音響工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 音響工学
科目番号 2020-709 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 新機能材料工学コース 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 機械系の音響工学、一宮 亮一 著、コロナ社
担当教員 村松 久巳

到達目標

1. コンピューターを用いて、音響信号を図示できるとともに信号音を作成できる
2. 波動方程式を速度ポテンシャルで記述し、音圧と粒子速度に関する音の計算ができる
3. 発音体の運動を求めることができる
4. 騒音の測定方法を説明でき、適切な評価量を求めることができる (C1-4)
5. 人間の聴覚の仕組みを説明できる
6. 音の発生装置と消音装置の原理、構造および利用技術を説明できる
7. 音の録音・再生技術を説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.コンピューターを用いて、音響信号を図示できるとともに信号音を作成できる□コンピューターを用いて、音響信号を図示し、音響信号の特徴を説明できる。 □コンピューターを用いて、信号音を作成し、信号音の用途と工夫した点を説明できる。□コンピューターを用いて、音響信号を図示できる。 □コンピューターを用いて、信号音を作成できる。□コンピューターを用いて、音響信号を図示できない。 □コンピューターを用いて、信号音を作成できない。
2.波動方程式を速度ポテンシャルで記述し、音圧と粒子速度に関する音の計算ができる□平面波や球面波に対する波動方程式の解を速度ポテンシャル、音圧、粒子速度で記述できる。 □速度ポテンシャル、音圧、粒子の関係を説明することができる。 □音圧と粒子速度等の諸特性の計算を正しく行える。□波動方程式を速度ポテンシャルを用いて記述できる。 □音圧と粒子速度等の諸特性の計算を行える。□波動方程式を速度ポテンシャルを用いて記述できない。 □音圧と粒子速度等の諸特性の計算ができない。
3.発音体の運動を求めることができる□コンピュータソフトウェアの関数を理解し用いて、複数の発音体の運動を正しく記述でき、結果をわかりやすく図示できる。□発音体の運動を記述できる。□発音体の運動を記述できない。
4.騒音の測定方法を説明でき、適切な評価量を求めることができる (C1-4)□騒音の測定方法を正しく説明できる。 □適切な騒音評価量を正しく求めることができる。 □騒音測定システム用機器の構成を説明することができ、騒音測定環境を説明できる。□騒音の測定方法を説明できる。 □適切な騒音評価量を求めることができる。□騒音の測定方法を説明できない。 □適切な騒音評価量を求めることができない。
5.人間の聴覚の仕組みを説明できる□人間の聴覚器官の名称を挙げることができ、聴覚器官の役割を説明できる。□人間の聴覚器官の名称を挙げられる。□人間の聴覚器官の名称を挙げられない。
6.音の発生装置と消音装置の原理、構造および利用技術を説明できる□音波の発生装置の原理、構造および利用技術を正しく説明できる。 □消音装置の原理、構造および利用技術を正しく説明でき、消音装置の透過損失を計算できる。□音の発生装置の原理、構造および利用技術を説明できる。 □消音装置の原理、構造および利用技術を説明できる。□音の発生装置と消音装置の原理、構造および利用技術を説明できない。
7.音の録音・再生技術を説明できる□音の録音・再生技術の事例を正しく説明できる。 □音の録音・再生に用いられている技術の用語を答えることができ、その原理を説明できる。□音の録音・再生技術の事例を説明できる。□音の録音・再生技術の事例を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

【プログラム学習・教育目標 】  C 説明 閉じる
実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-4) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 音は古くから物理的と心理的な観点から研究され、学問的に体系化された分野であるが、最近のディジタル信号処理技術の進歩にともない従来では困難であった物理量の計測や、高度な録音・加工・再生が可能になるなど、新しい技術上や学問上の展開が行われている。しかし、環境白書の公害件数の年次推移データが示すように、機械的な振動に比べて騒音は公害件数が非常に多く、減少傾向から再び上昇に転じ問題となっている。エンジニアとして機器やシステムの性能が十分得られる設計を行うことに加えて、音の問題を多方面から検討し、対策することが求められる。
授業の進め方・方法:
 この授業では音響の基礎から応用技術までを学ぶ。音波を記述する波動方程式の導出を行い、平面波と球面波の特性を示した後に、発音体の振動、音の単位とレベルを説明する。さらに、聴覚の仕組み、騒音の測定、スピーカと消音器、音のディジタル録音について学ぶ。授業で説明した内容に関する課題を調べ、計算またはシミュレーションを行いレポートにまとめ提出する。
注意点:
評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
この科目は学修単位科目であり、1単位あたり15(30)時間の対面授業を実施します。併せて1単位当たり30(15)時間の事前学習・事後学習が必要となります。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、音響信号 教育目標・授業概要・評価方法等の説明、正弦波周期信号と変調波を理解し説明できる 信号音の作成できる
2週 音波の基礎 波動方程式と速度ポテンシャルを理解し説明できる
3週 平面波と球面波 速度ポテンシャル、粒子速度、音圧を理解し説明できる
4週 音響管 粒子速度と音圧分布を理解し説明できる
5週 発音体の振動 弦の振動を理解し説明できる
6週 発音体の振動 膜の振動を理解し説明できる
7週 音の単位とレベル 音速、音圧と音圧レベルを理解し説明できる
8週 音の単位とレベル 音響インテンシティと音響パワーを理解し説明できる
2ndQ
9週 聴覚と音響心理 音の大きさと騒音レベル、聴覚の特性と聴覚器官を理解し説明できる
10週 騒音測定法 定常音と非定常音の測定、等価騒音レベルと周波数分析を理解し説明できる
11週 音波の発生装置 スピーカの原理と特性、超音波の発生装置と利用技術を理解し説明できる
12週 消音器 消音器の構造と原理を理解し説明できる
13週 音のディジタル録音 音の記録の歴史、音のディジタル化を理解し説明できる
14週 音のディジタル録音 音のデータの圧縮を理解し説明できる
15週 録音と音の風景 音のデータの圧縮、サウンドスケープとそのデザインを理解し説明できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000