最適制御工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 最適制御工学
科目番号 2021-797 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 新機能材料工学コース 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:なし.参考書:G.F.Franklin, J.D.Powel, A.E.Naeini, Feedback Control of Dynamic Systems -Third Edition -, Addison-Wesley
担当教員 三谷 祐一朗

到達目標

最適制御システムの基礎となるフィードバック制御の特徴や設計方法を身につけることを授業目標とする.具体的には,以下のことができるようになることを目指す.
(1) フィードフォワード/フィードバック制御の違いと特徴を説明できる.
(2) 参照信号および外乱に対する制御系の特徴を説明できる.
(3) 制御系の安定性について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
(1) フィードフォワード/フィードバック制御の違いと特徴を説明できる.□フィードフォワード/フィードバック制御の違いと特徴を,数式を用いて具体的に説明できる.□フィードフォワード/フィードバック制御の違いと特徴を説明できる.□フィードフォワード/フィードバック制御の違いと特徴を説明できない.
(2) 参照信号および外乱に対する制御系の特徴を説明できる.□ 参照信号および外乱に対する制御系の特徴を,数式を用いて具体的に説明できる.□参照信号および外乱に対する制御系の特徴を説明できる.□ 参照信号および外乱に対する制御系の特徴を説明できない.
(3) 状態フィードバック制御系の構築方法を説明できる.□ 状態フィードバック制御系の構築方法について,数式を用いて具体的に説明できる.□状態フィードバック制御系の構築方法を説明できる.□状態フィードバック制御系の構築方法を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

【プログラム学習・教育目標 】  C 説明 閉じる
実践指針 (C3) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C3-4) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
現代制御理論を用いれば,古典制御理論では不十分,または達成できない制御システムを構築することができる.最適制御理論はその一つである.本講義では,最適制御への橋渡しとなる,フィードバック制御の重要な特徴について学ぶ.
授業の進め方・方法:
参考書からの抜粋を配布し,読解することを主とする.事前に次回の授業での学習範囲を指定し,予習を行い,その内容について発表形式で授業を進める.定期試験は実施しない.
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ・ガイダンス
・A Perspective on Properties of Feedback
・Chapter 4 Overview
教育目標・授業概要を説明できる.
2週 ・4.1 A Case Study of Speed Control
・4.1.1 Disturbance Rejection
DCモータの速度制御および外乱抑制について説明できる.
3週 ・4.1.2 Sensitivity: Effects of gain Changes
・4.1.3 Dynamic Tracking
制御対象のゲインの変化による制御系への影響および,出力の追従性について,フィードフォーワード/フィードバック制御における特徴を説明できる.
4週 ・4.2 The Classical Three-term PID Control
・4.2.1 Proportional Feedback Control
・4.2.2 Proportional-Integral (PI) Feedback Control
・4.2.3 Derivative Feedback Control
PID制御それぞれの特徴について説明できる.
5週 ・4.2.4 Proportional-Integral-Derivative (PID) Control
・4.2.5 Time-response Sensitivity to Parameters
PID制御の特徴および,フィードバックゲインの制御系における応答への影響(感度)について説明できる.
6週 ・4.2.6 Zieglar-Nichols Tuning of PID Regulators
ジーグラー・ニコルスのPID制御系設計手法について説明できる.
7週 ・4.2.7 Integrator Antiwindup 積分制御のワインドアップおよびその低減方法について説明できる.
8週 ・4.3 Steady-state Tracking and System Type
・4.3.1 A Special Case of System Type: Unity Feedback
定常状態における制御システムの追従性について説明できる.
4thQ
9週 ・4.3.2 System Type with Respect to Disturbance Inputs 外乱に対する制御システムの特徴(タイプ)について説明できる.
10週 ・4.3.3 Truxal's Formula
・4.4 Stability
・4.4.1 Bounded Input-Bounded Output Stability
・4.4.2 Stability of Constant Systems
制御系の安定性および,内部安定について説明できる.
11週 ・4.4.3 Routh's Stability Criterion ラウスの安定判別法が説明でき,安定な制御系が設計できる
12週 ・A Perspective on State-space Design
・Chapter 7 Overview
・7.1 Advantages of State Space
・7.2 Analysis of the State Equations
・7.2.1 Block Diagrams and Canonical Forms
状態方程式の構成方法を説明できる.
13週 ・7.2.2 Dynamic Response from the State Equations
・7.3 Control-Law Design for Full State Feedback
状態空間モデルの応答および状態フィードバック制御について説明できる.
14週 ・7.3.1 Finding the Control Law
・7.3.2 Introducing the Reference Input with Full State Feedback
・Selection of Pole Locations for Good Design
状態フィードバックゲインの設計方法について説明できる.
15週 まとめ 制御系の設計および評価ができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

レポート発表授業態度合計
総合評価割合603010100
(1) フィードフォワード/フィードバック制御の違いと特徴を説明できる.2010333
(2) 参照信号および外乱に対する制御系の特徴を説明できる.2010333
(3) 制御系の安定性について説明できる.2010434