工学倫理

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 工学倫理
科目番号 2023-760 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 新機能材料工学コース 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教員が作成したレジュメおよび電子教科書を配布する。テキストを購入する必要はない。 
担当教員 山中 仁,太田 匡洋

到達目標

1.工学倫理で用いられる考え方および諸概念の内容を説明することができる。
2.工学倫理の考え方や諸概念をもちいて、具体的な出来事などを分析して説明することができる。
3.様々な分野の学・協会の倫理規定に従って工学倫理上の問題点を整理し,可能な複数の行動計画を考えることができる. (A2-4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 工学倫理で用いられる考え方および諸概念の内容を説明することができる。 工学倫理の主要概念について、その定義を具体例を用いつつ説明することができる。工学倫理の主要概念について、その定義を説明することができる。工学倫理の主要概念について、その定義を説明することができない。
2. 工学倫理の考え方や諸概念をもちいて、具体的な出来事などを分析して説明することができる。 実際に生じた工学倫理上の事例を題材として、工学倫理の概念を用いて問題の所在を突き止め十分な分析を行うことができる。実際に生じた工学倫理上の事例を題材として、工学倫理の概念を用いた説明をすることができる。実際に生じた工学倫理上の事例を題材として、工学倫理の概念を用いた説明をすることができない。
3. 様々な分野の学・協会の倫理規定に従って工学倫理上の問題点を整理し,可能な複数の行動計画を考えることができる. (A2-4)□自分の所属する,あるいは関連する学・協会,およびNSPEの倫理規定を知っており,その違いを説明できる. □倫理規程に基づき,工学倫理上の問題点を複数の視点から整理できる. □工学倫理上の問題点に対し,技術者が取るべき行動を複数挙げ,客観的な視点から順位付けすることができる.□自分の所属する,あるいは関連する学・協会,およびNSPEの倫理規定を知っている. □倫理規程に基づき,工学倫理上の問題点を整理できる. □工学倫理上の問題点に対し,技術者が取るべき行動を複数挙げることができる.□自分の所属する,あるいは関連する学・協会,およびNSPEの倫理規定を知らない. □倫理規程に基づき,工学倫理上の問題点を整理できない. □工学倫理上の問題点に対し,技術者が取るべき行動を複数挙げることができない.

学科の到達目標項目との関係

【プログラム学習・教育目標 】  A 説明 閉じる
実践指針 (A2) 説明 閉じる
実践指針のレベル (A2-4) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目では、工学倫理の主要テーマについて、トピック横断的に学習を行う。幾多の工業製品、エネルギ供給、新情報技術等、今日の社会は工学の成果物による便益を抜きにしては成り立たないほど工学の発展に強く依存している。したがって、工学を学び、実行する主体となる技術者の社会的責任は重く、その影響する範囲は広範に及ぶ。さらに昨今では産業のグローバル化が進行し、国際的に通用する技術者の持つ資質の一つとして工学倫理が大切になってきている。本授業では、工学倫理に関する諸事例などを参照しつつ、工学倫理の議論と諸問題,法律、倫理問題などについて学習する.
授業の進め方・方法:
本講義では、教員が作成したレジュメを配布して授業を進める。授業に際しては、おもにレジュメおよびスライドを使用し、講義形式で授業を進める。質問や意見については、毎回の授業の最後にコミュニケーションペーパーに記入してもらい、翌週の授業でフィードバックする。また、授業内でメディアなどを用いたワークの機会を設け、自ら考察を行い人前で意見を述べる訓練も行う。自学自習では、最終目標として専門用語を用いた論述ができるようになることを目指す。講義内容は、工学倫理で問題とされてきたテーマを、トピック横断的に扱う。期末試験85%、コミュニケーションペーパーの提出15%として評定を行う。
注意点:
1.評価については、評価割合に従って行います。
2.この科目は学修単位科目であり、1単位あたり15時間の対面授業を実施します。併せて1単位あたり30時間の事前学習・事後学習が必要となります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 科学・工学・社会 工学倫理という分野の特徴および、科学と工学の関係について説明できる。
2週 組織の中の技術者 組織における技術者の位置づけ、公衆および技術文化の概念、工学安全について説明できる
3週 技術者のアイデンティティ 専門家の条件、専門家の知性の用い方、専門職の誇りに関する倫理学的な諸議論を説明できる。
4週 説明責任 説明責任、リコール、インフォームド・コンセント、パターナリズム、リスクコミュニケーションについて説明できる。
5週 製造物責任 製造物責任法(PL法)、不法行為法、安全三原則について説明できる。
6週 リスクとヒューマンエラー 危害、リスク、ハインリッヒの法則、技術者の行為類型と失敗について説明できる。
7週 費用-便益分析 費用-便益分析、企業における技術者の立ち位置、それぞれに関する倫理学上の考え方について説明できる。
8週 内部告発 内部告発とそれが許容される条件、内部告発に関する倫理学上の考え方について説明できる。
2ndQ
9週 知的財産権 知的財産権、知的財産権制度、主たる知的財産権の種類、特許を受ける条件、知的財産権保護に関する問題点について説明できる。
10週 工学と戦争協力 第一次世界大戦以降の工学の発展とその戦争協力について説明できる。
11週 グローバル化と価値観の多様化 グローバリゼーション、世界システム論、ナショナリズム、アクティブな市民社会について説明できる。
12週 予防原則 未然防止、予防原則、リスク評価、リスク管理、リスク・コミュニケーションについて説明できる。
13週 バイオテクノロジーの問題 バイオテクノロジー、生殖補助医療、AIDとその問題点について説明できる。
14週 情報新技術と倫理 情報新技術の発展とその問題点、情報セキュリティの具体的方策について説明できる。
15週 技術者と環境 環境倫理学の基本的考え方である地球有限主義、世代間倫理、自然の生存権について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

レポートコミュニケーションペーパー合計
総合評価割合8515100
授業目標132537
授業目標232537
授業目標321526