到達目標
(a)集積回路と社会の関わりについて1通以上の報告書にまとめることができる。
(b)学生自身の専門分野に関わる集積回路技術について1通以上の報告書にまとめることができる。
(c)集積回路を支える技術のうち,お互いにトレードオフの関係にある2つの技術について,それぞれの技術の概要と今日の使い方に至った理由を3通以上の報告書にまとめることができる。 報告書には,式が入ることを基本とする。 (C1-4)
(d)上記(a)~(c)のうちのいずれかについて1回以上授業中に発表することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
1.集積回路と社会の関わりについて報告書にまとめることができる. | □集積回路の今後の更なる発展が社会にどう役立つか自分の視点で説明できる. | AND
□集積回路と社会の関わりについて期限以内に報告書にまとめる.
□引用をきちんと書く. | OR
□集積回路と社会の関わりについて報告書にまとめることができない.
□期限を守れなかった. |
2.学生自身の専門分野に関わる集積回路技術について報告書にまとめることができる. | □自分の研究が発展することによって社会にどう寄与できるか納得できる未来を示すことができる. | AND
□学生自身の専門分野に関わる集積回路技術について期限以内に報告書にまとめる.
□引用をきちんと書く. | OR
□学生自身の専門分野に関わる集積回路技術について報告書にまとめることができる.
□期限を守れなかった. |
3.項目1,2,4のうちのいずれかについて授業中に発表することができる. | □質問に対して議論を深めることができた. | AND
□項目1,2,4のうちのいずれかについて授業中に発表することができる.
□態度等が,人前で報告することにふさわしいものである. | OR
□項目1,2,4のうちのいずれかについて授業中に発表することができる.
□発表する日を守れなかった. |
4.集積回路を支える技術のうち,お互いにトレードオフの関係にある2つの技術について,それぞれの技術の概要と今日の使い方に至った理由を報告書にまとめることができる.(C1-4) | □数式や比較が多面的であり,十分な解析や分析が伴う報告書である. | AND
□集積回路を支える技術のうち,お互いにトレードオフの関係にある2つの技術について,それぞれの技術の概要と今日の使い方に至った理由を期限以内に報告書にまとめることができる.
(引用をきちんと書く.報告書には式をいれるのが基本だが,式を使いにくい技術の場合でも「解析,分析した」と言える論じ方である.)
□まとめたのが3組以上である.
□期限を守った. | OR
□集積回路を支える技術のうち,お互いにトレードオフの関係にある2つの技術について,それぞれの技術の概要と今日の使い方に至った理由を報告書にまとめることができない.
□まとめたのが3組に達しなかった.
□期限を守れなかった. |
学科の到達目標項目との関係
【プログラム学習・教育目標 】 C
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実践指針 (C1)
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実践指針のレベル (C1-4)
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教育方法等
概要:
今日の社会は通信・情報技術・制御技術の高度な応用によって支えられている.その中で,集積回路が担う役割は非常に大きい.この授業は,担当教員の富士通での半導体に関する研究の経験を活かし,半導体産業で使われる技術とその産業界の事業など集積回路を支える様々な技術を取り上げて解説するものである.学生は興味ある技術を選び,どのような経緯で現在の技術になったか調査して報告書にまとめることで,複数の技術の中から1つの技術を選び取る能力を身に付ける.
授業の進め方・方法:
(1)授業目標(a)の報告書を提出させ,この講義で学ぶ集積回路という技術と社会の関わりの理解度を判定する.
(2)授業目標(b)の報告書を提出させ,学生自身と集積回路の関わりの理解度を判定する.
(3)授業目標(c)の報告書を提出させ,技術に関する理解度と,複数の技術を対比しながら解析・分析力をつかって論ずる能力を判定する.
(4)授業目標(d)の発表により討論しあうことで,より深い理解を促す.
・報告書の数は,(a)1通,(b)1通,(c)3通が基本である.なお,学生によっては,(a)兼(b)1通,(c)4通というように,(a)と(b)と(c)の間で兼ねるレポートがあっても良い.
・発表は,報告書1通に匹敵するものと計算する。
・報告書1通を17点満点で評価する。ただし,発表は15点満点とする。6通を超える提出があった場合,良好な報告書の上位5通で計算する。
・80点以上をA,70点以上をB,60点以上をC,60点未満を不合格とする。
・授業目標(a)~(d)の必要な数を満たしていない学生は,前項に依らず不合格とする。
・対比する技術の例を上げるが,これにこだわることなくチャレンジして欲しい:「SiとGaAsによるトランジスタ」,「バイポーラトランジスタとFET」,「TTLとC-MOS」,「DRAMとSRAM」,「EEPROMとマスクROM」,「FPGAとフルカスタムIC」,「マイクロコントローラーを含んだ回路とランダムロジックによる回路」
注意点:
・評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
・主な参考書籍は、「ICガイドブック,JEITA編集・著作,日経BP企画」 の最新版
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス,半導体産業の基礎 |
シラバスの説明等,半導体関連年表
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2週 |
半導体産業の動向 |
半導体がいかに社会の発展を支えるか学ぶ
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3週 |
半導体産業と半導体と社会 |
半導体ビジネス,世界と日本の半導体,関連産業の特徴,半導体に期待される未来の役割を知る
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4週 |
学生の発表と討論 |
自分の研究と集積回路の関連
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5週 |
素子分類とディスクリート素子 |
ダイオード,トランジスタ,FET等の特性確認
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6週 |
アナログIC |
オペアンプ,AD変換・DA変換の特徴を押さえる
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7週 |
論理回路 |
ロジック回路の概説,TTL,C-MOS,ゲートアレイ,スタンダードセル,FPGA,フルカスタムの特徴を押さえる
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8週 |
メモリデバイス |
DRAM,SRAM,ROMの特徴を押さえる
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4thQ |
9週 |
マイクロプロセッサ |
MPU,マイクロコントローラ,DSPの特徴を押さえる
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10週 |
同上 |
同上
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11週 |
その他の素子 |
パワー,撮像,光,ミックス型素子の特徴を押さえる
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12週 |
ICの企画・設計・テスト・出荷 |
システムレベルの設計,IP再利用,低消費電力,DFM,DFTの流れを押さえる
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13週 |
プロセス技術 |
セルフアライン,ウエハの口径,次世代技術の流れを押さえる
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14週 |
同上 |
同上
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15週 |
パッケージ技術と信頼性 |
小型化・高信頼性,集積回路の設計に求められることの流れを押さえる
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 報告書 | 発表 | 合計 |
総合評価割合 | 85 | 15 | 100 |
1.集積回路と社会の関わりについて報告書にまとめることができる. | 17 | 0 | 17 |
2.学生自身の専門分野に関わる集積回路技術について報告書にまとめることができる. | 17 | 0 | 17 |
3.項目1,2,4のうちのいずれかについて授業中に発表することができる. | 0 | 15 | 15 |
4.集積回路を支える技術のうち,お互いにトレードオフの関係にある2つの技術について,それぞれの技術の概要と今日の使い方に至った理由を報告書にまとめることができる.(C1-4) | 51 | 0 | 51 |