到達目標
1.医療機器産業の構造と特徴について説明できる
2.一般的な医療機器に関して、動作原理や医学的根拠の説明ができる
3.現行の医療機器に対する社会的ニーズや課題点について調査を行い、工学者・開発者の立場で考えを述べることができる(C3-3)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1:
医療機器産業の構造と特徴について説明できる | □医薬品・医療機器等法(新薬事法)により規制される医療機器の分類・審査方法について、具体的な医療機器の例を挙げて説明ができる
□日本の医療機器産業に関する動向分析を行い、課題点を挙げるとともに、展望を述べることができる | □医薬品・医療機器等法(新薬事法)により規制される医療機器の分類・審査方法について簡単な説明ができる
□日本と海外の企業を比較しながら、医療機器産業の動向を概観できる | □医療機器を規制する法律を知らず、分類・審査方法について説明できない
□医療機器産業に関心がなく、医療機器市場の現状や展望に関する議論に参加できない |
評価項目2:
一般的な医療機器に関して、動作原理や医学的根拠の説明ができる | □用途が類似している医用計測機器を2つ挙げ、それらの動作原理の違いについて説明できる
□用途が類似している手術治療機器を2つ挙げ、それらの動作原理の違いやリスクについて説明できる
□先端的な人工臓器(または機能代行機器)を1つ挙げ、用途・動作原理を説明するとともに、旧型の人工臓器と比較して評価ができる | □医用計測機器を1つ挙げ、用途・動作原理について説明できる
□手術治療機器を1つ挙げ、用途・動作原理について説明できる
□人工臓器(または機能代行機器)を1つ挙げ、用途・動作原理について説明できる | □医用計測機器の例を挙げることができない
□手術治療機器の例を挙げることができない
□人工臓器(または機能代行機器)の例を挙げることができない |
評価項目3:
現行の医療機器に対する社会ニーズや課題点について調査を行い、工学者・開発者の立場で考えを述べることができる(C3-3) | □未認可(研究開発中)の先端医療機器についてリサーチし、開発の発端となったキーテクノロジー(医学的・工学的)や社会的ニーズの説明を行うとともに、課題点に対する自分自身の解決策を述べることができる | □未認可(研究開発中)の先端医療機器についてリサーチし、その動作原理や課題点について簡単な説明ができる | □先端的な医療機器について、動作原理や課題を他者に説明することができない |
学科の到達目標項目との関係
実践指針 (C3)
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実践指針のレベル (C3-3)
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【プログラム学習・教育目標 】 C
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教育方法等
概要:
日本の医療を支える医療機器の多くは外国由来であり、医療機器産業分野において日本は輸入依存状態にある。このことは、デバイスラグや医療機器価格高騰の原因となっている。よって、日本国内において医療機器を開発・生産できる技術者を養成することは至急の課題である。医用機器工学は医学と工学の境界領域であり、イノベーションを創出できる実践的技術者となるためには、既存の医療機器における医学的意味、機械的な仕組みに対する理解を深めることが必須である。本講義では、様々な医療機器に関して医学的・工学的な解説を行うことで医用機器工学の素地を養成するとともに、新しい医療機器に求められる機能や既存技術の課題について考える契機を提供する。また、計測機器・治療機器・機能代行機器・人工臓器についてそれぞれが調査を行い、動作原理や医学的根拠、課題点などについてプレゼンテーションを行うことで、社会のニーズや課題を工学的に捉え、問題解決のために必要な情報を収集する能力の育成も行う。
授業の進め方・方法:
数回の講義の間に、医療計測機器・治療機器・機能代行機器・人工臓器に関する調査と発表を行い、調査内容と発表を基にして評価を行う。発表の評価は事前に配布する「発表評価ルーブリック」に基づいて行うものとする。
なお、専攻科実験(医療福祉機器開発工学コース)において取り扱う医療機器に関する講義も行うため、同演習を受講する学生は本講義を受講することが望ましい。
注意点:
1.授業目標3(C3-3)が標準基準(6割)以上で、かつ科目全体で60点以上の場合に合格となります。
2.この科目は学修単位科目であり、1単位あたり15(30)時間の対面授業を実施します。併せて1単位あたり30(15)時間の事前学習・事後学習が必要となります。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
医療機器とは |
医療機器として定義される範囲について、福祉健康機器などと区別して述べる事ができる 医療機器に用いられるキーテクノロジーを理解し、本科で修得した工学技術を医療機器分野で活用する方法について考えることができる
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2週 |
医用計測機器①: 心電図、 大脳誘発電位計測、筋電計 |
能動的・受動的計測の違いについて説明することができる ノイズの種類や対策について、例を挙げて説明することができる 膜電位と心電図の原理について図を用いて説明ができる
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3週 |
発表① |
細胞の膜電位、心電図の誘導法、心磁図の原理について、スライドを用いたプレゼンテーションができる
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4週 |
医用計測機器②: 人工呼吸器 カプノメータ |
呼吸を計測する医療機器について、その原理や医学的な意味を説明することができる
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5週 |
発表② |
呼吸計測機器の例を挙げ、その動作原理と適応、課題などについてスライドを用いたプレゼンテーションができる 血圧計測の原理と機器の種類について、スライドを用いたプレゼンテーションができる
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6週 |
手術治療機器①: 電気メス、レーザ治療機器 超音波メス、麻酔機器 |
電気メスを構成する電気回路を描き、それぞれの電子素子の働きを説明することができる 電気メス、超音波メスの特徴や使い分けについて説明ができる 様々なレーザの特徴と医療応用について例を挙げて説明できる
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7週 |
手術治療機器②: 結石破砕装置、手術ロボット ハイパーサーミア |
結石の形成原理と病態について説明ができる 様々な結石療法について、各々の特徴と原理、適応の説明ができる
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8週 |
発表③ |
手術治療機器を1つ挙げ、その原理と医学的意義、適応に関する説明ができる
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2ndQ |
9週 |
機能代行機器① |
人工網膜と人工視覚の違いについて説明することができる 伝音難聴と感音難聴の違いについて説明できる
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10週 |
機能代行機器② |
運動機能代行機器の例を挙げ、その効用について説明することができる 開発中の人工筋肉について簡単な説明ができる 義肢義足の現状について、課題点を含めた説明ができる
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11週 |
発表④ |
機能代行機器の例を1つ挙げ、当該機器の限界と自分なりの改善点についてプレゼンテーションできる
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12週 |
人工臓器① |
循環系臓器の役割と、病気による変性について簡単な説明ができる 循環系人工臓器の例を挙げ、適応に関する説明ができる
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13週 |
人工臓器② |
代謝系臓器の役割と、病気による変性について簡単な説明ができる 代謝系人工臓器の例を挙げ、適応に関する説明ができる
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14週 |
発表⑤ |
人工臓器を1つ挙げ、その動作原理や医学的根拠、課題点についてプレゼンテーションできる
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15週 |
まとめ |
これまでの授業内容を理解し、説明できる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
評価項目1:医療機器産業の構造と特徴について説明できる | 25 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 25 |
評価項目2:一般的な医療機器に関して、動作原理や医学的根拠の説明ができる | 25 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 45 |
評価項目3:現行の医療機器に対する社会ニーズや課題点について調査を行い、工学者・開発者の立場で考えを述べることができる(C3-3) | 0 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 |