概要:
この科目では,「化学基礎」で学んだ事項を基として,更に進んだ化学的方法で自然の事物・現象に関する問題を取り扱います。学生は実験なども通して,化学的に探究する能力と態度を身に付け,化学の基本的な概念や原理・法則の理解を深め,自然科学的なものの見方を身につけます。本講義を通して,化学の基本的な概念や原理・法則を工学分野に適用できることを学びます。
授業の進め方・方法:
授業には講義の形態で行う回と実験を行う回があります。講義の形態で行う回は,課題の確認と小テストを行ったあと,講義と演習問題を行います。実験を行う回は一般化学実験室で実施します。実験には実験にふさわしい服装(作業着と動きやすいくつ)で参加し,保護めがねを着用してください。
試験は2回の定期試験として実施します。得点が60点未満の学生に対して再試験を行うことがあります。再試験の上限は60点とします。また特別な事情により再々試験を行う場合は,評価点の上限を60点とします。
注意点:
評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
中間試験を授業時間内に実施することがあります。
遠隔授業の実施期間が長引く場合は小テストと課題の割合の合計は20%とし,その範囲内で小テストと課題の評価の割合を変更する場合があります。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
第1回:ガイダンス,物質の状態(気体の圧力,気液平衡と蒸気圧,沸騰) 第2回:気体の性質(状態図,ボイルの法則,シャルルの法則) |
蒸気圧曲線,状態図から必要な情報を導くことができる。 ボイルの法則、シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。状態変化とエネルギーの関係を説明できる。水の状態変化を説明できる。
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2週 |
第3回:気体の性質(ボイル・シャルルの法則,気体の状態方程式,気体の分子量) 第4回:気体の性質(混合気体,理想気体と実在気体) |
ボイル-シャルルの法則,分圧の法則,気体の状態方程式を説明でき、必要な計算ができる。 理想気体と実在気体を説明できる。
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3週 |
第5回:溶液の性質(溶解のしくみ,固体の溶解度) 第6回:溶液の性質(溶解の濃度,気体の溶解度) |
溶解度を理解し,必要な計算ができる。 ヘンリーの法則を理解し,必要な計算ができる。
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4週 |
第7回:溶液の性質(蒸気圧降下と沸点上昇,凝固点降下,沸点上昇・凝固点降下と分子量) 第8回:溶液の性質(浸透圧,浸透圧と分子量,コロイド,コロイドの性質) |
沸点上昇と凝固点降下を説明し,必要な計算ができる。 浸透圧を説明し,必要な計算ができる。コロイドの性質について説明できる。
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5週 |
第9回:溶液の性質(コロイド溶液の種類)【実験】コロイド溶液の性質 第10回:固体の構造(結晶の種類,金属結晶の構造,イオン結晶の構造,分子結晶,非晶質) |
コロイド溶液の性質について説明できる。 代表的な結晶構造について説明できる。
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6週 |
第11回:化学反応と熱(反応熱と熱の出入り,熱化学方程式,いろいろな反応熱) 第12回:化学反応と熱(ヘスの法則,生成熱と反応熱の関係 ) |
熱化学方程式を記述することができる。 ヘスの法則を用いて,反応熱を計算できる。
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7週 |
第13回:化学反応と熱(結合エネルギー),演習 第14回:電気分解(電気分解,電気分解における反応) |
結合エネルギーから反応熱を求めることができる。 結合エネルギーから反応熱を求めることができる。 電気分解反応を説明できる。電気分解の利用として,銅の精錬など実社会における技術の利用例を説明できる。
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8週 |
第15回:電気分解(電気分解の法則),光とエネルギー(光とエネルギー,物質と光) 第16回:化学反応の速さ(速い反応と遅い反応,速さの表し方,反応速度と濃度・温度・触媒・他の要因) |
ファラデーの法則から,生成物の量を求めることができる。化学反応と光の関係について説明できる。 反応の速さを式で表し,値を求めることができる。反応速度に変化を与える要因とその影響を示すことができる。
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4thQ |
9週 |
第17回:化学反応の速さ(粒子の衝突,活性化エネルギー),化学平衡(可逆反応,化学平衡,平衡定数と化学平衡の法則) 第18回:化学平衡(平衡移動の原理,圧力変化と平衡移動,温度変化と平衡移動,触媒と平衡の移動) |
活性化エネルギーから反応機構を説明することができる。 平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。化学平衡を用いて,指定された物理量を求めることができる。諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明でき,平衡が移動する方向を示すことができる。
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10週 |
第19回:化学平衡(ルシャトリエの原理の工業への応用),【実験】反応速度と温度 第20回:水溶液中の化学平衡(電離平衡,塩の加水分解,緩衝液とpH) |
ルシャトリエの原理の工業への応用について,実例を挙げることができる。観察から,化学平衡の移動について考察することができる。 塩の加水分解と緩衝液について,電離平衡を用いて説明できる。電離平衡を用いて,物質量を含む指定された物理量を求めることができる。
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11週 |
第21回:水溶液中の化学平衡(溶解平衡),水素と希ガス 第22回:ハロゲンとその化合物 |
溶解度積について理解し必要な計算ができる。水素,希ガス,ハロゲンに関する代表的な物質の名称と性質を示すことができる。
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12週 |
第23回:酸素・硫黄とその化合物 第24回:窒素・リンとその化合物 |
酸素・硫黄・窒素・リンに関する代表的な物質の名称と性質を示すことができる。
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13週 |
第25回:炭素・ケイ素とその化合物 第26回:アルカリ金属とその化合物 |
炭素・ケイ素・アルカリ金属に関する代表的な物質の名称と性質を示すことができる.
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14週 |
第27回:2族元素とその化合物 第28回:1,2族以外の典型金属元素とその化合物 |
2族元素・アルミニウム・亜鉛・水銀・スズ・鉛に関する代表的な物質の名称と性質を示すことができる。
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15週 |
第29回:遷移金属の特徴,錯イオン,鉄とその化合物 第30回:銅・銀とその化合物 |
遷移元素の特徴と,錯イオンの基本的な構造を示すことができる。 鉄・銅・銀に関する代表的な物質の名称と性質を示すことができる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 水の状態変化が説明できる。 | 3 | 後1 |
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 3 | 後1,後2 |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 3 | 後2 |
電気分解反応を説明できる。 | 3 | 後7 |
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。 | 3 | 後7 |
ファラデーの法則による計算ができる。 | 3 | 後8 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 分析化学 | 電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。 | 1 | 後10 |
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。 | 3 | 後11 |
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。 | 3 | 後10 |
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。 | 3 | 後10 |
物理化学 | 気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。 | 3 | 後2 |
混合気体の分圧の計算ができる。 | 3 | 後2 |
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。 | 1 | 後4 |
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。 | 1 | 後1 |
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。 | 3 | 後9 |
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。 | 3 | 後9 |
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。 | 1 | 後7 |