科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 哲学
科目番号 2023-541 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教員が作成したレジュメおよび電子教科書を配分する。テキストを購入する必要はない。 
担当教員 太田 匡洋

到達目標

1.哲学・倫理学で用いられる考え方および諸概念の内容を説明することができる。
2.哲学・倫理学の考え方や諸概念をもちいて、具体的な出来事などを分析して説明することができる。
3.技術と自然や社会などとの関わり合いや技術の関わる社会問題に関する具体的な事例について、哲学・倫理学の観点から考察し自らの意見を述べることができる。(A2-3)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 哲学・倫理学で用いられる考え方および諸概念の内容を説明することができる。哲学・倫理学の主要概念について、その定義を具体例を用いつつ説明することができる。哲学・倫理学の主要概念について、その定義を説明することができる。哲学・倫理学の主要概念について、その定義を説明することができない。
評価項目2.哲学・倫理学の考え方や諸概念をもちいて、具体的な出来事などを分析して説明することができる。身近な事例や映画・ドラマ・マンガなどを題材として、哲学・倫理学の概念を用いて問題の所在を突き止め十分な分析を行うことができる。身近な事例や映画・ドラマ・マンガなどを題材として、哲学・倫理学の概念を用いた説明をすることができる。身近な事例や映画・ドラマ・マンガなどを題材として、哲学・倫理学の概念を用いた説明をすることができない。
評価項目3.技術と自然や社会などとの関わり合いや技術の関わる社会問題に関する具体的な事例について、哲学・倫理学の観点から考察し自らの意見を述べることができる。(A2-3)具体的な事例に関して、哲学・倫理学の諸概念を適切に用いて自身の見解を批判的に論述することができる。具体的な事例に関して、哲学・倫理学の諸概念を用いて自身の見解を論述することができる。具体的な事例に関して、哲学・倫理学の諸概念を用いて自身の見解を論述することができない。

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (A2) 説明 閉じる
実践指針のレベル (A2-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 1 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 A 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目では、哲学および倫理学の主要テーマについて、トピック横断的に学習を行う。「哲学」とは、真理を探究する知的な営みの総称であるが、とりわけそれが「哲学」と呼ばれる場合には、他の個別の諸学問の枠に収まらない根源的な問題や、基礎概念の検討などを扱う分野を指す。また、哲学の一分野でもある「倫理学」は、人と人との関係を定めるルール・規範を主題的に扱う分野である。本科目では、哲学の基礎的な問題および、倫理学の考え方の枠組みを、トピック横断的に学ぶとともに、関連するトピックを概観することで、哲学および倫理学の問題意識や考え方を、身の回りの事象を理解するための材料とし、自らの判断や行為に役立てられるようになることを目指す。
授業の進め方・方法:
本講義では、教員が作成したレジュメを配布して授業を進める。授業に際しては、おもにレジュメおよびスライドを使用し、講義形式で授業を進める。質問や意見については、毎回の授業の最後にコミュニケーションペーパーに記入してもらい、翌週の授業でフィードバックする。また、授業内でメディアなどを用いたワークの機会を設け、自ら考察を行い人前で意見を述べる訓練も行う。自学自習では、最終目標として専門用語を用いた論述ができるようになることを目指す。講義内容は、哲学および倫理学で問題とされてきたテーマを、トピック横断的に扱う。期末試験85%、コミュニケーションペーパーの提出15%として評定を行う。
注意点:
評価については、評価割合に従って行います。
この科目は学修単位科目であり、1単位あたり15時間の対面授業を実施します。併せて1単位あたり30時間の事前学習・事後学習が必要となります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 哲学の役割は何か? 哲学という学問分野がどのようなものであり、哲学の問いはどのような性格のものであるかを説明することができる。
2週 なぜこの机はこの机なのか? プラトンのイデア論、アリストテレスの形相質料論などの内容について説明することができる。
3週 普遍的なものは実在するのか? 中世の普遍論争がどのようなものであり、いかなる主張が展開されていたかについて説明することができる。
4週 世界を認識するとはどういうことか? おもに近世哲学史において、認識論の問題を通じて問題とされてきた事柄について説明することができる。
5週 夢と現実はいかにして区別できるのか? おもに近世哲学史において、「経験」および「世界」というものがどのようにして捉えられてきたかを説明することができる。
6週 何かが存在するとはどういうことか? おもに「存在」という概念が哲学史を通じてどのように捉えられてきたかを説明することができる。
7週 なぜ美しいものはみんなで共有したくなるのか? おもに美学において問題にされてきたような、美しいものをめぐる判断の特殊性について説明することができる。
8週 なぜ倫理学が必要なのか? 倫理学という学問分野がどのようなものであり、倫理学が扱う問題はどのような性格のものであるかを説明することができる。
2ndQ
9週 道徳は人それぞれなのか? 規範に関する文化的相対主義の考え方および、合意形成のためのポイントについて説明することができる。
10週 最大多数の最大幸福はベストな選択なのか? 功利主義の考え方およびその問題点、それらに対する功利主義の立場からの応答について説明することができる。
11週 なぜ嘘をついてはいけないのか? 義務論の考え方およびその問題点、それらに対する義務論の立場からの応答について説明することができる。
12週 「よい性格」とはどのようなものか? 徳倫理学の考え方およびその問題点、それらに対する徳倫理学の立場からの応答について説明することができる。
13週 資源の配り方にはどんなルールがあるのか? おもに配分的正義の問題について、医療資源の配分をモデルとして、配分の基準の類型について説明することができる。
14週 なぜ世界には悪が存在するのか? 「悪の問題」および人間が悪をなすメカニズムに関して、哲学史上どのような論争が行われてきたかを説明することができる。
15週 なぜ道徳的でなければならないのか? Why Be Moral?問題について、倫理学史においてどのような議論が行われてきたかを説明することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前15
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3前1,前2,前3,前6,前8,前13,前14,前15
工学基礎グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3前1,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

試験コミュニケーションペーパー合計
総合評価割合8515100
基礎的能力8515100
専門的能力000
分野横断的能力000