遺伝資源工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 遺伝資源工学
科目番号 2021-789 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 新機能材料工学コース 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書は特に使用せず、配布資料を授業に用いる。主な参考文献:田村隆明・浦聖恵 編著、遺伝子発現制御機構 、東京化学同人;(独)農業生物資源研究所 著・丸善プラネット・分子生物学に支えられた農業生物資源の利用と将来
担当教員 古川 一実

到達目標

本授業の受講を通して、生物工学などの専門的技術を身につけ、これらの技術を複合的に活用して、環境エネルギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工学等の分野に創造的に応用することができる。
具体的には次の(1)~(3)についての知識や能力を身に付ける ことを授業目標とする。
(1) 基礎的な遺伝子の機能と調節機構について説明することができ、さらに新しいジェネティクスについて説明できるようになる。
(2) 遺伝資源を活用するために必要な遺伝子の解析技術について説明できる。
(3) 遺伝資源の活用法について、現状の社会における問題点および用いられている技術の問題点を明らかにし、解決するためにはどのようなことが必要かを理解し説明できる(C1-4)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.基礎的な遺伝子の機能と調節機構について理解し、説明することが出来る。□ 基本的な遺伝子の機能と調節機構についてエピジェネティクスやトランスポゾンなど新しいジェネティクスを交えて説明することができる。□ 基本的な遺伝子の機能と調節機構およ新しいジェネティクスの概要について基礎的な事項を説明することが出来る。□ 基本的な遺伝子の機能と調節機構について、説明することができない。
2.遺伝情報の利用手法について基礎を説明することができる。□ 遺伝情報の利用手法についてどのようなものがあるか説明でき、実際にデータベースやツールを使うことができる。□ 遺伝情報の利用手法およびデータベースについてどのようなものが有るか説明できる。□ 遺伝情報の利用手法について説明することができない。
3.遺伝資源を工学的に活用し社会問題を解決する手法として応用できる(C1-4)□ 社会における遺伝資源の活用方法について、解決したい内容およびその解決法について詳しく説明でき社会における更なる貢献のために自分のアイデアを述べること出来、報告書を作成できる。□ 社会における遺伝資源の利活用方法について、解決したい事例を具体的に挙げて説明でき、レポート形式で報告することができる。□ 社会における遺伝資源の利活用について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

【プログラム学習・教育目標 】  C 説明 閉じる
実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-4) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本授業では、動物、植物および微生物の持つ遺伝的な能力と多様性を利用する生物工学分野について学習する。遺伝子工学を手法として生物を遺伝資源と捉え、どのように解析し利用するのか手法の原理を理解し、遺伝資源の開発の可能性および社会的な問題点についても考察する。また、本授業の遺伝資源の利用方法を通して、新しいジェネティクスについての知識を深める。具体的には、エピジェネティクス、ゲノム編集、可動遺伝子について学ぶ。さらに、遺伝資源の開発のみならず遺伝情報を利用するバイオインフォマティクスの基礎と遺伝子分析の開発研究の基礎をも学ぶ。
授業の進め方・方法:
演習、レポート、試験により評価する。(1)DNAの構造と機能および新しいジェネティクスについて説明することができるかは、試験で確認する。(2)遺伝資源を活用するために必要な遺伝子の解析技術について説明できるかどうかは演習を通じて理解度を検査し、レポートを提出させて判定し、試験で確認する。 (3)遺伝資源の活用法について、現状の社会における問題点および用いられている技術の問題点を明らかにし、解決するためにはどのようなことが必要かを理解し説明できるかどうかを、演習時の発表およびレポートで評価する(C1-4) 。
総合して、演習1として遺伝資源としての生物の紹介、演習2としてエピジェネティクス事例、演習3として遺伝資源の活用事例を行い、紹介発表および質疑応答および他者のプレゼンに対する質問の発議15%、遺伝情報の活用演習10%、演習3のレポート10%、試験50% の割合で総合評価を行う。演習1,2についてはプレゼンテーションファイルを報告書としそれぞれ5%の割合で評価する。。授業目標(C1-4)が標準基準(6割)以上でかつ科目全体で60点以上の場合に合格とする。評価基準については、成績評価基準表による。
注意点:
評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
選択

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業概要説明・基礎復習 授業概要および評価方法を把握する。
「遺伝資源」の定義を学習し、DNAの構造と機能について理解することができる。
2週 遺伝資源の利用 海外との遺伝資源の活用と関連法規である名古屋議定書について理解することができる。
3週 遺伝資源の利用 具体的な活用事例を通して、遺伝資源としての生物の機能を理解することができる。
4週 遺伝資源の利用(演習1) 自分自身にとっての遺伝資源について概要と利点を説明することができる。
5週 新しいジェネティクス エピジェネティクスの仕組みの概要を理解することができる。
6週 新しいジェネティクス(演習2) エピジェネティクスの仕組みについて具体的な事例を理解することができる。
7週 新しいジェネティクス トランスポゾンについて仕組みを理解することができる。
8週 遺伝情報の利用方法 DNAマーカー開発と利用方法について理解することができる。
2ndQ
9週 遺伝情報の利用方法(遺伝情報活用演習) バイオインフォマティクス実習・データベースの構造について理解することができる。
10週 遺伝情報の利用方法(遺伝情報活用演習) バイオインフォマティクス実習・アラインメント・BLASTなどの活用方法を習得し、活用することができる。
11週 遺伝情報の利用方法(遺伝情報活用演習) バイオインフォマティクス実習およびそれを支える次世代シークエンス技術について理解することができる。
12週 遺伝資源の利用(演習4) 社会問題における遺伝資源の活用方法について理解し説明することができる。
13週 ゲノム編集 ゲノム編集のあらましと従来の技術との違いを理解することができる。
14週 ゲノム編集 CRSPR/Cas9の基本原理について理解することができる。
15週 ゲノム編集 CRSPR/Cas9を利用したゲノム編集事例について理解することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表・質疑応答・質問発議・ディスカッション報告書合計
総合評価割合502030100
1.基礎的な遺伝子の機能と調節機構について理解し、説明することが出来る。505560
2.遺伝情報の利用手法について基礎を説明することができる。001010
3.遺伝資源を工学的に活用し社会問題を解決する手法として応用できる(C1-4)0151530