情報学概論

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 情報学概論
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 制御情報工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 情報管理学 深井裕二著 コロナ社
担当教員 横山 直幸

到達目標

1.情報化により引き起こされた産業や価値観の変化について、書籍やウェブの情報を参考にしつつ、自己の意見を述べることができる
2.情報倫理の内容や意義について、他者へ説明することができる(学習・教育目標に対応)
3.デジタルデータの扱い方を理解し、コンピュータ内部で行われている簡単な計算を手計算により再現できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1:情報化により引き起こされた産業や価値観の変化について、書籍やウェブの情報を参考にしつつ、自己の意見を述べることができる□"The Next Society (P. Drucker)"や"第3の波 (A. Toffler)"において予言された「情報革命」や「社会資源の変容」について具体的な例を挙げて説明できる □「2045年(技術的特異点)問題」など高度情報社会において想定される種々の課題について自分の意見を述べる事ができる□情報社会における中核の資源である「情報」の本質について理解しており、農業社会・工業社会との違いについて説明することができる □「ユビキタスコンピューティング」や「デジタルデバイド」など、情報社会を形容する専門用語の内容を説明することができる□情報社会の定義を理解しておらず、社会の資源や価値観の変容について説明することができない □今後の社会で生じると予測される課題について、その内容や原因を理解していない
評価項目2:情報倫理の内容や意義について、他者へ説明することができる(学習・教育目標に対応)□ICTを介した社会的問題やそれが生じる原因(ハードウェア、ソフトウェア、人)、対策について他者へ説明することができ、情報倫理観に関する周知理解と徹底が最も効果的な対策であることを理解した上で、情報倫理教育に率先して取り組むことができる□情報倫理の意義や内容、情報セキュリティー保護を目的とした仕組みなどについて理解しており、自ら実行すると共に他者への説明ができる□情報を取り扱うものに必要な倫理観、情報セキュリティー保護の意義を理解しておらず、自己の情報機器や財産の保全ができないだけでなく、他者を情報犯罪の危険にさらしてしまう可能性がある
評価項目3:デジタルデータの扱い方を理解し、コンピュータ内部で行われている簡単な計算を手計算により再現できる□基数変換や補数表現、小数点表記法、シフト演算の原理や方法を理解しており、情報の基礎理論に関する数値問題に対して80%以上の正答率で解答することができる□基数変換や補数表現、小数点表記法、シフト演算の方法を知っており、情報の基礎理論に関する数値問題に対して60%以上の正答率で解答することができる□基数変換や補数表現、小数点表記法、シフト演算に関する理解が不十分であり、情報の基礎理論に関する数値問題の半分程度に対して正しい解答ができない

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
情報が諸資源と同等の価値として扱われる社会へと変容を遂げようとしている現代において、技術者の使命とは何か?情報化は人間の生き方や価値観をどのように変容させたのか? 本講義では、情報学分野における主要なテーマを紹介し、コンピュータ技術やエンジニアの可能性について考える契機を提供します。また、ビッグデータの活用を目的としたデータマイニング手法についても紹介します。
授業の進め方・方法:
本講義では、情報学分野で使用される専門用語の解説に重点を置き、社会人としてICTに関する専門的なコミュニケーションに不便を感じない基礎知識の修得を目指す。
同時に、情報社会に潜在する危険性や不確定要素について紹介することで、各人の問題意識を喚起する。
授業は教科書を基準に進行するものとし、スライドや動画を用いた補足説明と、小テストやレポートを実施する。
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
1.1 情報社会
情報化による社会の変容について理解し、自分の考えを述べる事ができる
クラウドサービスの概要と種類を説明できる
ICTの活用事例を挙げる事ができる
2週 1.1.3 情報サービス産業
1.1.4 情報社会の問題点
様々な情報産業について、簡単に説明ができる
ビッグデータの発生原因、注目される要因について説明できる
著作権問題やシステムの脆弱性、個人情報の流出などの情報社会特有の問題について、自分なりの考えを述べる事ができる
3週 2. 情報収集
 検索エンジン、SEO
代表的な検索エンジンの仕組みについて簡単に説明ができる
4週 3.コンピュータ技術
ユビキタスコンピューティング
基本情報技術1:基数変換
情報社会の到来を予言したAlan KayやMark Weiserの思想について説明できる
コンピュータ端末の種類と特徴について説明できる
記憶装置の多重化について説明できる
基本的な基数変換の計算ができる
5週 3.2 ハードウェア
基本情報技術1:基数変換
入出力装置の種類や特徴を説明できる
無線ネットワークの種類を説明できる
GUIとCUIの長所・短所を説明できる
6週 3.3 ソフトウェア
3.4 情報の単位と計算
基本情報技術2:補数
コンピュータのパフォーマンスを評価する指標について説明できる
フリーソフトウェアの概念を説明できる
基本的な補数の計算ができる
7週 4.インターネット技術
 LAN、TCP/IP、URL、IPアドレス、DNS、DHCP
コンピュータをネットワークに接続する基本的な仕組みについて説明できる
様々な情報用語について説明ができる
8週 5.インターネットの活用
 ISPの役割
 情報格差とAccessibility
IPアドレスの意味を説明できる
情報格差とそれを抑制するための施策について説明ができる
2ndQ
9週 中間試験
10週 6.情報倫理と関連法規 知的財産の種類について説明ができる
インターネット情報の不完全性と名誉棄損、通信販売に伴う危険性について説明できる
11週 7.情報セキュリティ
機密性・完全性・可用性、RASIS
主なマルウェア
物理セキュリティの評価基準であるRASISを挙げる事ができる
様々な攻撃方法を簡単に説明することができる
12週 8.企業と情報システム
 電子商取引とIT業務
 企業マネジメントシステム
電子商取引の業態について説明ができる
ITアウトソーシングについて例を挙げて説明できる
企業におけるITマネジメント(ガバナンス、コンプライアンス)の説明ができる
13週 10.システム開発とプログラミング システム開発モデルをいくつか挙げて、それらの特徴について説明できる
プログラミング言語をいくつか挙げ、簡単な違いを説明できる
14週 10.4 アルゴリズム 探索アルゴリズムを複数挙げて、それらの評価指標であるステップ数についての説明ができる
15週 期末試験の返却と解説
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート、小テスト合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力0000000
専門的能力60000040100
分野横断的能力0000000