有機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 有機化学Ⅰ
科目番号 0004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 化学(東京書籍)、 ブルース有機化学概説(化学同人)、分子模型
担当教員 青山 陽子

到達目標

以下に示す9項目について修得する。
(1) アルカン、アルケン、アルキンの性質と反応 (2) アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトンの性質と反応、(3) ベンゼンの性質と反応、(4) フェノール類とアルコールの性質と反応 (5) アニリンの性質と反応、(6) sp3, sp2, sp混成軌道、(7) Newman 投影式、(8) シクロヘキサンの立体配座、(9) 反応機構を説明する矢印の使い方

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1□アルカン、アルケン、アルキンの一般式が書け、それぞれの性質、代表的な反応を整理して説明できる。□アルカン、アルケン、アルキンの一般式が書け、それぞれの性質、代表的な反応が理解できる。□アルカン、アルケン、アルキンの一般式が書けない。
評価項目2□アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステルの一般式が書け、それぞれの性質、代表的な反応を説明できる。□アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステルの一般式が書け、それぞれの性質、代表的な反応が理解できる。□アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステルの一般式が書けない。
評価項目3□ベンゼンの誘導体についてオルト、パラ、メタの構造異性体が書ける。代表的置換反応を書ける。□ベンゼンの誘導体についてオルト、パラ、メタの構造異性体が書ける。□ベンゼンの誘導体についてオルト、パラ、メタの構造異性体が書けない。
評価項目4□フェノール類とアルコールの性質の差が分かる。芳香族カルボン酸の代表的な反応を説明できる。□フェノール類とアルコールの性質の差が分かる。芳香族カルボン酸の代表的な反応が分かる。□フェノール類とアルコールの性質の差が分からない。
評価項目5□アニリンの構造、性質を理解し、その代表的反応を説明できる。□アニリンの構造が書け、その代表的反応を理解できる。□アニリンの構造が分からない。
評価項目6□sp3,sp2,sp混成軌道について理解し、その形が描ける。またシグマ結合、π結合の形成について説明できる。□sp3,sp2,sp混成軌道について理解し、シグマ結合、パイ結合が何を示しているか理解できる。□sp3,sp2,sp混成軌道について理解できない。
評価項目7□Newman投影式でアンチ、ゴーシュ、エクリプスの立体配座と安定性を説明できる。。□エタンのC-C結合のまわりの立体配座をNewman投影式で描ける。□Newman投影式が理解できない。
評価項目8□置換基を持つシクロヘキサンの安定性について理解できる。□シクロヘキサンの椅子形と舟形の立体配座の違いを理解でき、どちらが安定か説明できる。□シクロヘキサンの椅子形と舟形が描けない。
評価項目9□反応機構を説明する曲がった矢印を用いて、アルケンのハロゲン化水素付加を説明できる。□反応機構を説明する曲がった矢印の描き方が理解できる。□反応機構を説明する曲がった矢印の意味が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化合物は生体を構成している重要な物質であり、身の回りの様々な製品も有機化合物で出来ている。第2学年では、まず高校の教科書で有機化合物の概説を学び、後半は大学の教科書を用いて原子の構造や原子軌道、酸と塩基の定義、有機化合物の命名法の基礎を学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は、まず「化学B]で用いている高校の教科書と問題集を用い、第5編の有機化合物の第1章から4章を学ぶ。その後、ブルースの有機化学概説を用い、大学の有機化学の導入部を学ぶ。問題集の問題や章末問題は、各自で解くようにすること。小テストは理解度を確かめるために、授業の初めに適宜行なう予定である。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明と有機化合物の特徴, 有機化合物の分類 有機化合物の多様性と特徴を理解できる。
炭化水素の分類を知る。
2週 有機化合物の分類, 異性体  官能基による分類、有機化合物の表し方を覚える。構造異性体、立体異性体の違いを理解する。
3週 アルカンとシクロアルカン アルカン、シクロアルカンの性質、反応を説明できる。
4週 アルケンとアルキン アルケン、アルキンの性質と製法が説明でき、付加反応、酸化反応を理解できる。
5週 酸素を含む有機化化合物-アルコールとエーテル、アルデヒド、ケトン アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトンの一般式が書ける。また、それらの性質、代表的な性質について説明できる。
6週 酸素を含む有機化化合物-カルボン酸とエステル カルボン酸とエステルの一般式が書ける。またそれらの性質、代表的な反応が説明できる。
7週 芳香族化合物 芳香族の安定性について理解でき、オルト、パラ、メタ位の構造異性体、代表的な置換反応を説明できる。
8週 酸素を含む芳香族化合物 フェノール類と芳香族カルボン酸の構造を知る。フェノールとアルコールの相違点、類似点が説明できる。芳香族カルボン酸の代表的な反応を説明できる。
2ndQ
9週 前期中間試験
10週 答案返却と説明
11週 窒素を含む芳香族化合物と芳香族化合物の分離 アニリンの構造が書け、代表的な性質、反応を説明できる。芳香族化合物の混合物の分離について、理解できる。
12週 ブルース有機化学概説 第1章 原子の構造、原子軌道、オクテット則、ルイス構造式について理解できる。
13週 形式電荷について理解し、分子やイオン中の各原子の形式電荷を決めることが出来る。
14週 分子構造を書く表記法の種類を知り、結合を線で表す式を描ける。
15週 前期末試験
16週 答案返却と説明
後期
3rdQ
1週 sp3,sp2,sp混成軌道について理解し、シグマ結合、パイ結合が何を示しているか知る。
2週 分子の形、メチルカチオン、メチルラジカル、メチルアニオンの形状が推測できる。
3週 第2章 酸と塩基の定義、共役酸、共役塩基が何かを知る。
4週 pKa, pHについて理解できる。
5週 酸、塩基の強さと構造から判断できる。
6週 第3章 ハロゲン化アルキル、アルコール、およびアミンの構造の分類が理解でき、物理的性質が説明できる。
7週 エタンのC-C結合のまわりの立体配座をNewman投影式で描ける。
8週 シクロヘキサンの椅子形と舟形の立体配座の違いを理解でき、どちらが安定か説明できる。
4thQ
9週 後期中間試験
10週 答案返却と説明
11週 シクロヘキサンのアキシアル結合とエクアトリアル結合が図示でき、二置換体のシスとトランス異性体が理解できる。
12週 第4章 アルケンのシス・トランス異性体、EZ表記による命名が分かる。
13週 アルケンの安定性、反応性、反応座標図が理解できる。
14週 第5章 アルケンとアルキンの反応:ハロゲン化水素や水、アルコールの付加反応機構が理解できる。
15週 アルケンとアルキンの反応:ハロゲン化水素や水、アルコールの付加反応の位置選択性が理解できる。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験小テスト相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000