生物化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 生物化学Ⅱ
科目番号 2021-628 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 生物化学序論,泉屋信夫 他,化学同人
担当教員 後藤 孝信

到達目標

1.核酸の化学構造と化学的性質の特徴,および生体での役割を説明できる。
2.酵素と補酵素について,特異性などの特徴や生体での役割を説明できる。
3.生理活性物質について,その化学構造の特徴や生理作用を説明できる。

ルーブリック

未到達基準最低基準標準基準優秀基準
1.核酸について,その化学構造の特徴や生体での役割を説明できる。(C1-2) □核酸がどのようなものか説明できない。□核酸について,その構成成分や生体における役割りを大まかに説明できる。□核酸について,構成成分や生体におけるその役割りを詳細に説明できる。 □ヌクレオチドとヌクレオシドの違いを説明できる。□核酸について,その構成成分,物理化学的性質,および生体におけるその役割りを他の生体成分や学問分野(例えば遺伝子増幅技術)と関連付けて詳細に説明できる。
2.酵素と補酵素について,その特異性や役割を説明できる。(C1-2)   □酵素がどのようなものか説明できない。 □酵素を分類し,その働き,特異性,および至適pHや至適温度について説明できる。□酵素を分類し,その働き,特異性,および至適pHや至適温度について説明できる。 □ミカエリス定数や最大反応速度について説明できる。 □酵素を分類し,その働き,特異性,および至適pHや至適温度が見られる理由を化学的に説明できる。 □酵素について,ミカエリス定数や最大反応速度について説明できる。 □酵素作用の阻害や調節機構について説明できる。 □補酵素の役割を説明できる。
3.生理活性物質について,その化学構造の特徴や生理作用を説明できる。(C1-2)   □生理活性物質がどのようなものか説明できない。□生理活性物質について,代表的な物質の名称と生体での役割を説明できる。□生理活性物質を分類し,それぞれの代表的な物質の名称,化学構造の特徴,および生体での役割を説明できる。□生理活性物質を分類し,それぞれの代表的な物質の名称,化学構造の特徴,および生体での作用を詳細に説明できる。 □生理活性物質について,医学,工学,農学,食品学などの産業分野への応用を説明できる。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生体は化学物質により構成されている。本講義では,生体を構成する主要な化学物質について,その名称,化学構造の特徴,物理化学的性質,および生体での役割りを取り扱う。食品,医療,健康,運動などの各分野との関連を学習しながら,「生きているシステム」を担う物質の化学的特徴と生物学的な特徴を学ぶ。生物化学は,生体を取り扱う職種(医薬品,食品など)を希望する学生にとってはその基礎であり,必須の科目である。
授業の進め方・方法:
1.授業は講義形式で,スライドと教科書を用いて実施する。
2.評価は2回の定期試験結果を100%の重みとして評価し,評価点が60点以上の場合を合格とする。評価基準については,成績評価基準表による。
注意点:
1.評価については,評価割合に従って行なう。ただし、適宜再試や追加課題を課し,加点することがある。
2.この科目は学修単位科目であり,1単位あたり30時間の対面授業を実施する。併せて1単位あたり15時間の事前学習・事後学習が必要となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
核酸の化学
講義の目的・概要・評価方法を説明する。
核酸の生物学的な基本機能(遺伝物質)が説明できる。
2週 核酸の化学
核酸の種類と構成成分(糖,塩基,ヌクレオチド,ヌクレオシド)を説明できる。
3週 核酸の化学 DNAの構造,RNAの構造を説明できる。
4週 核酸の化学 核酸の物理化学的な性質(変性)とその応用について説明できる。
5週 酵素の化学 酵素の定義と生体での役割を説明できる。
6週 酵素の化学 酵素の分類と特異性や特性を説明できる。
7週 酵素の化学 酵素反応の特徴とVmaxやKmを説明できる。
8週 酵素の化学 酵素反応の阻害や制御と,補酵素について説明できる。
2ndQ
9週 生理活性物質 生理活性物質について,その働きと分類を大まかに説明できる。
10週 生理活性物質 水溶性ビタミンの名称,働き,欠乏症を説明できる。
11週 生理活性物質 脂溶性ビタミンの名称,働き,欠乏症を説明できる。
12週 生理活性物質 ホルモンについて,分類とその生理作用を説明できる。
13週 生理活性物質 その他の生物のホルモン,オータコイド,神経伝達物質について説明できる。
14週 生理活性物質 動物毒と植物毒(アルカロイド)について説明できる
15週 生理活性物質 微生物の毒と抗生物質について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。3
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4
グリコシド結合を説明できる。4
多糖の例を説明できる。4
脂質の機能を複数あげることができる。4
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。3前5
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。3
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。3
タンパク質の高次構造について説明できる。3
ヌクレオチドの構造を説明できる。4前1,前2,前4
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4前3,前4
RNAの種類と働きを列記できる。3前1,前3
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。3前7
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。3前6,前7
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。3前8,前10,前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力500000050
分野横断的能力0000000