有機化学Ⅳ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 有機化学Ⅳ
科目番号 2023-586 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 David R. Klein著 (2017) 「クライン有機化学下」 (岩澤伸治監訳) 東京化学同人
担当教員 山根 説子

到達目標

1. カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルデヒド、ケトンが命名でき、一般的な反応と生成物、およびそれぞれの反応機構を説明できる。
2. カルボニル化合物が命名でき、一般的な反応と生成物、および反応機構を説明できる。
3. 有機化合物(芳香族、ハロゲン化アルキル,アルコール、エーテル、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルデヒド、ケトン)のいずれかの有機化学反応が説明できる。 (C1-2)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1□カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルデヒド、ケトンが命名でき、一般的な反応と生成物、およびそれぞれの反応機構を説明でき、反応条件から生成物を予測することができる。□カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルデヒド、ケトンが命名でき、一般的な反応と生成物、およびそれぞれの反応機構を説明できる。□カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルデヒド、ケトンが命名でき、一般的な反応と生成物、およびそれぞれの反応機構を説明できない。
評価項目2□カルボニル化合物が命名でき、一般的な反応と生成物、および反応機構を説明でき、反応条件から生成物を予測することができる。□カルボニル化合物が命名でき、一般的な反応と生成物、および反応機構を説明できる。□カルボニル化合物が命名でき、一般的な反応と生成物、および反応機構を説明できない。
評価項目3□有機化合物(芳香族、ハロゲン化アルキル,アルコール、エーテル、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルデヒド、ケトン)のいずれかの有機化学反応を反応機構を用いて説明できる。□有機化合物(芳香族、ハロゲン化アルキル,アルコール、エーテル、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルデヒド、ケトン)のいずれかの有機化学反応が説明できる。□有機化合物(芳香族、ハロゲン化アルキル,アルコール、エーテル、カルボン酸、カルボン酸誘導体、アルデヒド、ケトン)のいずれかの有機化学反応が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化学は化学の根幹をなす分野の一つであり、生命はもとより材料においてもその知識が必要とされる。本講義では、有機化学の基礎的事項を理解することから始まり、有機化合物を官能基で分類し、それぞれの性質や合成法について学習を進める。 化学反応の反応機構を電子論の立場から理解し、各種反応から導かれる構造を推測できる力を養う。
授業の進め方・方法:
授業は講義形式で行う。
演習の内容、提出方法、提出期限は授業中に連絡する。
注意点:
評価については、評価割合に従って行います。
この科目は学修単位科目であり、1単位あたり15(30)時間の対面授業を実施します。併せて1単位あたり30(15)時間の事前学習・事後学習が必要となります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、アルデヒドとケトンの反応1 アルデヒド、ケトンを命名できる。
2週 アルデヒドとケトンの反応2 アルデヒド、ケトンとアルコールの反応を理解できる。
3週 アルデヒドとケトンの反応3 アルデヒド、ケトンとアミンとの反応を理解できる。
4週 アルデヒドとケトンの反応4 アルデヒド、ケトンを用いた合成戦略を説明できる。
5週 カルボン酸とカルボン酸誘導体の反応1 カルボン酸、カルボン酸誘導体の命名、合成方法を理解できる。
6週 カルボン酸とカルボン酸誘導体の反応2 カルボン酸の各種反応について理解できる。
カルボン酸誘導体の反応性の違いを理解できる。
7週 カルボン酸とカルボン酸誘導体の反応3 酸クロリド、酸無水物の反応について理解できる。
8週 カルボン酸とカルボン酸誘導体の反応4 エステルの合成方法、各種反応について理解できる。
4thQ
9週 カルボン酸とカルボン酸誘導体の反応5 アミドの合成方法、各種反応について理解できる。
10週 α炭素の化学:エノールとエノラート1 ケトーエノール互変異生体と、エノラートイオンの生成を理解できる。
11週 α炭素の化学:エノールとエノラート2 アルドール付加反応を理解できる。
12週 α炭素の化学:エノールとエノラート3 交差アルドール付加反応を理解できる。
13週 α炭素の化学:エノールとエノラート4 クライゼン縮合を理解できる。
14週 α炭素の化学:エノールとエノラート5 エノラートイオンのアルキル化反応を理解できる。
15週 α炭素の化学:エノールとエノラート6 α、βー不飽和アルデヒド、ケトンへの求核反応を理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4後5
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4後1,後5
σ結合とπ結合について説明できる。4後1,後5
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4後5
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4後5,後10
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4後5
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4後5
共鳴構造について説明できる。4後5,後10
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13,後14,後15
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4後5
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4後10
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4後10
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4後10
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4後2,後3,後4,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13,後14,後15
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4後2,後3,後4,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13,後14,後15
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4後2,後3,後4,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13,後14,後15
高分子化合物がどのようなものか説明できる。2後8,後9
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。2後8,後9
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4後2,後3,後4,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13,後14,後15
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4後2,後3,後4,後6,後7,後8,後9,後11,後12,後13,後14,後15

評価割合

定期試験演習課題合計
総合評価割合504010100
504010100