構造有機化学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 構造有機化学
科目番号 2024-793 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 医療福祉機器開発工学コース 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 プリント類
担当教員 青山 陽子

到達目標

1.ブタジエンのπ分子軌道図を描ける。
2.ブタジエンの求電子付加反応について、速度論的支配と熱力学的支配による位置選択性を説明できる。
3.ブタジエンの電子環化反応について、軌道対称性保存則を用いて説明できる。
4.ペリ環状反応の付加環化反応について、軌道対称性保存則を用いて説明できる。
5.ディールス・アルダー反応の立体選択性について説明できる。(C1-4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1□ブタジエンのπ分子軌道図を正確に描け、反結合性軌道、結合性軌道を説明できる。□ブタジエンのπ分子軌道図を正確に描ける。□ブタジエンのπ分子軌道図を描くことができない。
評価項目2□ブタジエン以外の共役π電子系化合物の求電子付加反応について,速度論的支配と熱力学的支配による位置選択性を説明できる。□ブタジエンの求電子付加反応について、速度論的支配と熱力学的支配による位置選択性を説明できる。□ブタジエンの求電子付加反応について、速度論的支配と熱力学的支配による位置選択性を説明できない。
評価項目3□ブタジエン以外の共役π電子系化合物の電子環化反応について、軌道対称性保存則を用いて説明できる。□ブタジエンの電子環化反応について、軌道対称性保存則を用いて説明できる。□ブタジエンの電子環化反応について、軌道対称性保存則を用いて説明できない。
評価項目4□ペリ環状反応の付加環化反応について、軌道対称性保存則を用いて例を挙げて付加環化反応を説明できる。□ペリ環状反応の付加環化反応について、軌道対称性保存則を用いて説明できる。□ペリ環状反応の付加環化反応について、軌道対称性保存則を用いて説明できない。
評価項目5(C1-4)□ディールス・アルダー反応の立体選択性を置換基の効果から説明できる。□ディールス・アルダー反応の立体選択性について説明できる。□ディールス・アルダー反応の立体選択性について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-4) 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科の2~5年で学んできた有機化学反応は全て極性に基づいた反応であり、電子の移動を矢印で表す有機電子論で説明してきた。本講義では、新しい反応の概念として、分子軌道を用い軌道対称性の保存則を学ぶ。反応中間体が存在せずに複数の結合が協奏的に生成・開裂する協奏反応の立体化学を考える。
授業の進め方・方法:
授業は、プリントを適宜用いる。教科書は特に指定していないが、有機化学の分子軌道論の記述がある教科書を参考書として勧める。
注意点:
1.この科目は学修単位科目であり、1単位あたり15時間の対面授業を実施します。併せて1単位あたり30時間の事前学習・事後学習が必要となります。
2.評価項目については評価(ルーブリック)、評価基準については、成績評価基準表による。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
2週 ジエンとアレン ジエンとアレンについて分子軌道が描ける。
3週 共役ジエンと非共役ジエン 1,3-ブタジエンの分子軌道モデルの各軌道が描ける。
4週 共役ジエンの付加反応 求電子付加の速度論的支配と熱力学的支配を理解できる。
5週 協奏反応 協奏反応とは何かを説明できる。
6週 共役ジエンの電子環化反応 ブタジエンの環化反応の分子軌道が描ける。
7週 軌道の同旋的閉環と逆旋的閉環が説明できる。
8週 シグマトロピー転位 シグマトロピー転位とはどのような反応か説明できる。
2ndQ
9週 Cope反応、Claisen反応がどのような反応か説明できる。
10週 共役ジエンの付加環化反応 ジエンとジエノフィルの分子軌道モデルと、HOMO,LUMOの相関図が描ける。
11週 ジエンの立体配座による反応の可否が説明できる。
12週 ジエンの置換基の反応速度に与える影響を説明できる。
13週 紫外可視分光法 Woodward-Fieser則を用いて共役二重結合を含む化合物のλmaxを予測できる。
14週 芳香族の分子軌道 ベンゼンの安定性を分子軌道を用いて説明できる。
15週 分子軌道法を用いて平面の共役環径においてなぜHuckel則が成り立つか説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力600000060
専門的能力030000030
分野横断的能力010000010