結晶化学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 結晶化学
科目番号 2024-759 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 新機能材料工学コース 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 バーンズ著、寺内暉・中村輝太郎訳、結晶としての固体、東海大大学出版会
担当教員 小林 美学

到達目標

(1) 電子配置,化学平衡,固体構造の概要について理解し,基礎的な活用ができる。
(2) 対称操作について理解し,必要な対称操作をシェーンフリース記号や国際記号で表わし,組み合わせることができる。
(3) International Tables for Crystallography Vol. A に記載されている空間群の基礎的な情報を読むことができる。
(4) 固体の構造と材料の簡単な関係について,結びつけることができる。
(5) 特定分野において社会的ニーズから必要とされる材料の物性について自分の考えを述べることができる。(B1-4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.電子配置,化 学平衡,固体構 造の概要につい て理解し,基礎的 な活用ができる。□ 原子とイオンの電子配置を示すことができる □ 平衡定数とギブスの自由エネルギーを求め,その結果から反応の方向性について示すことができる □ 最密充填の概念から可能な結晶構造を導くことができる□ 原子の電子配置を示すことができる □ 平衡定数もしくはギブスの自由エネルギーを求めることができる □ 代表的な結晶構造を最密充填の概念と結びつける事ができる□ 原子の電子配置を示すことができない □ 平衡定数やギブスの自由エネルギーを求めることができない □ 代表的な結晶構造を最密充填の概念と結びつける事ができない
2.対称操作につ いて理解し,必要 な対称操作を シェーンフリース 記号や国際記号 で表わし,組み合 わせることができ る。□ 代表的な対称操作とステレオ図を結びつけることができる。 □ 真性回転以外の点群について点群とステレオ図を結びつける事ができる □ 結晶面や方位をミラー指数を用いて表すことができ,等価な関係についても正しく示すことができる□ 代表的な対称操作について記号と意味を結びつける事ができる。 □ 真性回転からなる点群とステレオ図を結びつける事ができる □ 結晶面や方位をミラー指数を用いて表すことができる□ 代表的な対称操作について記号と意味を結びつけることができない。 □ 真性回転からなる点群とステレオ図を結びつける事ができない □ 結晶面や方位をミラー指数を用いて表すことができない
3. International Tables for Crystallography Vol. A に記載さ れている空間群 の基礎的な情報 を読むことができ る。□ 空間群の持つ対称性を対称操作の記号を用いて表すことも,対称操作などの記号から空間群の持つ対称性を示すこともできる。□ 空間群の持つ対称性を対称操作の記号を用いて表すこと,もしくは対称操作などの記号から空間群の持つ対称性を示すことができる。□ 空間群の持つ対称性を対称操作の記号を用いて表すことも,対称操作などの記号から空間群の持つ対称性を示すこともできない。
4.固体の構造と 材料の簡単な関 係について,記述 できる。□ 結晶構造と,構造から起因する物性の関係について論じることができる□ 結晶構造と,構造から起因する物性について結びつける事ができる□ 結晶構造と,構造から起因する物性について結びつける事ができない
5. 特定分野に おいて社会的 ニーズから必要と される材料の物 性について自分 の考えを述べるこ とができる。(B1- 4)□ 社会的ニーズから必要とされる材料の物性について,自分の考えを物質の構造と結びつけて述べることができる□ 社会的ニーズから必要とされる材料の物性について自分の考えを述べることができる。□ 社会的ニーズから必要とされる材料の物性について自分の考えを述べることができない。

学科の到達目標項目との関係

【プログラム学習・教育目標 】  B 説明 閉じる
実践指針 (B1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (B1-4) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
数多くの機能性材料が人々の暮らしを豊かにしているが、それらの材料の多くが固体状態で利用され、またそれらの多くの物質は結晶を形成している以上、材料の機能発現のメカニズムとして、周期性を含む結晶の対称性を無視することはできない。ここで学ぶ結晶の対称性は、工学的には材料の性質を理解し、新しい材料を設計する上で必要となる事項であり、学問上は固体物理学の基礎事項となる。
授業の進め方・方法:
授業は講義形式で行う。授業では毎回,小テストを行う。試験は3回行う。課題提出が1回ある。
注意点:
この科目は学修単位科目であり、1単位あたり15時間の対面授業を実施します。併せて1単位あたり30時間の事前学習・事後学習が必要となります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業の概要を理解し,結晶化学を学ぶ意義について示すことができる。
2週 電子配置 原子とイオンの電子配置について示す事ができる。
3週 化学平衡 平衡定数とギブスの自由エネルギーを求め,その結果から反応の方向性について示すことができる
4週 固体の構造 最密充填の概念から可能な結晶構造を導くことができる
5週 第1週から第4週までの学習内容のまとめ。確認テスト これまでの学習内容を整理し,学習内容がより定着するように自ら学ぶことができる。
6週 点対称操作,対称操作の逆 代表的な対称操作とステレオ図を結びつけることができる。
7週 分子の点群 対称操作から分子の点群を導き出し,ステレオ図と結びつけることができる
8週 結晶の持つその他の対称性,格子,基本単位格子,7つの結晶系 対称操作から結晶系を導く方法を理解し,7つの結晶系と格子定数の相互の関係とを結びつけることができる。
2ndQ
9週 14のブラベ格子,結晶の面と方位の表し方 7つの結晶系と格子からブラベ格子を導く方法を理解し,その性質を示すことができる。
10週 第6週から第9週までの学習内容のまとめ。確認テスト これまでの学習内容を整理し,学習内容がより定着するように自ら学ぶことができる。
11週 空間群 点群と格子から空間群を組み立てる方法を理解し,空間群の持つ対称性を対称操作の記号を用いて表すことができる。
12週 シンモルフィックな空間群(誘電体) International Tables for Crystallographyの基礎的な事項を読み取ることができる。誘電体について,構造と物性の関係を示すことができる。
13週 空間群の点群,欠陥構造の例(超イオン伝導体),構造のいろいろな側面,最密構造 空間群の点群を記述することができる。超イオン伝導体について,構造と物性の関係を示すことができる。
14週 体積効果,スピネル構造(磁性体) 温度・圧力と構造の関係について示すことができる。磁性体について,構造と物性の関係を示すことができる。
15週 X線回折と結晶構造の可視化 X線回折により構造を推測する手順を示すことができる。結晶構造データベースのデータを利用して構造を記述できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験小テスト課題合計
総合評価割合603010100
基礎的能力603010100
専門的能力0000
分野横断的能力0000