概要:
情報が諸資源と同等の価値として扱われる社会へと変容を遂げようとしている現代では、情報学に関する専門用語を十分理解した上で、これらを駆使していくことが最低限必要となる。制御情報工学科で学ぶ上ではさらに、コンピュータやネットワークを構成するハードウェアやデータ構造の詳細についても深く理解し、アルゴリズムを駆使することで、システム開発を行っていくことが求められる。本講義では、高学年で深く学ぶことになるコンピュータ技術やプログラミングに関して、最も基本的な知識を習得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
本講義では、情報学分野で使用される専門用語の解説に重点を置き、社会人としてICTに関する専門的なコミュニケーションに不便を感じない基礎知識の修得を目指す。
同時に、情報社会に潜在する危険性や不確定要素について紹介することで、各人の問題意識を喚起する。
授業は教科書を基準に進行するものとし、スライドや動画を用いた補足説明と、小テストやレポートを実施する。
注意点:
評価については、シラバス記載の「評価割合」に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
中間試験を授業時間内に実施することがあります。
授業態度や出席点は評価項目に含めませんが、授業後半に小テストを実施しますので、遅刻欠席はもとより、居眠りや授業に関係ない作業を行うにより評価点が下がることがあります。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス シラバスの説明~授業の進め方と評価方法について 基本情報技術者試験について コンピュータ構成要素-① 情報の表現、コンピュータの構成、CPUの動作原理と高速化 |
情報量の単位や接頭語の計算ができる コンピュータの5装置について、役割とデータの流れが説明できる CPUと主記憶間で行われる命令実行サイクルを説明でき、いくつかのアドレス指定方式の名称と概容を知っている パイプライン、スーパスカラ方式によるCPU高速化の説明ができる
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2週 |
コンピュータ構成要素-② 半導体メモリ 補助記憶装置 入出力装置 入出力インタフェース |
メモリの名称と特長、使途について説明できる 補助記憶装置の動作手順を説明できる 補助記憶のアクセス時間の計算ができる 様々な入出力インターフェースについて、名称と特長を説明できる
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3週 |
コンピュータ構成要素-③ まとめと習熟確認 |
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4週 |
ソフトウェアとマルチメディア-① ソフトウェア ジョブ管理とタスク管理 |
OSが行っている主な仕事をいくつか挙げ、それぞれを簡単に説明できる タスクの状態遷移とスケジューリングについて説明ができる
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5週 |
ソフトウェアとマルチメディア-② 記憶管理 ファイル管理 マルチメディア |
実記憶管理と仮想記憶管理について簡単な説明ができる ディレクトリの構造やパスの概念について説明ができる 静止画・動画のファイル形式をいくつか挙げて、特長について説明できる
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6週 |
ソフトウェアとマルチメディア-③ まとめと習熟確認 |
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7週 |
アルゴリズムとプログラミング-① アルゴリズム 配列 リスト キューとスタック 木構造 |
アルゴリズムとデータ構造についての概略を知っている 配列、リスト構造、キュー、スタック、木構造の特徴を簡単に説明できる
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8週 |
アルゴリズムとプログラミング-② データの整列 データの探索 アルゴリズムの計算量 |
代表的な整列・探索アルゴリズムをいくつか挙げ、概容と交換回数について説明できる
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2ndQ |
9週 |
システム構成要素-① システム構成 サーバクライアントシステム RAIDと信頼性設計 |
速度と信頼性の観点から、様々なシステムが組まれていることを理解している クライアントサーバシステムやサーバ仮想化について説明できる RAIDの形式を3つほど挙げて、ハードウェアの設定方法や特徴を説明できる
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10週 |
システム構成要素-② システムの性能評価 システムの信頼性評価 |
スループット、ターンアラウンドタイム、レスポンスタイムなどのシステム評価指標を説明できる RASISについてそれぞれの正確な意味を説明できる
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11週 |
ネットワーク技術-① ネットワーク方式 通信プロトコル ネットワーク接続機器 |
ネットワークの様々な形式について名称と特長を説明できる OSI参照モデルを説明できる TCP/IP参照モデルを説明できる ネットワークを構築するための装置についてそれぞれの特徴を簡単に説明できる
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12週 |
ネットワーク技術-② IPアドレス IPアドレスのクラス ネットワーク管理とインターネットの応用 |
IPアドレス、ドメイン、DNSの関係について説明できる DHCPとポート番号について簡単に説明できる クラスによるネットワーク構築方法の違いについて説明できる 比較的新しい通信プロトコルについて、例を挙げて説明できる
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13週 |
情報セキュリティ-① 情報セキュリティと情報セキュリティ管理 脅威とマルウェア サイバー攻撃 |
情報セキュリティの3要素を挙げて、それぞれについて例を挙げて説明できる リスクアセスメントと対応について説明できる ISMS適合性評価やCSIRTについて知っている 物理的脅威、人的脅威、技術的脅威について、例を挙げて説明できる ウィルス対策ソフトの方式について簡単に説明できる
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14週 |
情報セキュリティ-② 暗号技術 認証技術 利用者認証とネットワークセキュリティ |
共通鍵暗号方式について説明できる 公開鍵暗号方式について説明できる ハッシュ関数を用いた完全性の証明について説明できる 暗号化と認証を支える組織や技術について簡単に説明できる
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15週 |
総まとめ |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 2 | 前15 |
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 3 | 前15 |
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。 | 3 | 前15 |
社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 3 | 前15 |
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。 | 3 | 前15 |
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。 | 3 | 前15 |
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 3 | 前15 |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 3 | 前15 |
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。 | 3 | 前15 |
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。 | 3 | 前15 |
情報リテラシー | 情報リテラシー | 情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。 | 3 | 前15 |
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。 | 3 | 前8,前15 |
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。 | 3 | 前1,前2,前7,前15 |
情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。 | 3 | 前1,前2,前7,前15 |
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを知っている。 | 3 | 前9,前10,前15 |
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。 | 3 | 前14,前15 |
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。 | 3 | 前15 |
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している | 3 | 前15 |
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。 | 3 | 前15 |
グローバリゼーション・異文化多文化理解 | グローバリゼーション・異文化多文化理解 | それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。 | 3 | 前15 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 計測制御 | 国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。 | 3 | 前5,前6,前7 |
情報系分野 | プログラミング | 主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。 | 3 | 前1,前2,前7 |
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。 | 3 | 前3,前4,前7 |
ソフトウェア | アルゴリズムの概念を説明できる。 | 3 | 前9,前10 |
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。 | 3 | 前9,前10 |
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。 | 3 | 前9,前10 |
時間計算量によってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。 | 3 | 前9,前10 |
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。 | 3 | 前9,前10 |
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。 | 2 | 前9,前10,前15 |
計算機工学 | 基数が異なる数の間で相互に変換できる。 | 4 | 前5,前7 |
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 4 | 前5,前7 |
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 4 | 前5,前7 |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 4 | 前5,前7,前15 |
コンピュータシステム | デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前7,前15 |
システムプログラム | コンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。 | 3 | 前3,前4,前7,前15 |
情報通信ネットワーク | プロトコルの概念を説明できる。 | 3 | 前3,前4,前7,前15 |
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。 | 3 | 前3,前4,前7,前13,前15 |
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。 | 3 | 前13,前15 |
インターネットの概念を説明できる。 | 3 | 前13,前15 |
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。 | 3 | 前13,前15 |
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。 | 3 | 前13,前15 |
無線通信の仕組みと規格について説明できる。 | 3 | 前13,前15 |
有線通信の仕組みと規格について説明できる。 | 3 | 前13,前15 |
基本的なルーティング技術について説明できる。 | 3 | 前13,前15 |
基本的なフィルタリング技術について説明できる。 | 3 | 前13,前14,前15 |
情報数学・情報理論 | コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。 | 3 | 前6,前7 |
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。 | 3 | 前6,前7 |
その他の学習内容 | コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。 | 4 | 前14,前15 |
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。 | 4 | 前14,前15 |
基本的な暗号化技術について説明できる。 | 3 | 前13,前14,前15 |
基本的なアクセス制御技術について説明できる。 | 3 | 前13,前14,前15 |
マルウェアやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。 | 4 | 前13,前14,前15 |
メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。 | 3 | 前15 |
ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。 | 4 | 前15 |
情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。 | 3 | 前15 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前7 |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前7 |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前7 |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前7 |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前7 |