専攻科実験

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 専攻科実験
科目番号 2020-803 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 医療福祉機器開発工学コース 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 必要に応じてマニュアル等の貸し出しを行う
担当教員 山之内 亘,専攻科 実験担当教員

到達目標

1.実験の目的を理解し、安全な方法で医療機器を取り扱ってデータ収集・処理と結果の考察を行い、報告書にまとめることができる
2.PBL課題に対し、共同研究者と協力しながら自主的に役割分担を決めて実施し、担当の仕事をこなすと同時にメンバーと連携して進める事ができる(E1-4)
3.成果をまとめてプレゼンテーションし、期限までに報告書を作成して提出できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1: 実験の目的を理解し、安全な方法で医療機器を扱ってデータを収集・処理し、結果に対する適切な考察を行い、報告書にまとめることができる□実験の目的を理解し、関連する文献を用いた詳細な調査を行うことができる □装置を安全に使用してデータを収集・処理することができ、危険個所や課題点を指摘することができる □医療機器を扱った実験のデータを整理して、工学レポートとして適切な形の報告書を期限内に作成・提出することができる□実験の目的を理解し、目的を自分の言葉で述べることができる □装置を安全に使用してデータを収集・処理することができる □医療機器を扱った実験のデータを整理して報告書を作成することができる□実験の目的が理解できず、目的を自分の言葉で述べることができない □装置を安全に使用してデータを収集・処理することができない □医療機器を扱った実験のデータを整理して報告書を作成することができない
評価項目2: PBL課題に対し、共同実験者と協力しながら自主的に役割分担を定めて実施し、担当の仕事をこなすと同時にチームメンバーと連携して作業を進めることができる(E1-4)□PBL課題に対しリーダーとしてチームをまとめ、または分担者としてリーダーやメンバーとコミュニケーションをとりながら、円滑に作業を遂行することができる □自主的にPBL課題に取り組み、メンバーにアドバイスすることができる□PBL課題に対し分担者としてメンバーとコミュニケーションをとり、与えられた役割を遂行することができる □自主的にPBL課題に取り組むことができる□PBL課題を分担者として実施することができない (チームとして作業することができない) □自主的に課題に取り組むことができない(意欲がない/保てない)
評価項目3: PBL課題への取り組み成果をまとめて発表し、ワープロ等を用いて期限までに報告書を作成して提出できる□期日までに必要事項を正確に記入した報告書を作成・提出することができる □期日までにプレゼンテーション資料を作成し、聴衆の大半が納得するプレゼンテーションを行うことができる □リーダーとして率先的に成果資料をまとめ、成果報告を行うことができる□期日までに報告書を作成・提出することができる □期日までにプレゼンテーション資料を作成することができる □チームの一員として成果報告を行うことができる□期日までに報告書を作成・提出することができない □期日までにプレゼンテーション資料を作成することができない □チームの一員として成果報告を行うことができない

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (E1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (E1-4) 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 E 説明 閉じる

教育方法等

概要:
臨床現場には様々な医療機器(計測、治療、機能代行、人工臓器)と福祉機器が存在する。これらの機器に触れてみると、医療機器メーカが行った試行錯誤が理解できるとともに、医療関係者が使用する際に生じる不都合や課題点が見えてくる。
本演習では実際の医療福祉機器のハンドリングや分解、文献調査等を行った後、チームに分かれて医療機器の改良案の提案・設計・試作・評価・発表を行う。これにより、医療機器の開発者に必要な問題分析能力、解析能力、問題解決能力、プレゼンテーション能力の修得を目指す。
授業の進め方・方法:
本実験は、医療生体計測機器解析実験、医療機器開発設計実験Ⅰ、医療機器開発創造設計実験Ⅱ の3つにより構成されている。
医療生体計測機器解析実験では、実際の医療福祉機器に触れる事で、既存製品の課題や特徴について体験的に考察を行う。
医療機器開発設計実験Ⅰ・Ⅱでは医療現場における課題に対して工学的アプローチによる解決方法を提案・検討する。
注意点:
1.加工などの危険を伴う作業時は、安全靴や安全眼鏡、作業着を着用するようにしてください。
2.授業目標(E1-4)が60%以上で、かつ全体で60点以上の場合に合格とします。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 実験の進め方や実施日程、評価方法についての説明と、安全に実験を行うために必要な準備や心がまえに関するレクチャーを受けることで、それらを演習において実践することができる。
2週 医療生体計測機器解析実験①【宮下】
 脳波計測
脳波計測装置を用いて脳波を計測し、脳波の発生原理や計測原理、計測装置の構成要素、脳波計の応用方法や課題点についてまとめて報告書を提出することができる
3週 医療生体計測機器解析実験②【青木】
 超音波検査(超音波診断装置、簡易エコー装置)
超音波診断装置に備わっている様々なモードにより臓器の超音波像を撮像し、医療用超音波診断装置の計測原理や測定方法(モード等)、機器の構成要素、課題点(改良方法)について報告書にまとめて期限内に提出することができる
4週 医療生体計測機器解析実験③【小谷】
 パッチクランプ・筋疲労計測
パッチクランプ法の計測原理について説明を受けた後、パッチ電極の作製とマニピュレータ操作の演習を行うことでパッチクランプ法について理解する
筋肉の疲労度を計測する方法について、実験演習を通じて学び、報告書にまとめることができる
5週 報告書作成に関する添削および指導 医用生体計測機器解析実験の報告書について、指導教員から添削および指導を受けた後に修正・再提出することで、正しい形式と内容を備えた報告書を作成できる
6週 医療機器開発創造設計実験【山之内・小谷・横山】
①医療現場ニーズ、高専のシーズに関する検討および企画立案
実験で取り扱った機器や、医療現場・医療機器製造メーカから寄せられたニーズ課題を理解できる
7週 医療機器開発創造設計実験
②医療現場ニーズ、高専のシーズに関する検討および企画立案
ニーズから改良案を提案できる企画書案と企画プレゼンテーションを作成できる
8週 医療機器開発創造設計実験【山之内・小谷・横山】
③企画レビュー・検討・設計
企画レビューにより他者の意見を収集し、より良い企画に落とし込むことができる
企画案を設計に落とし込み、書類(企画書)としてまとめることができる
2ndQ
9週 医療機器開発創造設計実験【山之内・小谷・横山】
④展示会見学準備
医療機器製造メーカとのグループワークを行い、社会の動向や企業の抱えるニーズを収集することができる
10週 医療機器開発創造設計実験【山之内・小谷・横山】
⑤展示会見学
医療機器製造メーカとの合同展示会視察を通じ、さらなるニーズの収集及び企画案のブラッシュアップができる
11週 医療機器開発創造設計実験
⑥設計および試作
設計書を作成し、部品の選定ができる
12週 医療機器開発創造設計実験
⑦設計および試作
規格部品を発注し、それ以外の部品を設計して加工できる
13週 医療機器開発創造設計実験
⑧設計および試作
企画案を実現するための製品を試作できる
14週 医療機器開発創造設計実験
⑨試作品の完成、報告書・スライドの作製
医療機器の改良・設計・試作・評価について報告書とスライドの形でまとめることができる
15週 発表会
【山之内・小谷・横山】
演習を通じて作成した医療機器の改良案と結果について、スライドを用いてプレゼンテーションできる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ報告書とプレゼンテーション合計
総合評価割合020015065100
評価項目1:実験の目的を理解し、安全な方法で医療機器を扱ってデータを収集・処理し、結果に対する適切な考察を行い、報告書にまとめることができる000004545
評価項目2:PBL課題に対し、共同実験者と協力しながら自主的に役割分担を定めて実施し、担当の仕事をこなすと同時にチームメンバーと連携して作業を進めることができる(E1-4)000150015
評価項目3:PBL課題への取り組み成果をまとめて発表し、ワープロ等を用いて期限までに報告書を作成して提出できる0200002040