ロボット制御工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 ロボット制御工学
科目番号 2020-706 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 新機能材料工学コース 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書は特に指定せず,必要に応じて資料を配布する
担当教員 青木 悠祐

到達目標

(1)ロボット技術の中心的課題である3次元座標・空間の取り扱い,運動学と動力学等を理解することができる
(2)機械・電気・電子・制御・情報と多岐分野にまたがる横の学問分野とロボット工学との関係を理解することができる
(3)最新のロボット研究動向に着目し,論文講読を通じて運動解析,センシング技術,知能化技術等をロボット制御という観点から理解することができる(C3-4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.ロボット技術の中心的課題である3次元座標・空間の取り扱い,運動学と動力学等を理解することができる□自由度配置について説明できる。また、人間の全身の自由度を説明できる。 □位置・姿勢について同時変換行列によって表現できる。基準変換と相対変換の違いを説明できる。 □3自由度マニピュレータの先端位置を順運動学によって表現できる □3自由度マニピュレータの各関節角度を逆運動学によって表現できる □3自由度マニピュレータのリンクパラメータを求めることができる □3自由度マニピュレータのヤコビ行列を表現できる □マニピュレータの目標軌道を3次軌道として数式を用いて計算できる□自由度配置について説明できる □位置・姿勢について同時変換行列によって表現できる □2自由度マニピュレータの先端位置を順運動学によって表現できる □2自由度マニピュレータの各関節角度を逆運動学によって表現できる □マニピュレータのリンクパラメータを求めることができる □マニピュレータのヤコビ行列を表現できる □マニピュレータの目標軌道を3次軌道として表現できる□自由度配置について説明できない □位置・姿勢について同時変換行列によって表現できない □2自由度マニピュレータの先端位置を順運動学によって表現できない □2自由度マニピュレータの各関節角度を逆運動学によって表現できない □マニピュレータのリンクパラメータを求めることができない □マニピュレータのヤコビ行列を表現できない □マニピュレータの目標軌道を3次軌道として表現できない
2.機械・電気・電子・制御・情報と多岐分野にまたがる横の学問分野とロボット工学との関係を理解することができる□ロボティクスとメカトロニクスの違いを説明できる □自身の研究分野とロボット工学との関係性を説明できる □ロボット工学に関する論文を精読し、スライドにまとめることができる □決められた時間内にプレゼンテーションを行うことができる□ロボティクスとメカトロニクスの違いを説明できる □自身の研究分野とロボット工学との関係性を説明できる □ロボット工学に関する論文を読み、スライドにまとめることができる□ロボティクスとメカトロニクスの違いを説明できない □自身の研究分野とロボット工学との関係性を説明できない
3.最新のロボット研究動向に着目し,論文講読を通じて運動解析,センシング技術,知能化技術等をロボット制御という観点から理解することができる(C3-4)□最新のロボット研究分野から自分の興味のある分野を決定し、輪講を行う論文を決定することができる □論文を精読し、スライド6枚にまとめることができる □決められた時間内にプレゼンテーションを行うことができる □自身の研究分野と論文との関係性を説明でき、今後の自身の研究への応用可能性を議論できる□最新のロボット研究分野から自分の興味のある分野を決定し、輪講を行う論文を決定することができる □論文を読み、スライドにまとめることができる □自身の研究分野と論文との関係性を説明できる□最新のロボット研究分野から自分の興味のある分野を決定し、輪講を行う論文を決定することができない □論文を読み、スライドにまとめることができない □自身の研究分野と論文との関係性を説明できない

学科の到達目標項目との関係

【プログラム学習・教育目標 】  C 説明 閉じる
実践指針 (C3) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C3-4) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 ロボット工学は複数の分野にわたる学際的分野であるために多くの分野の研究者が研究しており,その分野は機械工学,電気工学,制御工学,情報工学さらには人間工学までと幅広い.本講義では,ロボット運動学,逆運動学を取り上げ,ロボットの運動の解析と制御の基礎部分について講義する.また,最新のロボット研究動向に着目し,論文講読を通じて運動解析,センシング技術,知能化技術等をロボット制御という観点から学習する.
授業の進め方・方法:
授業は原則として講義を中心に行い、適宜課題演習、輪講を行う。
講義は主に板書により進め、適宜例題や演習を交え、質問や議論をすることにより理解を深める。
注意点:
1.到達目標に示す項目1については以下の(a)(b)によって達成度を確認する
 (a) 次に示す3つの観点から設問を出題し,全ての項目において6割以上の正解をもって達成とみなす.
  ・試験・レポートにおいて,専門用語の意味を正確に理解しているか
  ・問題の意味を正確に把握し,適切な解法を選択することができるか
  ・正解を導くための計算力が定着しているか
2.到達目標2については,ロボット研究動向(医療ロボット)のプレゼン資料の作り方,レジメの作り方,発表の工夫が標準基準(6割)以上で達成とする。
3.到達目標3(C3-4)については,ロボット研究動向(各自選定)のプレゼン資料の作り方,レジメの作り方,発表,発表の工夫が標準基準(6割)以上で、かつ科目全体で60点以上の場合に合格とする。評価項目については評価(ルーブリック)、評価基準については成績評価基準表(別紙)による。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス ロボティクスとメカトロニクスの違いを説明できる
2週 ロボット運動学
~位置・姿勢の表現,自由度の方程式~
自由度配置について説明できる
3週 ロボット運動学
~座標系の表現と変換,順運動学解析~
位置・姿勢について同時変換行列によって表現できる
2自由度マニピュレータの先端位置を順運動学によって表現できる
マニピュレータのリンクパラメータを求めることができる
4週 ロボット運動学
~逆運動学解析~
2自由度マニピュレータの各関節角度を逆運動学によって表現できる
5週 ロボット運動学
~マニピュレータのヤコビ行列~
マニピュレータのヤコビ行列を表現できる
6週 ロボット動力学
~ラグランジュ法/ニュートンオイラー法~
ロボットの動力学方程式を求める手法を説明できる
7週 ロボット研究動向(1)
~医療ロボティクス~
ロボット工学に関する論文を読み、スライドにまとめることができる
8週 ロボット工学演習
~ロボット運動学,動力学まとめ,および演習~
4thQ
9週 ロボット制御
~位置制御/力制御~
マニピュレータの目標軌道を3次軌道として表現できる
10週 ロボット制御
~ハイブリッド制御/協調制御~
様々な制御の例を説明することができる
11週 ロボット制御
~マスタスレーブシステム/バイラテラル制御~
様々な制御の例を説明することができる
12週 ロボット研究動向(2) 最新のロボット研究分野から自分の興味のある分野を決定し、輪講を行う論文を決定することができる
13週 ロボット研究動向(3) 自身の研究分野とロボット工学との関係性を説明できる
14週 ロボット研究動向(4) 論文を読み、スライドにまとめることができる
15週 ロボット工学演習
~ロボット制御まとめ,および演習~
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験口頭発表(輪講)レポート課題合計
総合評価割合402040000100
1.ロボット技術の中心的課題である3次元座標・空間の取り扱4020000060
2.機械・電気・電子・制御・情報と多岐分野にまたがる横の学問分野とロボット工学との関係を理解することができる002000020
3.最新のロボット研究動向に着目し,論文講読を通じて運動解析,センシング技術,知能化技術等をロボット制御という観点から理解することができる(C3-4)002000020