到達目標
(1) 電子配置,化学平衡,固体構造の概要について理解し,基礎的な活用ができる。
(2) 対称操作について理解し,必要な対称操作をシェーンフリース記号や国際記号で表わし,組み合わせることができる。
(3) International Tables for Crystallography Vol. A に記載されている空間群の基礎的な情報を読むことができる。
(4) 固体の構造と材料の簡単な関係について,結びつけることができる。
(5) 特定分野において社会的ニーズから必要とされる材料の物性について自分の考えを述べることができる。(B1-4)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | ・原子とイオンの電子配置を示すことができる
・平衡定数とギブスの自由エネルギーを求め,その結果から反応の方向性について示すことができる
・最密充填の概念から可能な結晶構造を導くことができる | ・原子の電子配置を示すことができる
・平衡定数もしくはギブスの自由エネルギーを求めることができる
・代表的な結晶構造を最密充填の概念と結びつける事ができる | ・原子の電子配置を示すことができない
・平衡定数やギブスの自由エネルギーを求めることができない
・代表的な結晶構造を最密充填の概念と結びつける事ができない |
評価項目2 | ・代表的な対称操作とステレオ図を結びつけることができる。
・真性回転以外の点群について点群とステレオ図を結びつける事ができる
・結晶面や方位をミラー指数を用いて表すことができ,等価な関係についても正しく示すことができる | ・代表的な対称操作について記号と意味を結びつける事ができる。
・真性回転からなる点群とステレオ図を結びつける事ができる
・結晶面や方位をミラー指数を用いて表すことができる | ・代表的な対称操作について記号と意味を結びつけることができない。
・真性回転からなる点群とステレオ図を結びつける事ができない
・結晶面や方位をミラー指数を用いて表すことができない |
評価項目3 | ・空間群の持つ対称性を対称操作の記号を用いて表すことも,対称操作などの記号から空間群の持つ対称性を示すこともできる。 | ・空間群の持つ対称性を対称操作の記号を用いて表すこと,もしくは対称操作などの記号から空間群の持つ対称性を示すことができる。 | ・空間群の持つ対称性を対称操作の記号を用いて表すことも,対称操作などの記号から空間群の持つ対称性を示すこともできない。 |
評価項目4 | ・結晶構造と,構造から起因する物性の関係について論じることができる | ・結晶構造と,構造から起因する物性について結びつける事ができる | ・結晶構造と,構造から起因する物性について結びつける事ができない |
評価項目5 | ・社会的ニーズから必要とされる材料の物性について,自分の考えを物質の構造と結びつけて述べることができる | ・社会的ニーズから必要とされる材料の物性について自分の考えを述べることができる。 | ・社会的ニーズから必要とされる材料の物性について自分の考えを述べることができない。 |
学科の到達目標項目との関係
実践指針 (B1)
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実践指針のレベル (B1-4)
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【プログラム学習・教育目標 】 B
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教育方法等
概要:
数多くの機能性材料が人々の暮らしを豊かにしているが、それらの材料の多くが固体状態で利用され、またそれらの多くの物質は結晶を形成している以上、材料の機能発現のメカニズムとして、周期性を含む結晶の対称性を無視することはできない。ここで学ぶ結晶の対称性は、工学的には材料の性質を理解し、新しい材料を設計する上で必要となる事項であり、学問上は固体物理学の基礎事項となる。
授業の進め方・方法:
授業は講義形式で行う。授業では毎回,小テストを行う。試験は3回行う。課題提出が1回ある。
到達目標5(B1-4)が標準基準(6割)以上で、かつ科目全体で60点以上の場合に合格とする。
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
授業の概要を理解し,結晶化学を学ぶ意義について示すことができる。
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2週 |
電子配置 |
原子とイオンの電子配置について示す事ができる。
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3週 |
化学平衡 |
平衡定数とギブスの自由エネルギーを求め,その結果から反応の方向性について示すことができる
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4週 |
固体の構造 |
最密充填の概念から可能な結晶構造を導くことができる
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5週 |
確認テスト |
これまでの学習内容を整理し,学習内容がより定着するように自ら学ぶことができる。
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6週 |
点対称操作,対称操作の逆 |
代表的な対称操作とステレオ図を結びつけることができる。
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7週 |
分子の点群 |
対称操作から分子の点群を導き出し,ステレオ図と結びつけることができる
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8週 |
結晶の持つその他の対称性,格子,基本単位格子,7つの結晶系 |
対称操作から結晶系を導く方法を理解し,7つの結晶系と格子定数の相互の関係とを結びつけることができる。
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2ndQ |
9週 |
14のブラベ格子,結晶の面と方位の表し方 |
7つの結晶系と格子からブラベ格子を導く方法を理解し,その性質を示すことができる。
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10週 |
確認テスト |
これまでの学習内容を整理し,学習内容がより定着するように自ら学ぶことができる。
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11週 |
空間群 |
点群と格子から空間群を組み立てる方法を理解し,空間群の持つ対称性を対称操作の記号を用いて表すことができる。
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12週 |
シンモルフィックな空間群(誘電体) |
International Tables for Crystallographyの基礎的な事項を読み取ることができる。誘電体について,構造と物性の関係を示すことができる。
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13週 |
空間群の点群,欠陥構造の例(超イオン伝導体),構造のいろいろな側面,最密構造 |
空間群の点群を記述することができる。超イオン伝導体について,構造と物性の関係を示すことができる。
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14週 |
体積効果,スピネル構造(磁性体) |
温度・圧力と構造の関係について示すことができる。磁性体について,構造と物性の関係を示すことができる。
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15週 |
X線回折と結晶構造の可視化 |
X線回折により構造を推測する手順を示すことができる。結晶構造データベースのデータを利用して構造を記述できる。
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16週 |
到達度試験 |
これまでの学習内容を整理し,学習内容がより定着するように自ら学ぶことができる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 小テスト | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 30 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 30 | 10 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |