誘電体材料工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 誘電体材料工学
科目番号 2021-807 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 新機能材料工学コース 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 基本からわかる「電気電子材料」講義ノート 湯本雅恵監修 青柳稔・鈴木薫・田中康寛・松本聡・湯本雅恵共著 オーム社
担当教員 遠山 和之

到達目標

1.交流電界下での誘電分極現象を定性的に説明することができる。
2.強誘電体の性質や工学的な応用例を簡単に説明することができる。
3.絶縁材料の体積抵抗率や表面抵抗率の測定方法を説明できる。(C1-4)
4.絶縁劣化現象を例を挙げて説明できる。(C1-4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.交流電界下での誘電分極現象を定性的に説明することができる。□電子分極率を導出することができる。 □イオン分極率を導出することができる。 □配向分極率をランジュバン関数を用いて導出することができる。□4つの誘電分極を列挙し、交流電界下での誘電分極現象を定性的に説明できる。□誘電体という言葉を知っている。 □誘電分極という言葉を知っている。
2.強誘電体の性質や工学的な応用例を簡単に説明することができる。□強誘電体の工学的な応用例を説明することができる。 □キュリー温度を説明することができる。□自発分極、残留分極、抗電界をヒステリシス曲線を用いて説明することができる。 □常誘電体と強誘電体の違いをP-E特性から説明することができる。□強誘電体という言葉を知っている。 □強誘電体の例を1つ以上挙げることができる。
3.絶縁材料の体積抵抗率や表面抵抗率の測定方法を説明できる。(C1-4)□固体絶縁材料の体積抵抗率を測定する際に用いる保護環(ガードリング)の役割を説明することができる。□固体絶縁材料の体積抵抗率および表面抵抗率の測定方法を説明することができる。□抵抗率と導電率の関係を説明することができる。
4.絶縁劣化現象を例を挙げて説明できる。(C1-4)□絶縁劣化現象の試験方法を2つ以上説明することができる。□絶縁劣化現象の例を2つ以上挙げて説明することができる。□絶縁破壊と絶縁劣化の違いについて説明することができる。

学科の到達目標項目との関係

【プログラム学習・教育目標 】  C 説明 閉じる
実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-4) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気電子分野における材料は、電気伝導という観点から絶縁・誘電体、半導体、導電体に分類する。本講義で扱う絶縁材料と誘電材料は、本来同じものである。使用目的が電気絶縁ならば「絶縁材料」、センサなどの誘電体ならば「誘電材料」と区別する。本講義では、誘電体に電界を印加したときに生じる分極現象や内部電界の考え方について扱い、固体絶縁材料の試験方法、部分放電現象、絶縁破壊現象、絶縁劣化現象について定性的に説明する。
授業の進め方・方法:
座学を中心に進めるが、絶縁体の評価方法については、自ら本を読んで調べる、実際に実験装置を扱ってみる等の演習も用意し、より深い理解を促す。
注意点:
1.評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
2.中間試験を授業時間内に実施することがあります。
3.到達目標4(C1-4), 5(C1-4)については、標準基準(6割)以上で、かつ科目全体で60点以上の場合に合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
授業の概要、学習・教育目標、実践指針、授業目標、評価方法と基準
1.絶縁体と絶縁抵抗の評価方法
絶縁材料の体積抵抗率や表面抵抗率の測定方法を説明できる。(C1-4)
2週 2.誘電体中を流れる変位電流 絶縁材料の体積抵抗率や表面抵抗率の測定方法を説明できる。(C1-4)
3週 3.誘電・絶縁材料のバンド構造 その1 材料の電気的な性質を、原子構造、化学結合、結晶構造、バンド理論から説明することができる。
4週 4.誘電・絶縁材料のバンド構造 その2 材料の電気的な性質を、原子構造、化学結合、結晶構造、バンド理論から説明することができる。
5週 5.電気双極子と双極子モーメント 交流電界下での誘電分極現象を定性的に説明することができる。
6週 6.分極と誘電率 交流電界下での誘電分極現象を定性的に説明することができる。
7週 7.誘電率と電磁波の伝搬 交流電界下での誘電分極現象を定性的に説明することができる。
8週 8.誘電正接と複素誘電率 交流電界下での誘電分極現象を定性的に説明することができる。
2ndQ
9週 9.コンデンサ その1 コンデンサの構造とその性質を説明できる。
10週 10.コンデンサ その2
さまざまな種類のコンデンサとその用途の例を2~3例程度、説明できる。
11週 11.絶縁劣化 絶縁劣化現象を例を挙げて説明できる。(C1-4)
12週 12.強誘電体 強誘電体の性質や工学的な応用例を簡単に説明することができる。
13週 13.固体絶縁材料の種類と応用 固体絶縁材料の種類と応用例について説明できる。
14週 14.誘電材料の種類と応用 誘電材料の種類と応用例について説明できる。
15週 15.電気・電子材料試験 誘電・絶縁特性の観測方法を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験課題レポート合計
総合評価割合6040100
1.交流電界下での誘電分極現象を定性的に説明することができる。20020
2.強誘電体の性質や工学的な応用例を簡単に説明することができる。20020
3.絶縁材料の体積抵抗率や表面抵抗率の測定方法を説明できる。(C1-4)102030
4.絶縁劣化現象を例を挙げて説明できる。(C1-4)102030