生物化学Ⅲ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 生物化学Ⅲ
科目番号 2024-574 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 生物化学序論,泉屋信夫 他,化学同人
担当教員 後藤 孝信

到達目標

1.生体が利用できる高エネルギー化合物について説明ができる。
2.生体内で,食物からエネルギーが生産される過程を説明できる。
3.光合成の光化学反応と炭素固定の過程を理解し説明することができる。
4. 生体成分の生合成と異化を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
生体が利用できる高エネルギー化合物について説明ができる。複数の高エネルギー化合物について,生体内での役割の他,それらが高エネルギー化合物である理由を化学的な理由を以て詳しく説明できる。高エネルギー化合物について,生体内での役割の他,それらが高エネルギー化合物である理由を化学的な理由を以て大まかに説明できる。高エネルギー化合物の名称と生体内での役割を説明できない。
生体内で,食物からエネルギーが生産される過程を説明できる。生体内で,食物からエネルギーが生産される過程を回路(経路)図を示しながら,必要な補酵素や(反応を調節する)酵素名などを記して詳細に説明できる。生体内で,食物からエネルギーが生産される過程を回路(経路)図を示しながら,重要な補酵素や(反応を調節する)酵素名などを記して大まかに説明できる。生体内で,食物からエネルギーが生産される過程を説明できない。
光合成の光化学反応と炭素固定の過程を理解し説明することができる。光合成の光化学反応と炭素固定の過程を回路(経路)図を示しながら,反応に必要な補酵素や反応に関係する酵素名と共に詳細に説明できる。光合成の光化学反応と炭素固定の過程を回路(経路)図を示しながら,反応に重要な補酵素や反応に関係する酵素名と共に大まかに説明できる。光合成の光化学反応と炭素固定の過程を説明できない。
生体内における三大栄養素と核酸の分解と生合成について説明できる。生体内における三大栄養素と核酸の分解と生合成について,回路(経路)図を示しながら,栄養素間の相互変換を含め,反応に必要な補酵素や酵素名と共に詳細に説明できる。生体内における三大栄養素と核酸の分解と生合成について,回路(経路)図を示しながら,栄養素間の相互変換を含め,反応に必要な補酵素や酵素名と共に大まかに説明できる。生体内における三大栄養素と核酸の分解と生合成を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生物学,微生物学,生物化学Ⅰ,および生物化学Ⅱの知識を基礎とし,生物体内の物質変換について,化学的な理解を目的とする。講義は,三大栄養素とエネルギー生産との関係を中心に取り扱い,他に,光合成などの他の代謝経路についても触れる。発酵工学や応用微生物学を始め,生物を利用した工学分野の基礎となる授業である。この科目は代謝にかかわる酵素の研究を実施してきた教員が、その経歴を活かし、生体内の高エネルギー化合物の生成の他,各栄養素の相互変換や病気との関連を含めて講義形式の授業を行う。
授業の進め方・方法:
1.授業は教科書の内容に沿って,講義形式で行う。
2.2回の定期試験(演習問題と学期末試験)を行い,それぞれの得点の平均が60点以上を合格とする。
注意点:
1.評価については、評価割合に従って行なう。
2.この科目は学修単位科目であり,1単位あたり15時間の対面授業を実施します。併せて1単位あたり30時間
の事前学習・事後学習が必要となります。
3. 理解を深めるため,不定期に課題を課します。課題が未提出の者は,再試験を受験できません。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 代謝総論 異化反応と同化反応,およびこれら反応と生体エネルギーの関係を説明できる。
生体内の高エネルギー化合物(ATPなど)の種類と特徴を説明できる。
2週 代謝総論 クエン酸回路について説明できる。
3週 代謝総論 呼吸鎖(電子伝達系)におけるATPの生産ついて説明できる。
4週 糖質の代謝 解糖系を説明できる。
5週 糖質の代謝 グリオキシル酸回路とペントースリン酸経路を説明できる。
6週 糖質の代謝 糖新生を説明できる。解糖と発酵の相違を説明できる。
7週 光合成 光合成(炭酸固定)の概要を説明できる。
8週 演習問題 代謝の概要,糖質の代謝,光合成について説明できる。
4thQ
9週 脂質の代謝
脂肪酸の分解(β酸化)を説明できる。
10週 脂質の代謝
脂肪酸とトリグリセリドの生合成の概要を説明できる。
11週 アミノ酸の代謝 アミノ酸の分解の概要を説明できる。
12週 アミノ酸の代謝 アミノ酸の生合成の概要を説明できる。
13週 核酸の代謝 核酸の分解の概要を説明できる。
14週 核酸の代謝 核酸とヌクレオチド補酵素の生合成の概要を説明できる。
15週 まとめ 定期試験の答案の返却と解説,授業アンケート
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4後1
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4後1,後2
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。4後4,後8
生物化学解糖系の概要を説明できる。4後5
クエン酸回路の概要を説明できる。4後3
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4後3,後4
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4後1,後7
各種の光合成色素の働きを説明できる。4後8,後9
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4後9
炭酸固定の過程を説明できる。4後9

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合1000100
基礎的知識000
専門的知識1000100