到達目標
(1) 気体,溶液,固体,反応熱,電気分解,反応速度,化学平衡について基本的な理論を理解し,定量的な扱いができる(理論的な計算ができる)。
(2) 基本的な無機物質の種類と性質について理解し,代表的な物質について名称や性質を示すことができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 気体,溶液,固体,反応熱,電気分解,反応速度,化学平衡について基本的な理論を理解し,式の変形や組み合わせを行った上で,定量的な扱いができる。 | 気体,溶液,固体,反応熱,電気分解,反応速度,化学平衡について基本的な理論を理解し,定量的な扱いができる。 | 気体,溶液,固体,反応熱,電気分解,反応速度,化学平衡について基本的な理論を理解できず,定量的な扱いができない。 |
評価項目2 | 基本的な無機物質の種類と性質について理解し,多くの物質について名称や性質を示すことができる。 | 基本的な無機物質の種類と性質について理解し,代表的な物質について名称や性質を示すことができる。 | 基本的な無機物質の種類と性質について理解できず,代表的な物質について名称や性質を示すことができない。 |
学科の到達目標項目との関係
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2
説明
閉じる
教育方法等
概要:
この科目では,「化学基礎」で学んだ事項を基として,更に進んだ化学的方法で自然の事物・現象に関する問題を取り扱う。学生は実験なども通して,化学的に探究する能力と態度を身に付け,化学の基本的な概念や原理・法則の理解を深め,自然科学的なものの見方を身につける。本講義を通して,化学の基本的な概念や原理・法則を工学分野に適用できることを学ぶ
授業の進め方・方法:
授業には遠隔形式で行う。試験は1回の定期試験として実施する。
注意点:
評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。また遠隔授業では課題提出が難しいことがあることに配慮し,試験が合格点に達している場合は合格にする場合があります。
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
第1回:復習(蒸気圧曲線,状態図,ボイルの法則,シャルルの法則),気体の性質(ボイル・シャルルの法則,気体の状態方程式,気体の分子量) 第2回:気体の性質(混合気体,理想気体と実在気体) |
蒸気圧曲線,状態図,ボイルの法則,シャルルの法則について理解を深めた上で,ボイル-シャルルの法則,分圧の法則,気体の状態方程式を説明でき、必要な計算ができる。 理想気体と実在気体を説明できる。
|
2週 |
第3回:溶液の性質(溶解のしくみ,固体の溶解度) 第4回:溶液の性質(溶解の濃度,気体の溶解度) |
溶解度を理解し,必要な計算ができる。 ヘンリーの法則を理解し,必要な計算ができる。
|
3週 |
第5回:溶液の性質(蒸気圧降下と沸点上昇,凝固点降下,沸点上昇・凝固点降下と分子量) 第6回:溶液の性質(浸透圧,浸透圧と分子量) |
沸点上昇と凝固点降下を説明し,必要な計算ができる。 浸透圧を説明し,必要な計算ができる。
|
4週 |
第7回:溶液(コロイド粒子,コロイド溶液の性質,コロイド溶液の種類) 第8回:固体の構造(結晶の種類,金属結晶の構造,イオン結晶の構造) |
コロイドの性質について説明できる。 固体の構造を理解し,金属とイオン結晶の代表的な構造を示すことができる。
|
5週 |
第9回:化学反応と熱(反応熱と熱の出入り,熱化学方程式,いろいろな反応熱) 第10回:化学反応と熱(ヘスの法則,生成熱と反応熱の関係 ) |
熱化学方程式を記述することができる。 ヘスの法則を用いて,反応熱を計算できる。
|
6週 |
第11回:化学反応と熱(結合エネルギー),光とエネルギー(光とエネルギー,物質と光) 第12回:復習(電気分解),化学反応の速さ(速い反応と遅い反応,反応の速さの表し方) |
結合エネルギーから反応熱を求めることができる。 化学反応と光の関係について説明できる。電気分解反応を説明できる。電気分解の利用として,銅の精錬など実社会における技術の利用例を説明できる。ファラデーの法則から,生成物の量を求めることができる。
|
7週 |
第13回:化学反応の速さ(反応速度と濃度,反応速度と温度,反応速度と触媒,反応速度を変えるほかの要因) 第14回:化学反応の速さ(粒子の衝突,活性化エネルギー),化学平衡(可逆反応,化学平衡,平衡定数と化学平衡の法則) |
反応の速さを式で表し,反応速度を求めることができる。反応速度に変化を与える要因とその影響を示すことができる。 活性化エネルギーから反応機構を説明することができる。質量作用の法則を説明し,平衡定数を求めることができる。
|
8週 |
第15回:化学平衡(平衡移動の原理,圧力変化と平衡移動,温度変化と平衡移動,触媒と平衡の移動) 第16回:化学平衡(ルシャトリエの原理の化学工業への応用),演習 |
外的要因から,平衡が移動する方向を示すことができる。 ルシャトリエの原理の工業的な応用例について実例を示すことができる。
|
4thQ |
9週 |
第17回:水溶液中の化学平衡(電離平衡,塩の加水分解) 第18回:水溶液中の化学平衡(緩衝液とpH,溶解平衡) |
電離平衡を用いて,電離定数から電離度を求めることができる。塩の加水分解について,電離平衡を用いて説明できる。 緩衝液について,電離平衡を用いて説明できる。溶解平衡から沈殿が生成するか予想することができる。
|
10週 |
第19回:水素と希ガス,ハロゲンとその化合物(1) 第20回:ハロゲンとその化合物(2) |
水素や希ガスに関する代表的な物質の名称と性質を示すことができる。 ハロゲンに関する代表的な物質の名称と性質を示すことができる。
|
11週 |
第21回:酸素・硫黄とその化合物 第22回:窒素・リンとその化合物 |
酸素・硫黄・窒素・リンに関する代表的な物質の名称と性質を示すことができる。
|
12週 |
第23回:炭素・ケイ素とその化合物 第24回:アルカリ金属とその化合物 |
炭素・ケイ素・アルカリ金属に関する代表的な物質の名称と性質を示すことができる.
|
13週 |
第25回:中和滴定 第26回:演習 |
中和滴定の操作を行うことができる。 これまでの学習内容を整理し,学習内容がより定着するように学ぶことができる。
|
14週 |
第27回:2族元素とその化合物 第29回:1,2族以外の典型金属元素とその化合物 |
2族元素と,1,2族以外の典型金属元素に関する代表的な物質の名称と性質を示すことができる。
|
15週 |
第29回:遷移金属の特徴,錯イオン,鉄とその化合物 第30回:銅・銀とその化合物 |
遷移金属の特徴と,鉄,銅,銀に関する代表的な物質の名称と性質を示すことができる。
|
16週 |
|
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 水の状態変化が説明できる。 | 3 | |
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 3 | 後1 |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 3 | 後1 |
電気分解反応を説明できる。 | 3 | 後6 |
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。 | 3 | 後6 |
ファラデーの法則による計算ができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 分析化学 | 電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。 | 1 | 後9 |
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。 | 3 | 後2 |
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。 | 3 | 後9 |
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。 | 3 | 後9 |
物理化学 | 気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。 | 3 | 後1 |
混合気体の分圧の計算ができる。 | 3 | 後1 |
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。 | 1 | 後3 |
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。 | 1 | |
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。 | 3 | |
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。 | 3 | |
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。 | 1 | 後6 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 20 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |