによる事故を知っている。
7つのSI基本単位、組立単位を理解し、実験レポート等で正しい表記で報告できる。7つのSI基本単位、組立単位を理解し、実験レポート等で正しい表記で報告できる。SI単位を理解し、実験レポート等で正しい表記で報告できる。MKS単位系を知っている。
薬品の安全な取扱い方薬品を取扱う際にその性質を十分調査し、起こり得る危険性を把握した上で、適切に安全に薬品を取り扱うことができる。薬品を取扱う際には、様々な性質のものがあることを理解し、その性質等を使用前に調べる必要性があることを理解し、火災や爆発などの事故を未然に防ぐことができる。薬品を取扱う際には、様々な性質のものがあることや、その性質等を使用前に調べる必要性があることを理解できない。
火気の安全な使用と作業服の重要性状況に応じて的確に火気を安全に使用することができ、作業服の重要性を理解し、その役割および特性を説明できる。火気の安全な使用方法を理解し、作業服の重要性を理解できる。火気の安全な使用方法も、作業服の重要性も理解できない。
地震対策地震のメカニズムを理解し、学内および学外で状況に応じて的確な対応方法を指示できる。地震のメカニズムを理解し、学内および学外での対応の仕方が異なることを理解できる。地震のメカニズムも、学内および学外での対応の仕方が異なることも理解できない。
事故時の報告・連絡・相談事故時に周囲に対して報告・連絡・相談し、状況を見極めながら的確に処理し指示することができる。事故時に周囲に対して報告・連絡・相談することができる。事故時に周囲に対して報告・連絡・相談することができない。
応急処置様々な事故時において、適切な応急処置の方法を理解し指示できる。様々な事故時において、適切な応急処置の仕方があることを理解できる。様々な事故時において、適切な応急処置の仕方があることを理解できない。
環境問題,国際社会の諸問題と技術者環境問題,および国際社会における諸問題に関して技術者としてふさわしい行動とは何かを理解し,説明できる。環境問題,および国際社会における諸問題に関して技術者としてふさわしい行動とは何かを理解できる。環境問題,および国際社会における諸問題に関して技術者としてふさわしい行動とは何かを理解できない。
実験ノートと報告書の書き方実験において,目的から操作・結果・考察に至る一連の流れを理解し,適切な計画を立てることができる。さらに,実験ノートや報告書の正しい書き方を理解し,それを人に説明できる。実験において,目的から操作・結果・考察に至る一連の流れを理解し,実験ノートや報告書を適切に書くことができる。実験において,目的から操作・結果・考察に至る一連の流れが理解できず,実験ノートや報告書を適切に書くことができない。
実験データの分析実験データを適切に分析し,その結果をグラフ等を用いて整理・表現できる。測定値の有効数字について理解し,実験結果をグラフを用いて表現できる。測定値の有効数字について理解できない。
技術者倫理社会における技術者の役割と責任,および法令・社会規範の順守について理解し,説明できる。社会における技術者の役割と責任,および法令・社会規範の順守について理解できる。社会における技術者の役割と責任,および法令・社会規範の順守について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1年次に学習する共通実験(工学基礎Ⅱ)と並行して学習する。工学を目指す初学年者にとって、最も基本的で重要な工学の基礎を学習する。これは2年生以降の高学年でも、また専門性が異なっても共通する重要事項の学習内容である。
授業の進め方・方法:
第Ⅰ期から第Ⅲ期に分けて授業を進める。各期において、3分野の担当教員が、1教員当たり3時限分の講義をする形で授業を進める。定期試験は、前期末試験、後期中間試験、学年末試験の3回実施する。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス なぜ工学を学ぶのかを理解できる
2週 第Ⅰ期・第1章
高専における勉強法(勝山)
沼津高専の勉強の仕方を理解できる
3週 実験ノートと報告書(勝山) 実験ノートの記載方法を身に着け,報告書の正しい書き方を理解できる。
4週 グラフの書き方(勝山) グラフと図の書き方を理解できる
5週 第Ⅰ期・第2章
電圧電流測定技術(テスターの基本的使用方法:遠山)
テスターを用いた電圧、電流、抵抗値の測定方法について説明できる。
6週 第Ⅰ期・第2章
電圧電流測定技術(電圧計と電流計の原理と基本的使用方法①:遠山)
電圧計と電流計の基本的な取り扱い方、測定精度を理解し、測定することができる。
7週 第Ⅰ期・第2章
電圧電流測定技術(電圧計と電流計の原理と基本的使用方法②:遠山)
電圧計と電流計の基本的な取り扱い方、測定精度を理解し、測定することができる。
8週 第Ⅰ期・第3章
事故防止のための安全教育(その1)(薬品の安全な取り扱い方①:小村)
安全第一を理解できる。
標語の5Sを理解できる。
化学薬品の安全な基本的取扱い3原則を理解できる。
化学物質を扱う前に行うべきことを理解できる。
各化学物質について安全データシート(SDS)があることを理解できる。
緊急時の対応を理解できる。
2ndQ
9週 事故防止のための安全教育(その1)(薬品の安全な取り扱い方②:小村) 薬品は危険であることを認識することができる。
薬品の危険有害性を表す国際的なサイン(GHS)を理解できる。
薬品の中には毒物および劇物という文類があり、それらの違いを理解できる。
火災事故に未然に防ぐための留意点を理解できる。
薬品には危険物に分類されるものがありそれらの種類と性質を理解できる。
10週 事故防止のための安全教育(その1)(薬品の安全な取り扱い方③:小村) 薬品の体積や質量を測る道具の種類および使用方法を理解できる。
高圧ガスの定義および種類、ボンベの色の違い、扱い方の注意点を理解できる。
11週 第Ⅱ期・第4章
事故防止のための安全教育(その2)(火気の安全な使用と作業服の重要性①:山之内)
ハインリッヒの法則を理解できる。
燃焼の3条件および消火の3条件を理解できる。
危険物の指定数量を理解し計算できる。
火災の種類を説明できる。
12週 事故防止のための安全教育(その2)(火気の安全な使用と作業服の重要性②:大津) 消火器の種類を説明できる。
作業服の役割を理解できる。
静電気の発生の原理を理解でき、帯電列を理解できる。
静電気を防ぐ素材についてその原理を理解できる。
13週 事故防止のための安全教育(その2)(地震対策:山之内) 地震発生のメカニズムを理解できる。
P波、S波の違いを理解できる。
学内および学外における地震時の対応を理解できる。
14週 第Ⅱ期・第5章
事故防止のための安全教育(その3)(電気器具の安全な使用について:遠山)
電気を扱う際、感電、電気機器の加熱、電気火花などによる事故の危険性を理解できる。
15週 前期分のまとめ 主に第一期の学習内容について理解できる。
16週
後期
3rdQ
1週 第Ⅱ期・第6章
単位と工業規格(SI単位と組立単位:遠山)
SI単位を理解し、実験レポート等で正しい表記で報告できる。
2週 第Ⅱ期・第6章
単位と工業規格(工業規格について:遠山)
JISやISO、IECなどの国内外の工業規格の重要性を認識し、標準化について説明できる。
3週 第Ⅱ期・第7章
誤差と有効数字(1)(勝山)
誤差と有効数字概念を理解できる
4週 誤差と有効数字(2)(勝山) 測定器を正しく読み取り,測定値を適切な有効数字で表現できる
5週 誤差と有効数字(3)(勝山) 間接測定量の有効数字を正しく表現できる
6週 第Ⅲ期・第8章
事故対応について(事故時の報告・連絡・相談、応急措置:山之内)
「ほうれんそう」という標語を理解できる。
事故時およびその後の対応を理解できる。
様々な事故が起こった際のけが等の応急処置の仕方を理解できる。
7週 第Ⅲ期・第9章
知的財産について①(知的財産権の種類:大津)
知的財産権の種類を理解できる。
産業財産権の種類を理解できる。
8週 後期中間試験の解説および答案返却
4thQ
9週 知的財産について②(特許について:大津) 特許を取得するまでの一連の流れを理解できる。
10週 第Ⅲ期・第10章
電卓の使用法(基本的な使い方:遠山)
電卓を用いて計算を行う際に用いる機能であるメモリ機能、指数表示、浮動小数点表示、()の取り扱い方法などを理解し、正しく計算することができる。
11週 第Ⅲ期・第10章
電卓の使用法(指数関数・対数関数:遠山)
関数電卓を用いて、指数関数、対数関数(自然対数、常用対数)を、正しく計算することができる。
12週 第Ⅲ期・第10章
電卓の使用法(三角関数:遠山)
deg、rad等の角度の単位変換を適切に行い、三角関数や逆三角関数の計算を行うことができる。
13週 第Ⅲ期・第11章
環境問題と技術者(勝山)
工業技術の発展と環境問題について理解し,環境問題の解決のために技術者としてやるべきことを挙げることができる。
14週 持続可能な開発(勝山) 持続可能な開発(SDGs)と技術者の役割について理解できる
15週 技術者倫理と技術者の国際協力(勝山) 技術者の国際協力と社会貢献について理解し,技術者倫理に基づいた行動を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。1前3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。1前4,後3,後4,後5
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。1前3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。1前3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。1前4
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。1前3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。1前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。1前3
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。1後13,後14,後15
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。1後13,後14,後15
社会における技術者の役割と責任を説明できる。1後13,後14,後15
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。1後13,後14
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。1後13,後14
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。1後15
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。2後7,後9
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。2後7,後9
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。1後13,後14,後15
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。1後13,後14,後15
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。1後13,後14,後15
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。1後13,後14,後15
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。1後13,後14,後15
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。1後13,後14,後15
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性法令やルールを遵守した行動をとれる。1後13,後14,後15
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。1後13,後14,後15
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。1後13,後14,後15
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。1後13,後14,後15
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。1後13,後14,後15
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。1後13,後14,後15

評価割合

前期末試験後期中間試験学年末試験合計
総合評価割合333334100
基礎的能力333334100