概要:
本授業は, 有機化学実験を行う。有機化学実験の基礎を修得することを目的とし,6つのテーマの実験を通し,物質工学的な見方,実験の進め方の理解へと発展させることが望まれる。具体的には,有機化学実験の基本である,ガラス細工,減圧蒸留,ろ過,再結晶,薄層クロマトグラフィー,融点測定,比旋光度測定の各操作を修得する。
授業の進め方・方法:
授業は物質工学棟学生実験室にて実施する。
有機化学実験は、実験レポート,英語の単語テスト,実験の取り組み方で評価する。
ケガや病気により実験を実施できない場合は,後日に日を設けて実験を実施する。
注意点:
1. 試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2. 授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 3 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 3 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 3 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 3 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 3 | |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 3 | |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 3 | |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 3 | |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 3 | |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 3 | |
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。 | 3 | |
共鳴構造について説明できる。 | 3 | |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 3 | |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 3 | |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 3 | |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 3 | |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 3 | |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 3 | |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 3 | |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 2 | |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 2 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 有機化学実験 | 加熱還流による反応ができる。 | 4 | |
蒸留による精製ができる。 | 4 | |
吸引ろ過ができる。 | 4 | |
再結晶による精製ができる。 | 4 | |
分液漏斗による抽出ができる。 | 4 | |
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。 | 4 | |
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。 | 4 | |
収率の計算ができる。 | 4 | |
分析化学実験 | 代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。 | 4 | |
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 2 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 2 | |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 2 | |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 2 | |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 2 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 2 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 2 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 2 | |
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。 | 3 | |
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている | 3 | |