生物化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 生物化学Ⅰ
科目番号 2024-631 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 生物化学序論,泉屋信夫 他,化学同人
担当教員 古川 一実

到達目標

生物を構成する下記の構成成分について理解して他者へ説明できるようになる。
特に三大栄養素として糖質(炭水化物)・タンパク質・脂質の基礎を学び、食品学や栄養学の基礎を身につける。
1.生物を構成する成分について役割りを説明できる。
2.糖質の化学構造と化学的性質の特徴,および生体での役割りを説明できる。                                     
3.アミノ酸,ペプチド,タンパク質の化学構造と化学的性質の特徴,および生体での役割りを説明できる。                      
4.脂質の化学構造と化学的性質の特徴,および生体での役割りを説明できる。

ルーブリック

未到達基準最低基準標準基準優秀基準
1.生体元素および細胞内小器官(オルガネラ)の名称とその役割を説明できる。(C1-2)    生体元素および細胞内小器官(オルガネラ)の名称とその役割を説明できない。生体元素および細胞内小器官(オルガネラ)の名称とその役割を大まかに説明できる。生体元素および細胞内小器官(オルガネラ)の名称,構成成分に加え細胞内におけるその役割を説明できる。生体元素および細胞内小器官(オルガネラ)の名称,構成成分に加えその役割を他のオルガネラの働きと関連付けて説明できる。
2.単糖や糖質の化学構造や化学的性質の特徴と生体での役割を説明できる。(C1-2)    □単糖や糖質の化学構造や化学的性質の特徴を説明できない。 □単糖や糖質の生体での役割を説明できない。□代表的な単糖や糖質の化学構造や化学的性質の特徴を少し説明できる。 □代表的な単糖や糖質の生体での役割を少し説明できる。 □単糖や糖質の化学構造や化学的性質の特徴を幾つか説明できる。 □単糖や糖質の生体での役割を幾つか説明できる。 □単糖や糖質の化学構造や化学的性質の特徴を数多く詳細に説明できる。 □単糖や糖質の生体での役割を特徴を数多く詳細に説明できる。
3.アミノ酸,ペプチド,タンパク質の化学構造や化学的性質の特徴と生体での役割を説明できる。(C1-2) □アミノ酸の化学構造や化学的性質の特徴を説明できない。 □アミノ酸,ペプチド,タンパク質の生体での役割を説明できない。□代表的なアミノ酸の化学構造や化学的性質の特徴を説明できる。 □アミノ酸,ペプチド,タンパク質の生体での役割をどれか一つ説明できる。□タンパク質を構成するアミノ酸の化学構造や化学的性質の特徴を説明できる。 □アミノ酸,ペプチド,タンパク質の生体での役割を一つずつ例を挙げて説明できる。□生体を構成するアミノ酸の化学構造や化学的性質の特徴を詳しく説明できる。 □アミノ酸,ペプチド,タンパク質の生体での役割を数多く例を挙げて説明できる。
4.脂質の化学構造や化学的性質の特徴と生体での役割を説明できる。(C1-2) □脂質の名称,化学構造や化学的性質の特徴を説明できない。 □テルペンやステロイドの種類について説明できない。 □脂質の生体での役割を説明できない。□脂質の名称,化学構造や化学的性質の特徴を説明できる。 □テルペンやステロイドの種類について説明できる。 □脂質の生体での役割を説明できる。□脂質の名称,化学構造や化学的性質の特徴を説明できる。 □単純脂質および複合脂質について構造と種類について説明できる。 □テルペンやステロイドを分類し,その化学構造の特徴,化学的性質,生体での役割を説明できる。 □脂質の生体での役割を説明できる。基本的な脂質の名称や化学構造に加えて □脂質の名称,化学構造や化学的性質の特徴を説明できる。 □単純脂質および複合脂質について構造と種類について説明できる。 □テルペンやステロイドを分類し,その化学構造の特徴,化学的性質,生体での役割を詳細に説明できる。 □脂質の生体での役割を説明できる。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生体は化学物質により構成されている。本講義では,生体を構成する主要な化学物質について,その名称,化学構造の特徴,物理化学的性質,および生体での役割りを取り扱う。食品,医療,健康,運動などの各分野との関連を学習しながら,「生きているシステム」を担う物質の化学的特徴と生物学的特徴を学ぶ。生物化学は,生体を取り扱う職種(医薬品,食品など)を希望する学生にとってはその基礎であり,必須の科目である。
授業の進め方・方法:
1.授業は講義形式で,スライドと教科書を用いて実施する。
2.評価は筆記試験のテストにより定着度を確認して評価する。中間試験と期末試験をそれぞれ100点満点とし、この2回の試験の平均点が60点以上の場合を合格とする。試験には、問題の難易度に応じて加点を設定することがある。
注意点:
1.評価については,評価割合に従って行なう。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
生物化学序論
講義の目的・概要・評価方法を説明する。生物化学で学ぶ化学物質が栄養素としてどのように食品学や医療など周辺との関連するかを説明できる。
2週 生物化学序論 生体を構成する成分について説明できる。細胞小器官(オルガネラ)や生元素がどのようなものか説明できる。取り扱う三大栄養素の概要と生体内での役割や構成の割合。
3週 糖質の化学 糖質の種類と,単糖類の環状構造や化学構造の特徴を説明できる。
4週 糖質の化学 単糖類の誘導体と単糖類の化学反応(グリコシド結合など)を説明できる。
5週 糖質の化学 オリゴ糖類の名称,構成単糖,化学構造,および自然界での分布を説明できる。
6週 糖質の化学 多糖類の種類(分類)と分布,構成成分,およびその生物学的役割りを説明できる。
7週 糖質の化学/アミノ酸・ペプチド・タンパク質の化学 前回までの到達度確認テスト/アミノ酸の定義,化学構造と立体化学,および核酸性タンパクアミノ酸について説明できる。
8週 アミノ酸・ペプチド・タンパク質の化学 その他の天然アミノ酸とアミノ酸の物理化学的性質や化学反応を説明できる。
4thQ
9週 アミノ酸・ペプチド・タンパク質の化学 生理活性ペプチドを分類し,構成成分と生合成の過程や生理作用を説明できる。
10週 アミノ酸・ペプチド・タンパク質の化学 タンパク質の分類し,生体での役割,およびその構造を説明できる。
11週 アミノ酸・ペプチド・タンパク質の化学 タンパク質分子内での化学結合の他,タンパク質の物理化学的,変性,及び分析方法を説明できる。
12週 脂質の化学 脂質の定義と分類,および脂肪酸の種類と分布について説明できる。
13週 脂質の化学 高級脂肪酸のエステルと複合脂質について,その構造の特徴と生物学的な役割りを説明できる
14週 脂質の化学 テルペンおよびステロイド化合物の特徴と種類について、構造上の特徴と生物学的役割りを説明できる。
15週 三大栄養素の学びのまとめと発展
・授業アンケート
三大栄養素を学んだ後にどのように食品学や医学と結びつくか説明できる。授業アンケートにより学習の振り返りができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。3後2
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。2後2
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。3
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4後10
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4後11
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4後3,後6
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4後3
グリコシド結合を説明できる。4後4,後5,後6
多糖の例を説明できる。4後6
脂質の機能を複数あげることができる。4後12,後13,後14,後15
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4後13
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4後2,後13
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。3後8,後10
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。3後7,後11
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。3後9
タンパク質の高次構造について説明できる。3後1,後11

評価割合

中間試験期末試験合計
総合評価割合5050100
基礎知識の定着と応用5050100