電力制御工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電力制御工学
科目番号 0007 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境エネルギー工学コース 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 パワーエレクトロニクス学入門(河村篤男)コロナ社
担当教員 大沼 巧

到達目標

1.パワーエレクトロニクスにおけるトランジスタ,キャパシタ,インダクタの働きについて説明できる.
2.コンバータ回路の動作について説明できる.
3.インバータ回路の動作について説明できる.
4.チョッパ制御の動作について説明できる.
5.三相正弦波PWMの生成方法について説明できる.
6.パワーエレクトロニクスの環境エネルギー分野への適用事例を挙げ,そのシステムについて説明できる.(C1-4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1□トランジスタ,キャパシタ,インダクタの働きについて,パワーエレクトロニクス回路の動作と対応させて正しく説明できる.□パワーエレクトロニクスにおけるトランジスタ,キャパシタ,インダクタの働きについて説明できる.□パワーエレクトロニクスにおけるトランジスタ,キャパシタ,インダクタの働きについて説明できない.
評価項目2□コンバータ回路の動作原理について図を用いて詳細に説明できる. □コンバータ回路に用いられる素子の働きを説明できる.□コンバータ回路の動作について説明できる.□コンバータ回路の動作について説明できない.
評価項目3□インバータ回路の動作原理について図を用いて詳細に説明できる. □インバータ回路に用いられる素子の働きを説明できる.□インバータ回路の動作について説明できる.□インバータ回路の動作について説明できない.
評価項目4□チョッパ制御の動作原理について図を用いて詳細に説明できる.□チョッパ制御の動作について説明できる.□チョッパ制御の動作について説明できない.
評価項目5□三相正弦波PWMの生成方法について図を用いて詳細に説明できる. □三相正弦波PWMの特徴を説明できる.三相正弦波PWMの生成方法について説明できる.三相正弦波PWMの生成方法について説明できない.
評価項目6(C1-4)□パワーエレクトロニクスの環境エネルギー分野への適用事例を複数挙げられる. □用いられているシステムについてその特徴を説明できる.□パワーエレクトロニクスの環境エネルギー分野への適用事例を挙げられる. □用いられているシステムについて説明できる.□パワーエレクトロニクスの環境エネルギー分野への適用事例を挙げられない.

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-4) 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
安全で快適な社会を実現するためには,効率的なエネルギー利用と,環境負荷の小さな安定電源の確保が重要である.エネルギーの中でも電気エネルギーは,目的に応じて自由に変換して利用することに適した優れたエネルギー形態である.このような背景から,電気エネルギーを緻密に制御して利用するパワーエレクトロニクス(パワエレ)技術の発展は,持続的な社会発展のために今後益々重要となる.
電力の変換・制御を行うパワーエレクトロニクスは,大電力を高速に入り切り可能なパワー半導体デバイスの出現によって発展してきた.パワー半導体デバイスの基本動作は繰り返し高速スイッチングであり,これによって高効率な交流/直流の変換や電圧,電流,周波数の自由な制御が可能となる.本講義では,簡単なパワーエレクトロニクス回路について,その基本的な考え方や,原理,特性を理解する.
授業の進め方・方法:
専攻科の少人数クラスのメリットを生かし、アクティブ・ラーニング形式を取り入れる。
・授業の中で“問い”(ディスカッションのテーマ)を投げかけ、議論する機会を設ける
・授業開始時に交代でプレゼン(10分間)を行い、前回の授業を復習する
・授業中に参加型のデモ(実演)を取り入れる
・回路製作・回路シミュレータ(PSIM)の利用を推奨する(任意)
特に2回目と3回目の実演では、英語による授業を行う。また、受講学生によるプレゼンを英語で行った場合には、プレゼンの教員評価点を2倍にする。
注意点:
1. 試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがある。
2. 授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡する。
3. 授業目標6(C1-4)が標準基準(6割)以上で,かつ科目全体で60点以上の場合に合格とする.評価基準については,成績評価基準表による.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス パワエレが暮らしの中でどのように役立っているのか例をあげて説明できる
2週 パワエレにおける受動素子の働き 回路素子の働きについて物理的意味を説明できる
3週 パワエレを応用したシステムの例 電力制御システムにおいてどのように電力を制御するか説明できる
4週 パワエレの基礎 電力制御における高調波の重要性とその対策を説明できる
5週 パワエレの基礎 フーリエ級数展開を用いた高調波の解析ができる
6週 電力増幅と電力変換 電力増幅と電力変換の違いを説明できる
7週 電力増幅と電力変換 トランジスタのスイッチング作用による電力変換の原理と、その時に発生する損失について説明できる
8週 直流-直流変換 Lの電圧定常特性とCの電流定常特性を元にチョッパ回路の動作原理を説明できる
2ndQ
9週 直流-直流変換 昇降圧チョッパの動作原理を説明できる
10週 直流-交流変換 単相インバータの動作原理を説明できる
11週 直流-交流変換 三相インバータの動作原理とデッドタイム誤差について説明できる
12週 交流-直流変換 整流回路の動作原理とリアクトルの作用について説明できる
13週 交流-直流変換 三相ダイオードブリッジによる整流の原理を説明できる
14週 システムとしてのパワエレ パワエレの環境エネルギー分野への適用事例を複数挙げられる
15週 システムとしてのパワエレ 理想的なデバイスと実システムの差異によって、アプリケーションにどのような制約が生まれるか説明できる
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

課題(発表含む)テスト合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000