概要:
中学校で学習した内容を基礎として,日常生活や社会との関連を図りながら物質とその変化への関心を高め,観察,実験などを通して,化学的に探究する能力と態度を育てるとともに,化学の基本的な概念や原理・法則,化学の果たす役割を理解させ,科学的な見方や考え方を養う。
授業の進め方・方法:
授業は講義の形態で行う回と,グループワークの形態で行う回と,実験を行う回がある。授業とグループ学習の形態ではいずれも最初に課題の確認と小テストを行う。講義の形態の場合は,続いて講義を行う。講義には演習問題が含まれる。グループワークの形態の場合は,続いて講義・グループ学習,確認問題,振り返りを行う。講義とグループ学習は一対であり,授業内に2~3回に分けて行う。実験は一般化学実験室で行う。
試験は年に4回の定期試験として実施する。毎回,得点が60点未満の学生に対して再試験を行う。再試験の上限は60点である。また事情により再々試験を行うことがあるが,再々試験の場合は評価点の上限を60点とする。
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス, 物質の成分と構成元素(純物質と混合物,混合物の分離(1)) |
これから受講する授業の流れを理解できる。物質を純物質と混合物に分類できる。初歩的な分離方法について理解し,適切な分離方法を選択できる。
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2週 |
物質の成分と構成元素(混合物の分離(2), 元素,化合物と単体,元素の確認) |
初歩的な分離方法について理解し,適切な分離方法を選択できる。純物質を単体と混合物に分類できる。元素の概念を理解できる。
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3週 |
実験1 「硫黄の同素体」 |
化学実験における安全について理解できる。試薬のとり方,加熱のしかたについて理解できる。対象物を観察し,簡潔に記述できる。
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4週 |
物質の成分と構成元素(物質の三態と状態間の変化,粒子の熱運動) |
熱運動から物質の状態変化を示すことができる。セルシウス温度と絶対温度の相互変換ができる。
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5週 |
原子の構造と元素の周期表(原子,同位体) |
原子を構成している3種類の粒子で原子を表すことができる。同位体の性質を示すことができる。
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6週 |
原子の構造と元素の周期表(原子の電子配置,元素の周期表) |
原子の電子配置を記述できる。最外殻電子の数が,物質のおおよその性質が決めることを理解できる。
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7週 |
化学結合(イオンの生成,イオンの分類,イオン半径) |
イオンの生成について理解できる。主なイオンについて,イオン名とイオン式で記述できる。
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8週 |
化学結合(イオン結合とイオン結晶) |
イオン結合について理解できる。イオン結晶の性質を記述することができる。
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
学習内容を整理し,理解を深めるために自ら学習することができる。
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10週 |
化学結合(共有結合と分子の形成) |
共有結合について理解できる。電子式,構造式で分子を記述できる。
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11週 |
化学結合(配位結合,電気陰性度と分子の極性) |
共有結合の結晶の性質について記述できる。配位結合の成り立ちについて理解できる。
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12週 |
化学結合(水素結合,ファンデルワールス力,分子間力,分子間力と液体の沸点) |
電気陰性度の概念を理解し,その値から結合の極性の大きさを判断できる。
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13週 |
化学結合(分子結晶,共有結合の結晶,金属結合,化学結合と物質の分類) |
分子間力と金属結合を理解できる。分子結晶と金属結晶の性質を記述できる。
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14週 |
物質量と化学反応式(原子量・分子量・式量) |
相対質量の概念を理解し,原子量から分子量,式量を計算できる。
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15週 |
物質量と化学反応式(アボガドロ数と物質量(1)) |
粒子の個数と物質量を,互いに計算できる。
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16週 |
物質量と化学反応式(アボガドロ数と物質量(2),有効数字とその計算法) |
質量と物質量を互いに計算できる。有効数字を考慮して数値を示すことができる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
物質量と化学反応式(1molの気体の体積,溶液の濃度) |
気体の体積と物質量を互いに計算できる。濃度計算ができる。
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2週 |
物質量と化学反応式(化学反応式) |
化学反応式を組み立て,係数を付けることができる。
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3週 |
物質量と化学反応式(化学反応式の表す量的関係) |
化学反応式の係数から,反応における量的な計算ができる。
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4週 |
実験2 「化学反応の量的関係」 |
データを正しく収集することができる。反応における関係について,実験データを元に計算できる。
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5週 |
酸と塩基(酸と塩基の性質,酸と塩基の定義,広い意味の酸と塩基) |
酸と塩基の定義について記述できる。
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6週 |
酸と塩基(酸と塩基の価数,酸と塩基の強弱,水素イオン濃度) |
代表的な酸と塩基について,価数と強弱を示すことができる。pHの概念を理解できる。
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7週 |
酸と塩基(水素イオン濃度とpH,水のイオン積,対数を用いたpHの求め方,pH指示薬とpHの測定,身近な物質のpH) |
酸や塩基の濃度からpHを計算できる。
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8週 |
後期中間試験 |
学習内容を整理し,理解を深めるために自ら学習することができる。
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4thQ |
9週 |
酸と塩基(中和反応と塩の生成,塩の分類,塩の性質(1)) |
中和反応を化学式で示すことができる。塩を分類できる。
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10週 |
酸と塩基(塩の性質(2),中和滴定の量的関係,中和滴定,滴定曲線) |
塩の水溶液の性質を述べることができる。中和滴定を利用した計算ができる。
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11週 |
実験3 「中和滴定」 |
滴定操作ができる。複数のデータから求めた平均値を用いて,計算ができる。
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12週 |
酸化還元反応(酸化と還元,酸化数,酸化還元反応と酸化数) |
酸化と還元について説明できる。指定された原子の酸化数を,化学式から求めることができる。酸化数の増減から,酸化反応と還元反応を示すことができる。
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13週 |
酸化還元反応(酸化剤と還元剤,電子の授受と酸化還元反応,酸化剤と還元剤のはたらきの強さ) |
示された化学反応式から,酸化剤と還元剤をそれぞれ示すことができる。
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14週 |
酸化還元反応(金属のイオン化傾向,金属の反応性) |
各金属の反応性について,イオン化傾向から説明することができる。
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15週 |
酸化還元反応(電池のしくみ,実用電池,金属の精錬) |
電池の原理について説明できる。四種類の実用電池を説明できる。
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16週 |
酸化還元反応(酸化剤と還元剤の量的関係),まとめ,授業アンケート |
酸化還元滴定の計算ができる。一年間の授業をまとめ,次年度の授業についての心構えを述べることができる。
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