生物化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 生物化学Ⅰ
科目番号 2021-645 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 生物化学序論,泉屋信夫 他,化学同人
担当教員 後藤 孝信

到達目標

1.細胞内小器官(オルガネラ)の役割りを説明できる。
2.糖質の化学構造と化学的性質の特徴,および生体での役割りを説明できる。                                     
3.アミノ酸,ペプチド,タンパク質の化学構造と化学的性質の特徴,および生体での役割りを説明できる。                      
4.脂質の化学構造と化学的性質の特徴,および生体での役割りを説明できる。

ルーブリック

未到達基準最低基準標準基準優秀基準
1.細胞内小器官(オルガネラ)の名称とその役割を説明できる。(C1-2)    細胞内小器官(オルガネラ)の名称とその役割を説明できない。細胞内小器官(オルガネラ)の名称とその役割を大まかに説明できる。細胞内小器官(オルガネラ)の名称,構成成分,および細胞内におけるその役割を説明できる。細胞内小器官(オルガネラ)の名称,構成成分,およびその役割を他のオルガネラの働きと関連付けて説明できる。
2.単糖や糖質の化学構造や化学的性質の特徴と生体での役割を説明できる。(C1-2)    □単糖や糖質の化学構造や化学的性質の特徴を説明できない。 □単糖や糖質の生体での役割を説明できない。□代表的な単糖や糖質の化学構造や化学的性質の特徴を少し説明できる。 □代表的な単糖や糖質の生体での役割を少し説明できる。 □単糖や糖質の化学構造や化学的性質の特徴を幾つか説明できる。 □単糖や糖質の生体での役割を幾つか説明できる。 □単糖や糖質の化学構造や化学的性質の特徴を数多く詳細に説明できる。 □単糖や糖質の生体での役割を特徴を数多く詳細に説明できる。
3.アミノ酸,ペプチド,タンパク質の化学構造や化学的性質の特徴と生体での役割を説明できる。(C1-2) □アミノ酸の化学構造や化学的性質の特徴を説明できない。 □アミノ酸,ペプチド,タンパク質の生体での役割を説明できない。□代表的なアミノ酸の化学構造や化学的性質の特徴を説明できる。 □アミノ酸,ペプチド,タンパク質の生体での役割をどれか一つ説明できる。□タンパク質を構成するアミノ酸の化学構造や化学的性質の特徴を説明できる。 □アミノ酸,ペプチド,タンパク質の生体での役割を一つずつ例を挙げて説明できる。□生体を構成するアミノ酸の化学構造や化学的性質の特徴を詳しく説明できる。 □アミノ酸,ペプチド,タンパク質の生体での役割を数多く例を挙げて説明できる。
4.脂質の化学構造や化学的性質の特徴と生体での役割を説明できる。(C1-2) □脂質の名称,化学構造や化学的性質の特徴を説明できない。 □脂質の生体での役割を説明できない。□グリセロ脂質化学構造や化学的性質の特徴を説明できる。 □グリセロ脂質の生体での役割を説明できる。□グリセロ脂質や極性脂質の化学構造や化学的性質の特徴を幾つか例を挙げて説明できる。 □グリセロ脂質や極性脂質の生体での役割を幾つか例を挙げて説明できる。□グリセロ脂質や極性脂質を分類し,その化学構造,化学的性質,および生体での役割を詳細に説明できる。 □テルペンやステロイドを分類し,その化学構造の特徴,化学的性質,生体での役割を詳細に説明できる。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生体は化学物質により構成されている。本講義では,生体を構成する主要な化学物質について,その名称,化学構造の特徴,物理化学的性質,および生体での役割りを取り扱う。食品,医療,健康,運動などの各分野との関連を学習しながら,「生きているシステム」を担う物質の化学的特徴と生物学的特徴を学ぶ。生物化学は,生体を取り扱う職種(医薬品,食品など)を希望する学生にとってはその基礎であり,必須の科目である。
授業の進め方・方法:
1.授業は講義形式で,スライドと教科書を用いて実施する。
2.評価は2回の定期試験の得点を100%の重みとして評価し,評価点が60点以上の場合を合格とする。評価基準については,成績評価基準表による。
注意点:
1.評価については,評価割合に従って行なう。ただし、適宜再試や追加課題を課し,加点することがある。
2.この科目は学修単位科目であり,1単位あたり30時間の対面授業を実施する。併せて1単位あたり15時間の事前学習・事後学習が必要となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 講義の目的・概要・評価方法を説明する。生物を説明できる。
2週 生物化学序論 細胞小器官(オルガネラ)や生元素を説明できる。
3週 糖質の化学 糖質の種類と,単糖類の環状構造や化学構造の特徴を説明できる。
4週 糖質の化学 単糖類の誘導体と単糖類の化学反応(グリコシド結合など)を説明できる。
5週 糖質の化学 オリゴ糖類の名称,構成単糖,化学構造,および自然界での分布を説明できる。
6週 糖質の化学 多糖類の種類(分類)と分布,構成成分,およびその生物学的役割りを説明できる。
7週 アミノ酸・ペプチド・タンパク質の化学 アミノ酸の定義,化学構造と立体化学,および核酸性タンパクアミノ酸について説明できる。
8週 アミノ酸・ペプチド・タンパク質の化学 その他の天然アミノ酸とアミノ酸の物理化学的性質や化学反応を説明できる。
2ndQ
9週 アミノ酸・ペプチド・タンパク質の化学 生理活性ペプチドを分類し,構成成分と生合成の過程や生理作用を説明できる。
10週 アミノ酸・ペプチド・タンパク質の化学 タンパク質の分類し,生体での役割,およびその構造を説明できる。
11週 アミノ酸・ペプチド・タンパク質の化学 タンパク質分子内での化学結合の他,タンパク質の物理化学的,変性,及び分析方法を説明できる。
12週 脂質の化学 脂質の定義と分類,および脂肪酸の種類と分布について説明できる。
13週 脂質の化学 高級脂肪酸のエステルと複合脂質について,その構造の特徴と生物学的な役割りを説明できる
14週 脂質の化学 テルペンを分類し,構造上の特徴と生物学的役割りを説明できる。
15週 脂質の化学 ステロイド(化合物)を分類し,その化学構造と生物学的役割りを説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。3前2
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。2前2
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。1
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。3
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。1
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。3
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。3
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。2
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。1
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4前10
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。3前11
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4前3,前6
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4前3
グリコシド結合を説明できる。4前4,前5,前6
多糖の例を説明できる。4前6
脂質の機能を複数あげることができる。4前12,前13,前14,前15
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4前13
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4前2,前13
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。3前8,前10
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。3前7,前11
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。3前9
タンパク質の高次構造について説明できる。3前1,前11

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力500000050
分野横断的能力0000000