有機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 有機化学Ⅱ
科目番号 2021-637 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 David R. Klein著 (2017) 「クライン有機化学上」 (岩澤伸治監訳) 東京化学同人
担当教員 山根 説子

到達目標

1. ハロゲン化アルキルのSN2反応、SN1反応、E1反応、E2反応の違いを理解し、反応機構が説明できる。
2. アルケン、アルキンの構造、一般的性質、および求電子付加反応が説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1□ハロゲン化アルキルのSN2反応、SN1反応、E1反応、E2反応の違いを理解し、反応機構が説明でき、反応物、反応条件から生成物が推定できる。□ハロゲン化アルキルのSN2反応、SN1反応、E1反応、E2反応の違いを理解し、反応機構が説明できる。□ハロゲン化アルキルのSN2反応、SN1反応、E1反応、E2反応の違いを理解し、反応機構が説明できない。
評価項目2□アルケン、アルキンの構造、一般的性質、および求電子付加反応を推定し、説明できる。□アルケン、アルキンの構造、一般的性質、および求電子付加反応が説明できる。□アルケン、アルキンの構造、一般的性質、および求電子付加反応が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化合物は、身の回りの製品や生体内を構成している重要な物質である。有機化合物の物性・反応・合成および、分子レベルで機能性が異なることの基礎を学習する。本科目は物質工学科2年次に学習済みの有機化学Iより継続する内容であり、置換反応や脱離反応アルケンとアルキンの構造および性質について電子の動きを意識して理解し、以降の有機化学の学習につながる知識・思考力を習得する。
授業の進め方・方法:
授業は講義形式で行う。
課題の内容、提出方法、提出期限はその都度連絡する。
注意点:
評価については、評価割合に従って行います。ただし、 適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 置換反応、脱離反応、アルケンおよびアルキンへの付加反応の種類を理解できる。
2週 ハロゲン化アルキル ハロゲン化アルキルの構造を説明でき、命名できる。
3週 SN2反応 SN2反応機構を説明できる。
SN2反応の立体特異性を説明できる。
4週 SN1反応 SN1反応機構を説明できる。
5週 SN2とSN1反応の優先性 反応条件からSN2、SN1反応のどちらが優先的におこるか説明できる。
6週 アルケン アルケンを命名できる。
アルケンの安定性を説明できる。
7週 E2反応 E2反応機構を説明できる。
8週 E1反応 E1反応機構を説明できる。
4thQ
9週 置換反応と脱離反応の競合 反応条件から置換反応、脱離反応の生成物を説明できる。
10週 アルケンの付加反応1 アルケンへの付加、位置選択性を反応機構を用いて説明できる。
11週 アルケンの付加反応2 アルケンへの水和反応を説明できる。
12週 アルキン アルキンを命名できる。
アルキンの化学的性質を説明できる。
13週 アルキンの付加反応1 アルキンの付加反応、位置選択性を反応機構を用いて説明できる。
14週 アルキンの付加反応2 アルキンの水和反応、ハロゲン化反応を反応機構を用いて説明できる。
15週 合成戦略 アルケン、アルキンの付加反応の例を用いて、生成物を予測することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3後1
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3後1
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3後1,後6,後12
σ結合とπ結合について説明できる。3後1,後6,後12
混成軌道を用い物質の形を説明できる。3後1
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。3後1
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3後1,後6,後12
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3後1
共鳴構造について説明できる。3後1
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。3後1
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。3後1
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3後1,後6,後12
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3後1,後6,後12
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。3後1,後6,後12
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3後2,後3,後4,後5,後7,後8,後9,後10,後11,後13,後14,後15
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3後2,後3,後4,後5,後7,後8,後9,後10,後11,後13,後14,後15
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。3後2,後3,後4,後5,後7,後8,後9,後10,後11,後13,後14,後15

評価割合

定期試験確認試験課題合計
総合評価割合603010100
603010100