1. 実験の化学的原理について,反応式を用いて説明できる。
2. 実験器具や試薬の取り扱いに慣れ、安全に実験を行うことができる。
3. 実験結果について、論理的な考察ができる。
4. 行った実験について、適切な構成のレポートにまとめて期限内に提出することが出来る。
概要:
本授業は, 有機化学実験を行う。有機化学実験の基礎を修得することを目的とし,基礎実験操作と6つのテーマの実験を通し,物質工学的な見方,実験の進め方の理解へと発展させることが望まれる。具体的には,有機化学実験の基本である,ガラス細工,抽出,減圧蒸留,ろ過,再結晶,薄層クロマトグラフィー,融点測定,比旋光度測定の各操作を修得する。
授業の進め方・方法:
授業は物質工学棟学生実験室にて実施する。
本年度の有機化学実験は、A日程、B日程に学生を分け、対面の実験と遠隔授業を併用して行う。成績は、実験レポートと実験ノートで評価する。
注意点:
評価については、評価割合に従って行う。
ケガや病気により実験を実施できない場合は,後日に日を設けて実験を実施する。
レポートを原則期限内に全て提出することを合格の条件とする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
オリエンテーション |
実験安全教育と有機化学実験の基本操作を理解できる。 情報セキュリティに関し、情報の取扱について理解できる。 情報の改竄について理解できる。 試薬管理データの取扱について理解できる。
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2週 |
ガラス細工 |
有機化学で用いるキャピラリー等のガラス細工が一人で製作できる。
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3週 |
有機化学実験の基本操作① 抽出 |
抽出操作により芳香族化合物を分離できる。
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4週 |
有機化学実験の基本操作② 再結晶 |
抽出、再結晶により、茶からのカフェインを単離できる。
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5週 |
有機化学実験の基本操作③ クロマトグラフィー |
薄層クロマトグラフィーにより、鎮痛剤の成分の分離ができる。
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6週 |
安息香酸エステルの合成 |
エステル化反応に用いる冷却管、精製に用いる分液ろうと、蒸留装置を正しく使うことができる。
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7週 |
ホストゲスト相互作用によるオレイン酸の単離 |
脂肪酸混合物から、オレイン酸を尿素包接化合物として分離することにより、分子構造と分子間力の関係を理解できる。
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8週 |
アセトアニリドの合成 |
アニリンのアセチル化反応を行う。吸引ろ過、再結晶、融点測定の操作ができる。
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2ndQ |
9週 |
実験器具の入替え、ガイダンス Part 2 |
Part 2の実験に関する原理の説明と注意事項 を理解できる。
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10週 |
安息香酸メチルエステルのニトロ化 |
求電子置換反応を理解しどの異性体が多く生成されるか予測できる。
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11週 |
カニッツァロ反応 |
一人で全ての一連の反応と分離操作を行うことができる。
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12週 |
旋光計による光学異性体の確認と観察
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レモンの果皮からリモネンを抽出し、旋光計を使って旋光度を測定できる。また標準試料から検量線を作成し、比旋光度を求めることができる。
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13週 |
実験のまとめ |
基礎実験、応用実験を振り返ってのまとめ
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14週 |
情報セキュリティ |
情報の取り扱い、情報の改ざん、試薬データの取り扱いについて理解できる。
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15週 |
実験器具片付け |
実験器具の片付けを行い、破損や数の足りない器具をチェックする。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 3 | |
分数式の加減乗除の計算ができる。 | 3 | |
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。 | 3 | |
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。 | 3 | |
簡単な連立方程式を解くことができる。 | 3 | |
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。 | 3 | |
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | |
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | |
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。 | 3 | |
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。 | 3 | |
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。 | 3 | |
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。 | 3 | |
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。 | 3 | |
合成関数の導関数を求めることができる。 | 3 | |
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。 | 3 | |
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。 | 3 | |
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。 | 3 | |
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。 | 3 | |
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。 | 3 | |
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。 | 2 | |
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。 | 2 | |
自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 2 | |
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 | 2 | |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 2 | |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 2 | |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 2 | |
運動の法則について説明できる。 | 2 | |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 2 | |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 2 | |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 2 | |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 2 | |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 2 | |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 2 | |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 2 | |
熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 2 | |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 2 | |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 2 | |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 2 | |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 2 | |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 2 | |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 2 | |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 2 | |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 2 | |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 2 | |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 2 | |
電気 | オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 2 | |
ジュール熱や電力を求めることができる。 | 2 | |
化学(一般) | 化学(一般) | 物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 3 | |
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。 | 3 | |
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。 | 3 | |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 3 | |
気体の体積と物質量の関係を説明できる。 | 3 | |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 3 | |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 3 | |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 3 | |
ライフサイエンス/アースサイエンス | ライフサイエンス/アースサイエンス | 大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 物理化学 | 気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。 | 4 | |
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。 | 4 | |
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。 | 4 | |
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。 | 4 | |
混合気体の分圧の計算ができる。 | 4 | |
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。 | 4 | |
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。 | 4 | |
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。 | 4 | |
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。 | 4 | |
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。 | 4 | |
エンタルピーの温度依存性を計算できる。 | 4 | |
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。 | 4 | |
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。 | 4 | |
純物質の絶対エントロピーを計算できる。 | 4 | |
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。 | 4 | |
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。 | 4 | |
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。 | 3 | |