到達目標
1.実験の化学的原理について,反応式を用いて説明できる。 2.分析器具の使い方を説明できる。
3.実験結果をPCを使って図表にまとめることができる。
4.実験結果について,考察ができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
各生体成分の物理化学的性質や分析方法について,化学的に説明できる | 各生体成分の物理化学的性質や分析方法について,化学構造や反応式を用いて詳しく説明できる | 各生体成分の物理化学的性質や分析方法について,化学的に説明できる | 各生体成分の物理化学的性質や分析方法について,化学的に説明できない |
評価項目2 | | | |
評価項目3 | | | |
学科の到達目標項目との関係
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2
説明
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教育方法等
概要:
本授業は,3期に渡る実験から構成されている。
第1期は生物化学実験で,生体,あるいはそれに関連した物質(食品など)について,その基本的な分析技術を習得する。具体的には,酵素反応を化学的な手法を用いて検出したり,脂質,アミノ酸,タンパク質,および核酸をその物理化学的な性質の違いにより分離して,定性あるいは定量する。得られる実験データについては,パソコンを使ってグラフや表として内容を整理し,比較・討論する技術も習得する。
第2期では,有機化学実験を行う。有機化学実験の基礎を修得することを目的とし,6つのテーマの実験を通し,物質工学的な見方,実験の進め方の理解へと発展させることが望まれる。具体的には,有機化学実験の基本である,ガラス細工,減圧蒸留,ろ過,再結晶,薄層クロマトグラフィー,融点測定,比旋光度測定の各操作を修得する。
第3期では.物理化学実験を行う。化学と生物の理解において最も重要な基礎となる物理化学を以下の実験実習を通して,物質工学科の本科課程の学習内容,現代化学を理解する基礎として修得する。(1)溶液の電気伝導率の測定方法と物理化学的意義,(2)液体の表面張力の測定方法と物理化学的意義(3)溶液の溶質の固体への吸着量の測定方法と吸着の物理化学的意義,(4)2成分系の液相の相互溶解度の測定方法と物理化学的意義,(5)有機酸水溶液系について溶解度の測定方法と溶解熱の物理化学的意義,(6)反応速度の測定方法と活性化エネルギーの物理化学的意義(7)蒸気密度法による分子量測定による完全気体の理解,(8)減圧下での実験方法の学習と真空、低圧条件の理解,(9)実験化学の報告書の作成と計算機を用いるデータ処理.
授業の進め方・方法:
授業は物質工学棟学生実験室にて実施する。
生物化学実験では,2日間で1テーマの実験を行い,合計5つのテーマの実験を行う。各実験の間には1日のレポート作成日を設けて,翌週の月曜日(あるいは火曜日)に提出を完了する。実験毎のレポートの完成度を以て評価し,5つの実験のレポートの平均点が60点以上を合格とする。
有機化学実験は,6つの実験レポート,英語の単語テスト,実験の取り組み方で評価する。
物理化学実験では,9つの実験レポートと実験の取り組み方で評価する。
ケガや病気により実験を実施できない場合は,後日に日を設けて実験を実施する。
注意点:
1. 試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2. 授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
生物化学実験のガイダンス |
実験の諸注意と実験に関する原理の説明
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2週 |
糖質の分析 |
糖質の化学的分析方法と分子量の違いによる分離法を説明できる。
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3週 |
レポート作成と脂質の分析 |
糖質の分析に関する実験をまとめ,脂質のケン化価の原理を説明できる。
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4週 |
脂質の分析とレポート作成 |
脂質のヨウ素価の測定原理を説明でき,また脂質分析に関するレポートを作成する。
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5週 |
アミノ酸の分析 |
アミノ酸の滴定曲線とシリカゲルTLCによる分離を説明できる。
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6週 |
レポート作成とタンパク質の分析 |
アミノ酸分析のレポートを作成し,タンパク質の分離法を説明できる。
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7週 |
タンパク質の分析とレポート作成 |
タンパク質の光化学的性質を説明し,タンパク質分析のレポートを作成する。
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8週 |
核酸の分析 |
玉ねぎから核酸(DNA)を取り出し,核酸の光学的性質を説明できる。
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2ndQ |
9週 |
レポート作成と演習問題 |
核酸のレポートを作成し,実験に関係した演習問題(化学計算)を解く。
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10週 |
演習問題 |
実験に関係した演習問題(化学計算)を解く
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11週 |
有機化学実験オリエンテーション Part1 |
実験安全教育と前半の3つの実験に関する原理の説明
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12週 |
ガラス細工 |
有機化学で用いるキャピラリー等のガラス細工が一人で製作できる。
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13週 |
安息香酸のエステル化反応 |
エステル化反応に用いる冷却管、精製に用いる分液ろうと、蒸留装置を正しく使うことができる。
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14週 |
ホストゲスト相互作用によるオレイン酸の単離 |
脂肪酸混合物から、オレイン酸を尿素包接化合物として分離することにより、分子構造と分子間力の関係を理解できる。
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15週 |
アセトアニリドの合成 |
アニリンのアセチル化反応を行う。吸引ろ過、再結晶、融点測定の操作ができる。
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16週 |
実験器具の入替え、オリエンテーション Part 2 |
後半の3つの実験に関する原理の説明と注意事項
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後期 |
3rdQ |
1週 |
安息香酸メチルエステルのニトロ化 |
求電子置換反応を理解しどの異性体が多く生成されるか予測できる。
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2週 |
カニッツァロ反応 |
一人で全ての一連の反応と分離操作を行うことができる。
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3週 |
旋光計による光学異性体の確認と観察 |
レモンの果皮からリモネンを抽出し、旋光計を使って旋光度を測定できる。また標準試料から検量線を作成し、比旋光度を求めることができる。
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4週 |
実験器具の片付け |
実験器具の片付けを行い、破損や数の足りない器具をチェックする。
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5週 |
ガイダンス・講義 |
物理化学実験の特徴と実験に望む必須基礎事項を理解する.
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6週 |
データ処理基礎・文書作成の演習 |
科学技術文書作成に必要な様式を理解し,オフィススイートソフトを用いて作成できる.
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7週 |
溶液の電気伝導度の測定と酸の電離定数の算定 |
溶液の電気伝導度を測定し,酸の電離定数が算定できる.
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8週 |
表面張力の測定 |
表面張力を測定し,異なる水溶液試料での表面張力の組成依存性を説明できる.
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4thQ |
9週 |
活性炭への吸着とクロマトグラフィー |
水溶液中の酢酸の活性炭への吸着等温線を作成し,吸着等温式との関連を説明できる. ・クロマトグラフィーと吸着の関連を説明できる.
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10週 |
固体の溶解度と溶解熱 |
水溶性有機酸の溶解度測定からファントホッフの式を用いて,溶解熱を算出できる.
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11週 |
液体の相互溶解度 |
水ーフェノール系液相における相互溶解度曲線を作成し,それに関連する液体の溶解度について説明できる.
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12週 |
反応速度と活性化エネルギー |
水中での過酸化水素の水と酸素への触媒分解反応実験を異なる反応温度にて行い,一次反応速度式とアレニウスの式を用いた取扱いから活性化エネルギーを算出することができる.
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13週 |
蒸気密度法による分子量の測定 |
デュマの方法による蒸気密度の測定から分子量の算出ができ,完全気体と実在気体の差異について説明できる.
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14週 |
真空系実験装置の取扱 |
現代科学技術に不可欠な真空技術について装置の取扱ができ,装置の動作原理や特徴が説明できる.
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15週 |
総括 |
物質工学実験での実施内容を総括し,座学での学習内容との関連を理解する.
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |