酵素工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 酵素工学
科目番号 0013 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 酵素の科学, 藤本大三郎著, 裳華房
担当教員 後藤 孝信

到達目標

1.酵素の構成成分,およびその構造やその物理化学的性質について説明できること。
2.酵素の特異性や反応機構(化学触媒との違い)を説明できること。
3.生体における酵素の調節機構や補酵素の役割りについて説明できること。
4.酵素の製造方法(生体や培養液からの単離方法)について,その基本的原理が説明できること。
5.産業界における酵素の利用について,幾つか例を挙げて説明できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
酵素の構成成分,およびその構造やその物理化学的性質について説明できる酵素の構成成分,およびその構造やその物理化学的性質について詳しく説明できる酵素の構成成分,およびその構造やその物理化学的性質について大まかに説明できる酵素の構成成分,およびその構造やその物理化学的性質について説明できない
酵素の特異性や反応機構(化学触媒との違い)を説明できる 酵素の特異性や反応機構(化学触媒との違い)を有機化学的観点から説明できる 酵素の特異性や反応機構(化学触媒との違い)を大まかに説明できる 酵素の特異性や反応機構(化学触媒との違い)を説明できない
生体における酵素の調節機構や補酵素の役割りについて説明できる生体における酵素の調節機構や補酵素の役割りについて詳しく説明できる生体における酵素の調節機構や補酵素の役割りについて幾つか説明できる生体における酵素の調節機構や補酵素の役割りについて説明できない
酵素の製造方法(生体や培養液からの単離方法)について,その基本的原理が説明できる酵素の製造方法(生体や培養液からの単離方法)について,その基本的原理と共に沢山説明できる代表的な酵素の製造方法(生体や培養液からの単離方法)について,その基本的原理と共に説明できる酵素の製造方法(生体や培養液からの単離方法)について,その基本的原理が説明できない
産業界における酵素の利用について,幾つか例を挙げて説明できる産業界における酵素の利用について,あらゆる分野から幾つか例を挙げて説明できる産業界における酵素の利用について,幾つか例を挙げて説明できる産業界における酵素の利用について,例を挙げて説明できない

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
酵素工学は,生物のみが作り得る触媒である酵素を工業製品の生産に利用することを目的とした学問である。その一方で,酵素は各種疾患の原因でもあり,その阻害剤の開発は医薬品の中核を成しており,さらに,その高い基質特異性や反応特異性により分析試薬としても利用されている。本講義では,酵素の構成成分やその物理化学的性質などの基本的な内容を取り扱うと同時に,酵素の生産法,酵素を用いた工業(医薬)製品の生産,および診断薬としての酵素利用の現状を紹介・説明する。酵素は生体内で最も多いタンパク質であり利用価値も高いことから,本講義を通じて,タンパク質の基本的知識を始め,酵素タンパク質の取り扱い法や分析法の基本的事項にも精通していただきたい。
授業の進め方・方法:
1. 授業はスライドを用いた講義を中心に行う。また,授業の理解を深めるために,適宜小テストを実施する。
2. 後期中間試験と学年末試験の得点の平均が60点を超える者を合格とする。
注意点:
1. 試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2. 授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 講義の概要,酵素化学の基本用語(分類,特異性,至適pH,至適温度,活性単位) を説明できる。
2週 酵素の化学 酵素反応速度論(Km,Vmaxの説明と求め方)と酵素反応の物理化学を説明できる。
3週 酵素の化学 酵素の触媒機構(キモトリプシンのプロトンリレー) を説明できる。
4週 酵素の化学 酵素の阻害を分類し,それぞれについて説明できる。
5週 酵素の化学 酵素の生合成とその調節機構を説明できる。
6週 酵素の化学 補酵素の名称とのその役割について説明できる。
7週 酵素の製造 組織の破壊方法,酵素の抽出方法 について説明できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 酵素の製造 酵素の分画法とカラムクロマトグラフィーによる酵素の分離を説明できる。
10週 酵素の製造 タンパク質量の測定方法と電気泳動法を説明できる。
11週 酵素の製造 酵素タンパク質の一次構造の解析法を説明できる。
12週 酵素の応用 酵素の固定化とバイオリアクターを説明できる。
13週 酵素の応用 酵素を用いた糖質(主にデンプン)の加工と製造を説明できる。
14週 酵素の応用 酵素を用いたタンパク質,アミノ酸,および油脂の加工と製造を説明できる。
15週 酵素の応用 酵素を用いた医薬品の製造と臨床検査分析法を説明できる
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力500000050
分野横断的能力0000000