錯体化学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 錯体化学
科目番号 0002 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 理工系基礎レクチャー無機化学 鵜沼英郎, 尾形健明(化学同人)
担当教員 新井 貴司

到達目標

1. 配位化合物の名称について覚え、正しく答えられる。
2. 配位化合物の物理化学的性質について論理的に説明できる(C1-2)。
3. 配位化合物の安定性について、論理的に説明できる(C1-2)。
4. 配位化合物の反応性について、論理的に説明できる(C1-2)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.配位化合物の命名法と異性体について覚え、正しく答えられる。□複雑な配位子の名称を記述できる □日本語で複雑な配位化合物の名称を答えることができる □名称から複雑な配位化合物の化学式を答えることができる □構造異性体、連結異性体光学異性体の構造を書くことができる□基本的な配位子の名称を記述できる □日本語で基本的な配位化合物の名称を答えることができる □名称から基本的な配位化合物の化学式を答えることができる □構造異性体の名称と構造を書くことができる□基本的な配位子の名称を記述できない □日本語で基本的な配位化合物の名称を答えられない □名称から基本的な配位化合物の化学式を答えられない □構造異性体の名称と構造を書くことができない
2. 配位化合物の物理化学的性質について論理的に説明できる(C1-2)。□結晶場理論を用いて結晶場安定化エネルギーを計算できる □錯体の光吸収の原因を説明できる □錯体の磁性を説明でき、磁気モーメントの計算ができる□結晶場理論を説明できる □錯体の光吸収の原因を挙げることができる □錯体の磁性を説明できる□結晶場理論を説明できない □錯体の光吸収の原因を挙げるができない □錯体の磁性を説明できない
3. 配位化合物の安定性について、論理的に説明できる (C1-2)。□錯体の逐次安定度定数から全安定度定数を計算できる □錯体の安定度の要因を複数論理的に説明できる □キレート効果を熱力学的な式を利用して説明できる□錯体の安定度定数を計算できる □錯体の安定度の要因を論理的に一つ以上説明できる □キレート効果を説明できる□錯体の安定度定数を計算できない □錯体の安定度の要因を論理的に説明できない □キレート効果を説明できない
4.配位化合物の反応性について、論理的に説明できる(C1-2)。□配位子置換反応の反応機構を全て説明できる □トランス効果を利用して反応経路を書くことができる □電子移動反応の反応機構を全て説明できる□配位子置換反応の反応機構を1つ以上説明できる □トランス効果を説明できる □電子移動反応の反応機構を1つ以上説明できる□配位子置換反応の反応機構を1つも説明できない □トランス効果を説明できない □電子移動反応の反応機構を1つも説明できない
5. カルボニル錯体の特徴を説明できる。□カルボニル錯体間の安定性を18電子則を用いて比較できる □カルボニル錯体における結合の様子を逆供与を踏まえて図示できる□カルボニル錯体が18電子則で安定であることを説明できる □逆供与を説明できる□カルボニル錯体の安定性と18電子則の関係を説明できない □逆供与を説明できない

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-2) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義では配位化合物(錯体)基礎的な化学を学ぶ。配位化合物は、Wernerによる配位説に始まり、Paulingによる原子価結合理論、現在は結晶場理論や配位子場理論を用いてその化合物の物性が議論されている。
本授業では配位化合物の命名法、異性体、物理化学的性質、安定性、速度論について基礎的な理論的な解釈を用いて述べる。
授業の進め方・方法:
本授業は講義形式で進める。
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
2週 遷移金属元素の化学 (1) 錯体の命名ができる
3週 遷移金属錯体の化学 (2) 異性現象を説明できる
4週 遷移金属錯体の化学 (3) d軌道電子の配置を説明できる
5週 遷移金属錯体の化学 (4) 結晶場理論を説明でき,錯体の結晶場安定化エネルギーと磁性を計算できる
6週 遷移金属錯体の化学 (5) 結晶場理論を説明でき,結晶場安定化エネルギーと磁性を計算できる
7週 遷移金属錯体の化学 (6) 錯体の性質を説明できる
8週 遷移金属錯体の化学 (7) 錯体の安定度を説明できる
4thQ
9週 遷移金属錯体の化学 (8) 錯体の安定度を説明できる
10週 遷移金属錯体の化学 (9) 錯体の反応を説明できる
11週 遷移金属錯体の化学 (10) 錯体の反応を説明できる
12週 有機金属錯体の化学 (1) 18電子則を説明できる
13週 有機金属錯体の化学(2) 有機金属錯体を説明できる
14週 錯体の応用 錯体の応用を説明できる
15週 前期末試験
16週 試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000