(学際科目)医用機器学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 (学際科目)医用機器学
科目番号 0039 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 制御情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 横山 直幸

到達目標

1.一般的な治療機器の動作原理について、本科で修得した工学の知識を元に説明ができる
2.治療機器の適応について、生理学や病理学の知識を元に説明ができる
3.治療機器に設置された警告装置や、機器使用上の注意点について説明ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1:一般的な治療機器の動作原理について、本科で修得した工学の知識を元に説明ができる□機器を構成する電子回路図を描くことができ、各電子素子の役割を詳細に説明することができる□機器を構成する電気素子の一部を挙げて、治療機器の動作原理の概要を説明できる□電気電子工学の知識が不足しており、治療機器の説明を工学的に行うことができない
評価項目2:治療機器の適応について、生理学や病理学の知識を元に説明ができる□臓器や組織の電気的・機械的特性を理解し、病気による特性変化の治療方法について説明できる□病気が原因で生じる、臓器や組織の電気的・機械的特性変化について、簡単に説明できる□生化学の知識や、講義で行われた病理解説に関する理解が不足しており、治療機器の適応について説明ができない
評価項目3:治療機器に設置された警告装置や、機器使用上の注意点について説明ができる□治療機器において、原理的に生じるトラブルやそれを抑制するための機構についての説明ができる□治療機器に付随する警告装置を知っており、対処方法を説明することができる□治療機器の動作原理についての理解が不足しており、警告装置の存在意義を説明できない

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現代医療において医用機器の存在は不可欠である。さらなる革新的医療は研究者による新規的医用機器の開発なくしては実現できず、現行の医療水準を維持するためには医療機器に対する深い知識を有するフィールドエンジニアによる機器メンテナンスが不可欠となる。本講義では、臨床工学分野における治療機器学と生体機能代行装置学を中心に、主に治療を目的とした医療機器について原理・適用対象・種類・使用法・効果などを紹介することで、医工学研究開発者あるいは医療機器フィールドエンジニアとしての素養の習得を目指す。
授業の進め方・方法:
毎回1~3種類の医療機器を挙げて、その機器の動作原理・適応(疾患や手術・手技の概要)・使用方法と注意事項などについて紹介する。治療機器学の範囲では特に、医療機器・人体と電磁気(電気回路)に重点を置いて説明を行う。
各回の理解度については、翌週の授業において行う小テストで評価・確認する。
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
治療の原理
治療に用いるエネルギと治療効果・主作用・副作用などの関係を図示して説明できる。
治療に用いられる主なエネルギについて治療機器の例を挙げて説明できる。
医療機器の定義とリスクによる分類を説明できる。
2週 循環器系の機能と構造
電磁治療機器①:心臓ペースメーカー
血液循環の概略について説明ができ、心臓の各部名称と特徴について説明できる。
刺激伝導系の概略について説明ができ、これの障害に起因する病態について述べる事ができる。
心臓ペースメーカの種類と特徴、使用用途について説明することができる。
3週 電磁治療機器②:除細動器 不整脈の種類と発生機序について簡単な説明ができる。
除細動器の使用目的と種類について説明ができる。
除細動器を構成する電気回路と放電波形について説明ができる。
4週 電磁治療機器③:電気メス 電気メスの構成と原理について簡単に説明ができる。
切開と凝固の出力波形の違いについて説明ができる。
電気メスの種類と特徴について説明ができる。
電気メス使用時のトラブルについて工学的な説明ができる。
5週 電磁治療機器④:マイクロ波治療装置
光線治療器
マイクロ波手術装置の原理について説明ができる。
マイクロ波手術装置の特徴(電気メス
6週 内視鏡 内視鏡の種類について、その特徴と適応の説明ができる
内視鏡の構成について簡単に説明ができる
7週 超音波治療機器 超音波振動子の種類と原理について説明ができる
超音波治療機器による吸引と切開の原理について説明ができる
8週 中間試験
治療の原理~超音波治療機器まで
4thQ
9週 中間試験の返却と解説
局所麻酔と全身麻酔
麻酔器の構成と麻酔科医の仕事
麻酔の種類と適応について説明ができる
麻酔機器の概要について簡単に説明ができる
10週 機械的治療器①:結石破砕装置
 結石とは~胆石・尿路結石
 体外衝撃波結石破砕装置
結石の種類と成分、生成場所について説明ができる
音響インピーダンスについて簡単な説明ができる
体外衝撃波結石破砕術(ESWL)について、衝撃波の発生方式と衝撃波の集束方法の違いを説明できる
11週 機械的治療器②:輸液ポンプ
 輸液ポンプの目的
 輸液ポンプの送液・制御方式
輸液ポンプを使用する目的について簡単に説明ができる
ペリスタルティック方式の輸液ポンプについて、特徴と適応、使用上の注意点を説明できる
ピストンシリンダ方式の輸液ポンプについて、特徴と適応、使用上の注意点を説明できる
12週 カテーテル
 カテーテルの歴史、種類
 心血管インターベンション
カテーテルの種類と概要について簡単に説明ができる
心血管インターベンションの方法について、簡単に説明ができる
カテーテルアブレーションの概略について、簡単に説明ができる
13週 ガンの治療法
 局所療法と全身療法
 ハイパーサーミア
各種がん治療法について、その原理と特徴、適応を説明できる
ハイパーサーミアの原理と適応方法について説明ができる
14週 治療機器学に関する総まとめ
 治療の原理~ハイパーサーミア
15週 年度末試験の返却と解説
人工心肺総論
人工心肺を使う手術について例を挙げて説明できる
人工心肺を構成する機械について簡単に説明できる
人工心肺装置の課題について、例を挙げることができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ小テスト(毎回)合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力0000000
専門的能力60000040100
分野横断的能力0000000