以下に示す5項目について修得する.(1) 物質収支式を導きだし,解くことができる, (2) エネルギー収支式を導きだし,解くことができる, (3) 機械的エネルギー収支式を導きだし,配管を設計することができる, (4) 圧力・流速・流量の測定法の原理を理解し,測定値より圧力,流速および流量を導くことができる, (5) 伝熱の機構を理解し,伝導伝熱,対流伝熱を説明できる.
概要:
化学工学とは,実験室的な化学操作を工業的に応用しようとした場合に必要な方策を体系化したものである.これは化学プロセスと呼ばれる物理化学的・電気化学的・機械工学的観点を含めた広い意味での化学・生化学変化を与える生産過程を対象とする.本講義ではプロセスを理解するために必要な物質収支,熱収,流体および熱移動を中心に述べる.
授業の進め方・方法:
授業は講義を中心に適宜学習内容について議論を行なう.講義中は集中して聴講すると共に,積極的に議論に参加すること.適宜,レポート・演習課題を課すので,翌週の授業開始時までに週番が回収し,番号順に並び替えて提出すること.
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10 |
分数式の加減乗除の計算ができる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10 |
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10 |
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10 |
簡単な連立方程式を解くことができる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後7 |
1次不等式や2次不等式を解くことができる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5 |
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5,後7,後10 |
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | 後10 |
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | 後3,後4,後5,後10 |
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。 | 3 | 後3,後4,後5,後10 |
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | 後9,後10 |
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | 後3,後4,後5,後9,後10 |
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。 | 3 | 後3,後4,後5 |
自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 2 | 後1,後3,後5,後8 |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 2 | |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 2 | 後7,後9 |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 2 | 後6,後7,後8,後9 |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 2 | 後7,後8,後9 |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 2 | 後7,後8,後9 |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 2 | 後4,後5,後8,後9 |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 2 | 後4,後5,後8,後9 |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 2 | 後4,後5,後8,後9 |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 2 | 後4,後5,後8,後9 |
熱 | 物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 2 | 後4,後5,後11,後12 |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 2 | 後4,後5,後11,後12 |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 2 | 後2,後3,後4,後5 |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 2 | 後4,後5 |
化学(一般) | 化学(一般) | 物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 3 | 後4,後5 |
水の状態変化が説明できる。 | 3 | 後4,後5 |
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5 |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5 |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 3 | 後3,後4,後5 |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 3 | 後3,後4,後5 |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5 |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 3 | 後2,後3,後4,後5 |
ライフサイエンス/アースサイエンス | ライフサイエンス/アースサイエンス | 大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。 | 3 | 後3,後10 |
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。 | 3 | 後4,後5,後10 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 物理化学 | 混合気体の分圧の計算ができる。 | 4 | 後2,後3,後4,後5 |
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。 | 4 | |
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。 | 4 | |
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。 | 4 | |
化学工学 | SI単位への単位換算ができる。 | 2 | 後1,後2,後4,後5,後8 |
物質の流れと物質収支についての計算ができる。 | 2 | 後2,後4,後5,後6,後7 |
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。 | 2 | 後3,後4,後5 |
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。 | 3 | 後6,後7,後8,後9,後10 |
流れの物質収支の計算ができる。 | 3 | 後6,後7,後8,後9,後10 |
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。 | 3 | 後8,後9,後10 |
流体輸送の動力の計算ができる。 | 3 | 後8,後9,後10 |