分離工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 分離工学Ⅰ
科目番号 0002 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 化学工学会編 「基礎化学工学」 培風館(1999)
担当教員 竹口 昌之

到達目標

 以下に示す4項目について修得する.(1) 拡散理論の基礎を理解し,拡散方程式を解くことができる(C1-3). (2) ガス吸収を理解し,吸収装置を設計できる(C1-3). (3) 吸着機構を理解し,吸着装置を設計できる(C1-3). (4) 蒸留操作を理解し,蒸留塔を設計できる(C1-3).

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 拡散理論の基礎を理解し,拡散方程式を解くことができる(C1-3)□拡散理論の基礎を理解し,拡散方程式を解くことができ,得られた結果を考察できる.□拡散理論の基礎を理解し,拡散方程式を解くことができる.□拡散理論の基礎を理解し,拡散方程式を解くことができない.
2. ガス吸収を理解し,吸収装置を設計できる(C1-3)□ガス吸収を理解し,吸収装置を設計でき,得られた結果を考察できる.□ガス吸収を理解し,吸収装置を設計できる.□ガス吸収を理解し,吸収装置を設計できない.
4. 吸着機構を理解し,吸着装置を設計できる(C1-3)□吸着機構を理解し,吸着装置を設計でき,得られた結果を考察できる.□吸着機構を理解し,吸着装置を設計できる.□吸着機構を理解し,吸着装置を設計できない.
4. 蒸留操作を理解し,蒸留塔を設計できる(C1-3)□蒸留操作を理解し,蒸留塔を設計でき,得られた結果を考察できる.□蒸留操作を理解し,蒸留塔を設計できる.□蒸留操作を理解し,蒸留塔を設計できない.

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 化学工学は,実験室で得た発見・発明を工業化するために,輸送・熱交換・反応装置の設計を的確に行えるように,単位操作の設計法を習得する学問である.化学工学の単位操作は流動・伝熱をはじめ,拡散分離・機械的,化学的分離があり,化学工学I,II,IIIでその幾つかはすでに学んでいる.分離操作は化学プロセスに必須の単位操作であり,種々の分離操作やその原理を学修することは重要である.分離工学Iでは分離操作の基礎となる移動現象論を,ガス吸収や吸着操作を通して学び,また重要な分離操作である蒸留を学修する.
授業の進め方・方法:
授業は講義を中心に適宜学習内容について議論を行なう.講義中は集中して聴講すると共に,積極的に議論に参加すること.適宜,レポート・演習課題を課すので,翌週の授業開始時までに週番が回収し,番号順に並び替えて提出すること.
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。
3.定期試験を75%、課題レポート25%の重みとして評価する。授業目標(C1-3)が標準基準(6割)以上で、かつ科目全体で60点以上の場合に合格とする。評価基準については、成績評価基準表(ルーブリック)による。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業概要・目標,スケジュール,評価方法と基準等の説明,物質分離の原理と方法 ・物質分離の原理と方法について説明ができる.
2週 Fickの拡散の法則
ガス吸収
・Fickの拡散の法則について説明ができる
・ガスの溶解度について説明ができる.
3週 物理吸収速度と物質移動係数 ・境膜物質移動係数について説明ができる.
・総括物質移動係数について説明ができ,境膜物質移動係数を用いて導出できる.
4週 反応吸収速度 ・反応を伴う物質移動について説明ができる.
5週 ガス吸収装置の設計 ・ガス吸収装置について説明ができる.
・充填塔の所要高さの計算ができる.
・段塔の所要理論段数の計算ができる.
6週 吸着平衡と吸着速度 ・代表的な吸着等温式について説明ができる.
・多孔性吸着剤粒子での吸着拡散過程について説明できる.
7週 回分吸着と固定層吸着 ・回分吸着について説明できる.
・固定層吸着について説明ができ,固定層吸着装置を設計できる.
8週 試験 ・これまでの講義内容について筆記試験を通して確認する.
2ndQ
9週 試験解説
蒸留の概要
・これまでの講義内容について概要を説明できる.
・蒸留操作について説明できる.
10週 気液平衡 ・気液平衡について説明ができる.
11週 単蒸留 ・単蒸留操作について説明ができ,単蒸留装置を設計できる.
12週 フラッシュ蒸留(連続単蒸留) ・連続単蒸留操作について説明ができ,フラッシュ蒸留装置を設計できる.
13週 連続蒸留における物質収支と走査線 ・連続蒸留装置における物質収支式から操作線を導出できる.
14週 連続蒸留の設計 ・連続蒸留装置を設計できる.
15週 試験 ・第9週以降の内容について筆記試験を通して確認する.
16週 試験解説 ・試験の解説を通して蒸留の取扱いを確認する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験課題レポート合計
総合評価割合7525100
分離工学Ⅰの基礎理解力7525100