化学工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 化学工学Ⅰ
科目番号 2021-646 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 化学工学会編 「基礎化学工学」 培風館(1999)
担当教員 竹口 昌之

到達目標

 以下に示す5項目について修得する.(1) 物質収支式を導きだし,解くことができる, (2) エネルギー収支式を導きだし,解くことができる, (3) 機械的エネルギー収支式を導きだし,配管を設計することができる, (4) 圧力・流速・流量の測定法の原理を理解し,測定値より圧力,流速および流量を導くことができる, (5) 伝熱の機構を理解し,伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.物質収支式を導きだし,解くことができる.□物質収支式を導きだし,解くことができ,得られた結果を考察できる.□物質収支式を導きだし,解くことができる.□物質収支式を導きだし,解くことができない.
2.エネルギー収支式を導きだし,解くことができる.□エネルギー収支式を導きだし,解くことができ,得られた結果を考察できる.□エネルギー収支式を導きだし,解くことができる.□エネルギー収支式を導きだし,解くことができない.
3.機械的エネルギー収支式を導きだし,配管を設計することができる.□機械的エネルギー収支式を導きだし,配管を設計することができ,得られた結果を考察できる.□機械的エネルギー収支式を導きだし,配管を設計することができる.□機械的エネルギー収支式を導きだし,配管を設計することができない.
4.圧力・流速・流量の測定法の原理を理解し,測定値より圧力,流速および流量を導くことができる.□圧力・流速・流量の測定法の原理を理解し,測定値より圧力,流速および流量を導くことができ,その特徴を説明できる.□圧力・流速・流量の測定法の原理を理解し,測定値より圧力,流速および流量を導くことができる.□圧力・流速・流量の測定法の原理を理解し,測定値より圧力,流速および流量を導くことができない.
5.伝熱の機構を理解し,伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱を説明できる.□伝熱の機構を理解し,伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱を説明でき,得られた結果を考察できる.□伝熱の機構を理解し,伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱を説明できる.□伝熱の機構を理解し,伝導伝熱,対流伝熱,放射伝熱を説明ができない.

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 化学工学とは,実験室的な化学操作を工業的に応用しようとした場合に必要な方策を体系化したものである.これは化学プロセスと呼ばれる物理化学的・電気化学的・機械工学的観点を含めた広い意味での化学・生化学変化を与える生産過程を対象とする.本講義ではプロセスを理解するために必要な物質収支,熱収,流体および熱移動を中心に述べる.
授業の進め方・方法:
授業は講義を中心に適宜学習内容について議論を行なう.講義中は集中して聴講すると共に,積極的に議論に参加すること.適宜,レポート・演習課題を課すので,翌週の授業開始時までに週番が回収し,番号順に並び替えて提出すること.
注意点:
評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがある。社会状況(感染症等による)により講義内容を変更する場合がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバスの説明:化学工学とは何か,単位と単位換算 ・化学工学について説明できる.
・SI単位について説明できる.
・SI単位に換算できる.
2週 物質収支(1) ・物理的操作の物質収支を計算できる.
・リサイクルを伴うプロセスの物質収支を計算できる.
3週 物質収支(2) ・化学反応を伴う物質収支を計算できる.
4週 エネルギー収支(1) ・標準生成エンタルピーから反応熱を計算できる.
5週 エネルギー収支(2) ・化学反応を伴うエンタルピー変化を計算できる.
6週 流体の流れとレイノルズ数(層流・乱流) ・レイノルズ数と層流・乱流の関係を説明できる.
7週 円管内の速度分布 ・円管内の速度分布をもとめることができる.
8週 管内摩擦と機械的エネルギー収支式 ・機械的エネルギー収支式を導出できる.
4thQ
9週 摩擦係数とFanningの式 ・摩擦係数を導出できる.
・機械的エネルギー収支式を用いて化学装置内の流れを設計できる.
10週 圧力・流速・流量の測定 ・マノメーターによる圧力測定の原理を説明できる.
・ピトー管を用いて流量を求めることができる.
・オリフィスメーターを用いて流量を測定できる
11週 伝熱のしくみ ・3つの伝熱方法について説明できる.
12週 定常伝導伝熱 ・Fourierの法則について説明できる.
13週 対流伝熱と境膜伝熱係数 ・境膜伝熱係数を用いて対流伝熱を説明できる.
14週 総括伝熱係数の計算法 ・伝導伝熱と対流伝熱が混在する伝熱について説明ができる.
・総括伝熱係数を計算できる.
15週 放射伝熱 ・放射伝熱について説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10
分数式の加減乗除の計算ができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10
簡単な連立方程式を解くことができる。3後2,後3,後4,後5,後7
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3後2,後3,後4,後5
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3後2,後3,後4,後5,後7,後10
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後10
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後3,後4,後5,後10
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3後3,後4,後5,後10
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後9,後10
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後3,後4,後5,後9,後10
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3後3,後4,後5
自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。2後1,後3,後5,後8
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。2後7
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。2後7,後9
運動方程式を用いた計算ができる。2後6,後7,後8,後9
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。2後7,後8,後9
最大摩擦力に関する計算ができる。2後7,後8,後9
仕事と仕事率に関する計算ができる。2後4,後5,後8,後9
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。2後4,後5,後8,後9
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。2後4,後5,後8,後9
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2後4,後5,後8,後9
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。2後4,後5,後11,後12
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。2後4,後5,後11,後12
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。2後2,後3,後4,後5
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。2後4,後5
化学(一般)化学(一般)物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3後4,後5
水の状態変化が説明できる。3後4,後5
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3後2,後3,後4,後5
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3後2,後3,後4,後5
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3後3,後4,後5
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3後3,後4,後5
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3後2,後3,後4,後5
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3後2,後3,後4,後5
ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。3後3,後10
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。3後4,後5,後10
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学混合気体の分圧の計算ができる。4後2,後3,後4,後5
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4後4,後5
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4後4,後5
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4後4,後5
化学工学SI単位への単位換算ができる。2後1,後2,後4,後5,後8
物質の流れと物質収支についての計算ができる。2後2,後4,後5,後6,後7
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。2後3,後4,後5
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。3後6,後7,後8,後9,後10
流れの物質収支の計算ができる。3後6,後7,後8,後9,後10
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。3後8,後9,後10
流体輸送の動力の計算ができる。3後8,後9,後10

評価割合

定期試験課題レポート合計
総合評価割合6040100
化学工学Ⅰの到達目標6040100