誘電体材料工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 誘電体材料工学
科目番号 0007 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 新機能材料工学コース 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 基礎電気・電子工学シリーズ5「電気・電子材料」 日野太郎/森川鋭一/串田正人共著 (森北出版)
担当教員 遠山 和之

到達目標

1.材料の電気的な性質を、原子構造、化学結合、結晶構造、バンド理論から説明することができる。
2.交流電界下での誘電分極現象を定性的に説明することができる。
3.強誘電体の性質や工学的な応用例を簡単に説明することができる。
4.絶縁材料の体積抵抗率や表面抵抗率の測定方法を説明できる。(C1-4)
5.絶縁劣化現象を例を挙げて説明できる。(C1-4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.材料の電気的な性質を、原子構造、化学結合、結晶構造、バンド理論から説明することができる。□様々な材料の電気的な性質について、量子論から導かれるバンド理論に基づいて考えることができる。 □様々な材料の電気的な性質について、化学結合から考えることができる。□主量子数、方位量子数、磁気量子数の関係を説明できる。 □5つの化学結合を挙げることができる。 □結晶構造やバンド理論から電気的な性質を説明できる。□量子数、化学結合、結晶構造、バンド理論について、聞いたことがある。
2.交流電界下での誘電分極現象を定性的に説明することができる。□電子分極率を導出することができる。 □イオン分極率を導出することができる。 □配向分極率をランジュバン関数を用いて導出することができる。□4つの誘電分極を列挙し、交流電界下での誘電分極現象を定性的に説明できる。□誘電体という言葉を知っている。 □誘電分極という言葉を知っている。
3.強誘電体の性質や工学的な応用例を簡単に説明することができる。□強誘電体の工学的な応用例を説明することができる。 □キュリー温度を説明することができる。□自発分極、残留分極、抗電界をヒステリシス曲線を用いて説明することができる。 □常誘電体と強誘電体の違いをP-E特性から説明することができる。□強誘電体という言葉を知っている。 □強誘電体の例を1つ以上挙げることができる。
4.絶縁材料の体積抵抗率や表面抵抗率の測定方法を説明できる。(C1-4)□固体絶縁材料の体積抵抗率を測定する際に用いる保護環(ガードリング)の役割を説明することができる。□固体絶縁材料の体積抵抗率および表面抵抗率の測定方法を説明することができる。□抵抗率と導電率の関係を説明することができる。
5.絶縁劣化現象を例を挙げて説明できる。(C1-4)□絶縁劣化現象の試験方法を2つ以上説明することができる。□絶縁劣化現象の例を2つ以上挙げて説明することができる。□絶縁破壊と絶縁劣化の違いについて説明することができる。

学科の到達目標項目との関係

【プログラム学習・教育目標 】  C 説明 閉じる
実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-4) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気電子分野における材料は、電気伝導という観点から絶縁・誘電体、半導体、導電体に分類する。本講義で扱う絶縁材料と誘電材料は、本来同じものである。使用目的が電気絶縁ならば「絶縁材料」、センサなどの誘電体ならば「誘電材料」と区別する。第5回までは、電気・電子材料の物性について、原子構造、化学結合、結晶構造、バンド理論の観点から述べる。第6~12回は、誘電体に電界を印加したときに生じる分極現象や内部電界の考え方について述べる。第13~15回は、固体絶縁材料の試験方法、部分放電現象、絶縁劣化現象について述べる。
授業の進め方・方法:
座学を中心に進めるが、絶縁体の評価方法については、自ら本を読んで調べる、実際に実験装置を扱ってみる等の演習も用意し、より深い理解を促す。
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。
3.到達目標4(C1-4), 5(C1-4)については、標準基準(6割)以上で、かつ科目全体で60点以上の場合に合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業の概要、学習・教育目標、実践指針、授業目標、評価方法と基準
2週 第1章
電気・電子材料の物性
原子構造・化学結合
3週 結晶
4週 統計力学
5週 帯理論
6週 第4章
誘電材料
誘電体の巨視的性質
7週 誘電分極(1)
8週 誘電分極(2)
2ndQ
9週 内部電界(1)
10週 内部電界(2)
11週 交流電界における分極と緩和
12週 強誘電体
13週 第6章
電気・電子材料試験
固体絶縁材料試験
14週 絶縁材料の劣化試験法
15週 高電界誘電特性の観測体験
16週 前期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験課題レポート合計
総合評価割合5050100
到達目標120020
到達目標220020
到達目標310010
到達目標4(C1-4)02020
到達目標5(C1-4)03030