物質工学実験Ⅲ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物質工学実験Ⅲ
科目番号 0013 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 8
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 8
教科書/教材 学生実験書
担当教員 竹口 昌之,山根 説子

到達目標

1期:化学工学実験:4/10(月) - 6/26(月)
以下に示す5項目について修得する。
1. 伝導伝熱と対流伝熱の原理が理解でき,その応用計算ができる。(E1-3)
2. ガス吸収の原理が理解でき,その応用計算ができる。(E1-3)
3. 物質乾燥の原理が理解でき,その応用計算ができる。(E1-3)
4. ろ過の原理が理解でき,その応用計算ができる。(E1-3)
5. 機械的エネルギー収支式が理解でき,その応用計算ができる。(E1-3)

2期:材料化学実験Ⅰ:6/27(火) - 11/20(月)
1. 実験器具、分析装置を適切に用いて実験が遂行できる。
2. 結果の適切な記述および、仮説に基づいた考察が記述できる。
3. 実験の目的、原理が説明でき、得られた成果をレポートにまとめて報告できる。
4. グループで自分の役割が認識でき、協力して実験が遂行できる。(E1-3)

3期:材料化学実験Ⅱ:11/21(火) - 2/27(月)
1. ガスクロマトグラフィーを使用し、ガス組成を決定することができる。(E1-3)
2. 化学反応式から反応次数を推定し、反応速度定数を計算できる。(E1-3)
3. 反応速度の温度依存性について理解し、活性化エネルギーなどをアレニウス則から算出できる。(E1-3)

ルーブリック

優秀基準標準基準未到達基準
伝導伝熱と対流伝熱の原理が理解でき,その応用計算ができる。(E1-3)□伝導伝熱と対流伝熱の原理が理解でき,その応用計算ができ,得られた結果を考察できる。□伝導伝熱と対流伝熱の原理が理解でき,その応用計算ができる。□伝導伝熱と対流伝熱の原理が理解でき,その応用計算ができない。
ガス吸収の原理が理解でき,その応用計算ができる。(E1-3)□ガス吸収の原理が理解でき,その応用計算ができ,得られた結果を考察できる。□ガス吸収の原理が理解でき,その応用計算ができる。□ガス吸収の原理が理解でき,その応用計算ができない。
物質乾燥の原理が理解でき,その応用計算ができる。(E1-3)□物質乾燥の原理が理解でき,その応用計算ができ,得られた結果を考察できる。□物質乾燥の原理が理解でき,その応用計算ができる。□物質乾燥の原理が理解でき,その応用計算ができない。
ろ過の原理が理解でき,その応用計算ができる。(E1-3)□ろ過の原理が理解でき,その応用計算ができ,得られた結果を考察できる。□ろ過の原理が理解でき,その応用計算ができる。□ろ過の原理が理解でき,その応用計算ができない。
機械的エネルギー収支式が理解でき,その応用計算ができる。(E1-3)□機械的エネルギー収支式が理解でき,その応用計算ができ,得られた結果を考察できる。□機械的エネルギー収支式が理解でき,その応用計算ができる。□機械的エネルギー収支式が理解でき,その応用計算ができない。
材料化学実験Ⅰの分 1.実験器具、分析装置を適切に用いて実験が遂行できる。□ 実験器具や分析機器を適切に用いて実験が遂行でき、仮説に関連した結果を得ることができる。□ 実験器具や分析機器を適切に用いて実験が遂行できる。□実験器具や分析機器を適切に用いて実験が遂行できない。
材料化学実験Ⅰの分 2. 結果の適切な記述および、仮説に基づいた考察が記述できる。□図や表を用いて適切に結果が記述でき、仮説、課題、目的に対して論理的な考察が展開できる。□結果の適切な記述および、仮説に基づいた考察が記述できる。□結果の適切な記述および、仮説に基づいた考察が記述できない。
材料化学実験Iの分 3. 実験の目的、原理が説明でき、得られた成果をレポートにまとめて報告できる。□実験の目的、原理が説明でき、得られた成果を文献調査とともに正しい日本語でレポートにまとめ、遅延なく報告できる。□実験の目的、原理が説明でき、得られた成果をレポートにまとめて報告できる。□実験の目的、原理が説明でき、得られた成果をレポートにまとめて報告できない。
材料化学実験Iの分 4. グループで自分の役割が認識でき、協力して実験が遂行できる。(E1-3)□グループで自分の役割が認識でき、協力して実験が遂行でき、さらにリーダーシップが発揮できる。□グループで自分の役割が認識でき、協力して実験が遂行できる。□グループで自分の役割が認識できず、協力して実験が遂行できない。
材料化学実験II:排気ガス分析(E1-3)□試料の前処理操作や各種分析装置の原理を理解し適切に実験及び解析ができる□試料の前処理を行い、各種分析装置が扱える□分析試料の前処理を行えず装置を扱えない
材料化学実験II:積分型反応器(E1-3)□積分型反応装置を適切に扱い適切な反応速度定数を求め、触媒の働きを考察できる□積分型反応装置を適切に扱い適切な反応速度定数を求められる□積分型反応装置を扱えず反応速度定数を求められない
材料化学実験II:流通系反応器(E1-3)□流通式反応器での実験を行え,反応速度及び活性化エネルギーを求めることができる□流通式反応器での実験を行え,反応速度を求めることができる□流通系反応装置を扱えず反応速度を求められない

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (E1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (E1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 E 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1期:化学工学実験:4/10(月) - 6/26(月)
化学工学実験は,講義により得られた知識を実験により把握することを目的としている。また,本実験では,ある限定された条件下で導かれた理論式が,多元的な因子を含む条件下から導かれた実験値と一致しないことを体験する。さらに,化学工業においては,数人の共同作業によって目的を達成することが多い。技術者として重要な共同作業における連絡,動作,態度などを本実験を通して訓練する。

2期:材料化学実験Ⅰ:6/27(火) - 11/20(月)
材料化学実験Iは(1)半経験的分子軌道法を用いた有機材料の電子状態や反応過程等の計算、(2)高分子材料の合成とその物性の解析、(3)無機材料の合成と構造解析、(4)材料として取扱う生体分子の合成といった、材料に関する4テーマから構成される。これらのテーマの実施には3年次までの座学で習得した知識および学生実験で習得した実験操作技術が必要である。本実験を通して無機化学・分析化学・物理化学・有機化学・化学工学・生物化学の学際におけるつながりを体系的に学ぶことができる。

3期:材料化学実験Ⅱ:11/21(火) - 2/27(月) 
他の学生実験で習得した基礎的な実験操作を利用し、化学工学に必要な応用実験および理論的考察を身につけることを目的とする。 材料化学実験IIでは1各種モーターの排気ガス分析、2反応速度の積分解法、3流通系反応速度の解析法の3テーマを実験し、ガス クロマトグラフィーの測定技術、反応速度定数の算出及び、反応速度の温度依存性の考察について習得する。
授業の進め方・方法:
1期:化学工学実験:4/10(月) - 6/26(月)
2または3名を1班とし,8テーマの実験を行なう.1テーマを4時間演習と4時間実験,計8時間で実施する。評価は各実験100満点とし,は各実験の平均点を1期化学工学実験の評価点とする。

2期:材料化学実験Ⅰ:6/27(火) - 11/20(月)
1. 実験器具、分析装置を適切に用いて実験が遂行できる。
2. 結果の適切な記述および、仮説に基づいた考察が記述できる。
3. 実験の目的、原理が説明でき、得られた成果をレポートにまとめて報告できる。
4. グループで自分の役割が認識でき、協力して実験が遂行できる。(E1-3)

3期:材料化学実験Ⅱ:11/21(火) - 2/27(月) 
   6グループを作り各テーマ2グループが実験を行う
   1テーマの実験時間は20時間とする。期限までに提出されたレポートを評価基準に
   照らし合わせて各実験100満点で評価を行う。

なお、物質工学実験Ⅳの評価は、化学工学実験、生物工学実験Ⅰおよび生物工学実験Ⅱのそれぞれの評価点を平均したものを100点満点で評価する。
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学工学実験:オリエンテーション、実験内容の解説(1) 実験の目的,日程,テーマAからDの原理を理解できる
2週 化学工学実験:実験の解説(2) テーマEからHの原理を理解できる
3週 化学工学実験:テーマA 固体乾燥 乾燥操作を理解し,実験より乾燥速度を求めることができる。
4週 化学工学実験:テーマB 酸素溶存移動係数 ガス吸収を理解し,実験より酸素移動容量係数を求めることができる。
5週 化学工学実験:テーマC 精留塔 精留塔の原理を理解し,実験より所要理論段数を求めることができる。
6週 化学工学実験:テーマD 固体の熱伝導率測定 伝導伝熱を理解し,定常状態の伝熱速度から熱伝導度を求めることができる。
7週 化学工学実験:テーマE 円管内の境膜伝熱係数 伝導伝熱と対流伝熱を伴う伝熱過程を理解し,流動の状態から境膜伝熱係数を求めることができる。
8週 化学工学実験:テーマF 定圧ろ過速度 液体からの粒子の分離操作を理解し,定圧ろ過における比抵抗を求めることができる。
2ndQ
9週 化学工学実験:テーマG 流量測定と管内の圧力損失 機械的エネルギー収支式を理解し,直管による圧力損失より摩擦係数を求めることができる.また,絞り流量計の原理を理解し,流量測定から流出係数を求めることができる。
10週 化学工学実験:テーマH 粉砕と粒度分布 粒度分布関数を理解し,任意条件で粉砕した米粉の積算残留率および積算通過率を求めることができる。
11週 材料化学実験Ⅰ:マイクロピペット講習 マイクロピペットの使用方法を学び、分解掃除やメンテナンスを行うことができる。
12週 材料化学実験Ⅰ:遺伝情報を利用したものづくり実習1 カルタヘナ法を理解したうえで、組換え実験に必要な培地を作製する。
13週 材料化学実験Ⅰ:遺伝情報を利用したものづくり実習2 ヒートショック法を用いて大腸菌にプラスミドを導入し、タンパク質GFPを生産させることができる。
14週 材料化学実験Ⅰ:計算機化学1 半経験的分子軌道法にて有機化合物の安定性、酸性度・塩基性度を比較できる。
15週 材料化学実験Ⅰ:計算機化学2 半経験的分子軌道法にて芳香族置換反応の予測、HOMOとLUMOエネルギー準位差の計算ができる。
16週
後期
3rdQ
1週 材料化学実験Ⅰ:高分子の合成1 高分子の重合反応機構を理解し、乳化重合にて高分子を合成できる。
2週 材料化学実験Ⅰ:高分子の合成2 NMRやIRスペクトルから高分子の構造解析ができる。
3週 材料化学実験Ⅰ:無機材料の合成1 無機材料を合成できる。
4週 材料化学実験Ⅰ:無機材料の合成2 無機材料をXRDから同定できる。
5週 材料化学実験Ⅰ:機器分析 無機材料の固体NMRスペクトルを測定し、構造解析ができる。
6週 材料化学実験Ⅱ:オリエンテーション1 実験の目的,日程,テーマ1の原理を理解できる
7週 材料化学実験Ⅱ:オリエンテーション2 テーマ2及びテーマ3の原理を理解できる
8週 材料化学実験Ⅱ:排気ガス分析1 分析用GCの検量線が作成できる
4thQ
9週 材料化学実験Ⅱ:排気ガス分析2 GCによる内燃機関排ガスの採取及び分析が行える
10週 材料化学実験Ⅱ:排気ガス分析3 GCによる内燃機関排ガスの採取及び分析が行える
11週 材料化学実験Ⅱ:積分型反応器 積分型反応器によるエステル化反応ができる
12週 材料化学実験Ⅱ:積分型反応器 積分型反応器によるエステル化反応ができる
13週 材料化学実験Ⅱ:流通系反応器 流通系反応器を用いてアルコール脱水反応が行える
14週 材料化学実験Ⅱ:流通系反応器 流通系反応器を用いてアルコール脱水反応が行える
15週 材料化学実験Ⅱ:流通系反応器 流通系反応器を用いてアルコール脱水反応が行える
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

化学工学実験材料化学実験Ⅰ材料化学実験Ⅱ合計
総合評価割合343333100
各実験評価343333100