分離工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 分離工学
科目番号 2021-594 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 化学工学会編 「基礎化学工学」 培風館(1999)
担当教員 竹口 昌之,伊藤 拓哉

到達目標

 以下に示す6項目について修得する.(1) ガス吸収を理解し,吸収装置を設計できる (C1-3), (2)湿度図表を理解し,乾燥速度を計算できる (C1-3),(3)晶析の概要を理解し,結晶成長機構が説明できる (C1-3),(4) 蒸発缶の設計ができる (C1-3),(5) 単一粒子の運動を理解し,流体からの粒子の分離法を説明できる (C1-3),(6) ろ過装置の設計ができる (C1-3).

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. ガス吸収を理解し,吸収装置を設計できる (C1-3)□ガス吸収を理解し,吸収装置を設計でき,得られた結果を考察できる.□ガス吸収を理解し,吸収装置を設計できる.□ガス吸収を理解し,吸収装置を設計できない.
2.湿度図表を理解し,乾燥速度を計算できる (C1-3)☐湿度図表を理解し,乾燥速度を計算でき,得られた結果を考察できる.☐湿度図表を理解し,乾燥速度を計算できる.☐湿度図表を理解し,乾燥速度を計算できない.
3.晶析の概要を理解し,結晶成長機構が説明できる (C1-3)☐晶析の概要を理解し,結晶成長機構が説明でき,得られた結果を考察できる.☐晶析の概要を理解し,結晶成長機構が説明できる.☐晶析の概要を理解し,結晶成長機構が説明できない.
4. 蒸発缶の設計ができる (C1-3)□蒸発缶の設計ができ,得られた結果を考察できる.□蒸発缶の設計ができる.□蒸発缶の設計ができない.
5.単一粒子の運動を理解し,流体からの粒子の分離法を説明できる (C1-3)☐単一粒子の運動を理解し,流体からの粒子の分離法を説明でき,得られた結果を考察できる.☐単一粒子の運動を理解し,流体からの粒子の分離法を説明できる.☐単一粒子の運動を理解し,流体からの粒子の分離法を説明できない.
6.ろ過装置の設計ができる (C1-3)□ろ過装置の設計ができ,得られた結果を考察できる.□ろ過装置の設計ができる.□ろ過装置の設計ができない.

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 化学工学は,実験室で得た発見・発明を工業化するために,輸送・熱交換・反応装置の設計を的確に行えるように,単位操作の設計法を習得する学問である.化学工学の単位操作は流動・伝熱をはじめ,拡散分離・機械的,化学的分離があり,化学工学I,IIでその幾つかはすでに学んでいる.分離操作は化学プロセスに必須の単位操作であり,種々の分離操作やその原理を学修することは重要である.分離工学ではガス吸収,調湿・乾燥,蒸発操作,晶析および粉粒体操作を学修する.
授業の進め方・方法:
授業は講義を中心に適宜学習内容について議論を行なう.講義中は集中して聴講すると共に,積極的に議論に参加すること.適宜,レポート・演習課題を課すので,翌週の授業開始時までに週番が回収し,番号順に並び替えて提出すること.
注意点:
1.評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがある。
2.この科目は学修単位科目であり、1単位あたり15(30)時間の対面授業を実施します。併せて1単位あたり30(15)時間の事前学習・事後学習が必要となる。
3.社会状況(感染症等による)により講義内容を変更する場合がある.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバス説明
蒸発缶の設計
・定常状態における蒸発缶の物質収支とエネルギー収支が理解でき,それに係る計算ができる.
・単一蒸発缶の設計ができる.
2週 Fickの拡散の法則
ガス吸収(1)二重境膜説
・二重境膜説について説明ができる.
・境膜物質移動係数について説明ができる.
3週 ガス吸収(2)吸収塔の物質収支 ・吸収塔の物質収支より設計式が導出ができる.
4週 ガス吸収(3)吸収塔の設計(吸収塔の所要高さの計算) ・充填塔の所要高さの計算ができる.
5週 ガス吸収(4)吸収塔の設計(移動単位数の計算) ・段塔の所要理論段数の計算ができる.
6週 調湿・乾燥(1)湿り空気の物性,調湿操作 ・湿度図表を読み取ることができる.
・調湿の原理を説明できる.
7週 調湿・乾燥(2)乾燥操作 乾燥速度を求めることができる.
8週 ろ過装置とろ過速度式 ・ろ過装置について説明できる.
・ろ過速度式について説明ができる.
2ndQ
9週 結晶生成・結晶成長 結晶生成・結晶成長機構を説明できる.
10週 晶析装置 物質収支から晶析装置について説明できる.
11週 粒子径・粒度分布・平均径 様々な粒子径について説明できる.
粒度分布を作図でき、その種々の平均径を求めることができる.
12週 単一粒子の運動 種々の条件での終末沈降速度を求めることができる.
13週 重力による粒子の分級 重力沈降分離装置について説明できる.
14週 遠心力による粒子の分級 遠心分離機について説明できる.
15週 集塵 エアーフィルターについて説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8

評価割合

試験演習相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000