微生物学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 微生物学
科目番号 2021-623 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 基礎生物学テキストシリーズ4 微生物学・青木健次 編著・化学同人
担当教員 古川 一実

到達目標

【本科における教育領域の到達目標】
生物工学の基礎として、微生物の性質とその取扱い、微生物の代謝とその利用法について学習することを目標とする。
・さまざまな微生物の種類とその特徴を理解する。
・微生物の生育について理解し、培養方法について理解している。
・微生物の遺伝の仕組みについて理解し、微生物の育種の概要を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1微生物分類について、原核生物と真核生物の違いや特徴について理解して説明でき、かつそれぞれの代表的な微生物を例に挙げて利用方法を説明できる。微生物の分類について、原核生物と真核生物の違いや特徴について理解し、説明できる。微生物の分類について、原核生物と真核生物の違いや特徴について説明できない。
評価項目2微生物の増殖特性および培養方法について説明できる。微生物の増殖特性について説明できる。微生物の増殖特性について説明できない。
評価項目3微生物の遺伝および遺伝子発現について説明でき、さらに微生物の育種について詳細を説明できる。微生物の遺伝および遺伝子発現について説明できる。微生物の遺伝および遺伝子発現について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
目に見えないが確かに存在している微生物は、人類の想像以上にさまざまな機能を持ち、未知の微生物にはさらに無限の可能性を秘めている。微生物の働きの結果が、食中毒など人に害を及ぼす際にはその働きを「腐敗」と呼ぶが、食品として役に立つ際には「発酵」と呼ばれ、さまざまな物質生産に利用されてきた。この微生物について基本的な特徴を理解し、工学的に活用するための基礎知識を学習する。具体的には、分類と増殖特性および分子遺伝学の基礎に基づく育種法について学習する。
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を進める。講義中は受け身にならず、絶えず疑問を持ちながら参加すること。講義中の質疑はいつでも受け付ける。2回の定期試験の平均点を90%、課題を10%とし、総合評価60点以上で合格とする。課題については別途指示をする。
注意点:
・評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
・この科目は学修単位科目であり、1単位あたり30時間の対面授業を実施します。併せて1単位あたり15時間の事前学習・事後学習が必要となります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 微生物学概論・ガイダンス 生物工学における微生物学の利用方法を学び、微生物学を学ぶ基本項目を理解することができる。
2週 微生物学概論 微生物学の歴史を通して、微生物発見の経緯や生物学の発展の過程を理解し重要な発見をした研究者についてその功績を説明できる。
3週 微生物の取り扱い方 微生物の培養と観察方法について理解することができる。
4週 微生物の種類と分類 微生物の種類と分類法について理解する。微生物の学名を正しい表記方法で記述することができる。細菌の形態分類について理解することができる。
5週 微生物の種類と分類 細菌と古細菌の種類について理解し説明することができる。
6週 微生物の種類と分類 真菌類の特徴について理解し説明することができる。
7週 微生物の種類と分類 真菌類の種類について理解する。
ウィルスと他の微生物の違いについて理解することができる。
8週 微生物の細胞構造 細菌と古細菌の構造について理解することができる。
4thQ
9週 微生物の細胞構造 真菌の構造とウィルスの構造について理解することができる。
10週 微生物の栄養と増殖 微生物の増殖の特性・増殖曲線について理解することができる。
11週 微生物の栄養と増殖 微生物のエネルギー源と栄養源および増殖の環境因子について理解することができる。
12週 微生物の遺伝 DNAの構造と遺伝情報の発現について理解することができる。
13週 微生物の遺伝 遺伝情報の伝達においてDNAの複製を理解することができる。
14週 微生物の遺伝 細菌の遺伝としてのプラスミドの機能を理解することができる。微生物の育種法として形質転換を理解することができる。
15週 微生物の応用 醸造や環境修復への微生物における貢献について事例を理解することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4後1,後4,後5,後6,後7
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。3後12
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。3後12
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。3後12
生物化学ヌクレオチドの構造を説明できる。4後12,後13
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4後12
DNAの半保存的複製を説明できる。4後13
RNAの種類と働きを列記できる。4後12
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4後12
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4後1,後4,後5,後8
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4後6,後9
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4後3,後10,後11
微生物の育種方法について説明できる。4後14,後15
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4後3,後10,後11
食品加工と微生物の関係について説明できる。1後1,後2,後15
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。1後1,後2,後15

評価割合

中間試験期末試験課題レポート合計
総合評価割合454510100
基礎的能力4545090
専門的能力001010