錯体化学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 錯体化学
科目番号 2021-596 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 錯体化学の基礎と応用 湯浅真,秋津貴城(コロナ社) / 参考書:理工系基礎レクチャー無機化学 鵜沼英郎,尾形健明(化学同人)
担当教員 大川 政志,新井 貴司

到達目標

1. 配位化合物の名称について覚え、正しく答えられる。
2. 配位化合物の物理化学的性質について論理的に説明できる(C1-2)。
3. 配位化合物の安定性について、論理的に説明できる(C1-2)。
4. 配位化合物の反応性について、論理的に説明できる(C1-2)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.配位化合物の命名法と異性体について覚え、正しく答えられる。□複雑な配位子の名称を記述できる □日本語で複雑な配位化合物の名称を答えることができる □名称から複雑な配位化合物の化学式を答えることができる □構造異性体、連結異性体光学異性体の構造を書くことができる□基本的な配位子の名称を記述できる □日本語で基本的な配位化合物の名称を答えることができる □名称から基本的な配位化合物の化学式を答えることができる □構造異性体の名称と構造を書くことができる□基本的な配位子の名称を記述できない □日本語で基本的な配位化合物の名称を答えられない □名称から基本的な配位化合物の化学式を答えられない □構造異性体の名称と構造を書くことができない
2. 配位化合物の物理化学的性質について論理的に説明できる(C1-2)。□結晶場理論を用いて結晶場安定化エネルギーを計算できる □錯体の光吸収の原因を説明できる □錯体の磁性を説明でき、磁気モーメントの計算ができる□結晶場理論を説明できる □錯体の光吸収の原因を挙げることができる □錯体の磁性を説明できる□結晶場理論を説明できない □錯体の光吸収の原因を挙げるができない □錯体の磁性を説明できない
3. 配位化合物の安定性について、論理的に説明できる (C1-2)。□配位化合物の安定性について熱力学的の観点から説明できる□配位化合物の安定性について説明できる□配位化合物の安定性について説明できない
4.配位化合物の反応性について、論理的に説明できる(C1-2)。□配位化合物の反応についてその反応過程を含めて詳細に説明できる□配位化合物の反応性を説明できる□配位化合物の反応性を説明できない
5. 有機金属錯体の特徴を説明できる。□有機金属錯体を具体的な例を用いて説明できる□有機金属錯体を説明できる□有機金属錯体を説明できない

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義では配位化合物(錯体)基礎的な化学を学ぶ。配位化合物は、Wernerによる配位説に始まり、Paulingによる原子価結合理論、現在は結晶場理論や配位子場理論を用いてその化合物の物性が議論されている。
本授業では配位化合物の命名法、異性体、物理化学的性質、安定性、速度論について基礎的な理論的な解釈を用いて述べる。
授業の進め方・方法:
本授業は講義形式で進める。
注意点:
1.評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
2.中間試験を授業時間内に実施することがあります。
3.この科目は学修単位科目であり、1単位あたり15時間の対面授業を実施します。併せて1単位あたり30時間の事前学習・事後学習が必要となります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
2週 命名法 錯体の命名ができる
3週 d軌道電子の配置 d軌道電子の配置を説明できる
4週 結晶場理論と配位子場理論(1) 結晶場理論を説明できる
5週 結晶場理論と配位子場理論(2) 結晶場安定化エネルギーと磁性を計算できる
6週 分子軌道法 分子軌道法により錯体を説明できる
7週 演習Ⅰ 第6週目までの内容の演習が解ける
8週 錯体の光吸収 錯体の光吸収反応を説明できる
4thQ
9週 錯体の安定度定数とそれに与える各種の影響 錯体の安定度定数とそれに与える各種の影響を説明できる
10週 錯体の置換反応 錯体の置換反応を説明できる
11週 電子移動反応 錯体の電子移動反応を説明できる
12週 錯体の配位数と立体構造 錯体の配位数と立体構造を説明できる
13週 錯体の結合 有機金属錯体を含む錯体に関係する結合を説明できる
14週 錯体の機能と応用 錯体の機能と応用を説明できる
15週 演習Ⅱ 錯体に関する演習問題が解ける
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4後3,後4,後5,後6,後7,後8
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4後3,後4,後5,後6,後7,後8
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4後3,後4,後5,後6,後7,後8
配位結合の形成について説明できる。4後1,後3,後7,後13
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。4後1,後2,後4,後5,後6,後7,後9,後13,後15
錯体の命名法の基本を説明できる。4後2,後7
配位数と構造について説明できる。4後4,後5,後6,後7,後12,後13,後15
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。4後4,後5,後7,後8,後15

評価割合

試験レポート課題合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力0000000
専門的能力60400000100
分野横断的能力0000000