化学反応論

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 化学反応論
科目番号 2024-797 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 医療福祉機器開発工学コース 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「アトキンス物理化学要論 第7版」千原・稲葉訳 東京化学同人
担当教員 稲津 晃司

到達目標

1.速い反応と遅い反応がある理由を説明できる
2.反応速度を調べる実験的手段を例示できる
3.発熱反応と発熱反応がある理由を説明できる
4.反応速度とエネルギーの関係が説明できる(C1-4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 速い反応と遅い反応がある理由を説明できる□反応速度の定義と速度式について具体例をあげながら説明できる。 □反応速度への影響因子を定量的に評価してあげることができる。 □衝突理論の概要を具体例をあげて説明できる。 □いくつかの反応の速度,反応次数,時定数を計算できる。□反応速度の定義と速度式について説明できる。 □反応速度に影響する因子をあげることができる。 □衝突理論の概要を説明できる。 □簡単な反応の速度,反応次数,時定数を計算できる。□反応速度の定義と速度式について説明できない。 □反応速度に影響する因子をあげることができない。 □衝突理論の概要を説明できない。 □簡単な反応の速度,反応次数,時定数を計算できない。
評価項目2 反応速度を調べる実験的手段を例示できる□反応速度を調べるための測定項目をあげ,測定値の取り扱いを説明できる。 □反応速度を調べる実験にの用いる機器,設備を要件を含めてあげることができる。 □反応速度を調べる実験方法を具体的手続きや条件を含めて示せる。□反応速度を調べるための測定項目をあげることができる。 □反応速度を調べる実験にの用いる機器,設備をあげることができる。 □反応速度を調べる実験方法と用いる機器等の原理を例示できる。□反応速度を調べるための測定項目をあげることができない。 □反応速度を調べる実験にの用いる機器,設備をあげることができない。 □反応速度を調べる実験方法と用いる機器等の原理を例示できない。
評価項目3 発熱反応と発熱反応の差異を説明できる□具体的な反応について反応断面図を用いて反応熱を説明できる。 □遷移状態理論をアイリングの式を用い,衝突理論との差異を含めて説明できる。 □反応の有効エネルギーを原系と反応系の状態と関連付けて発熱反応と吸熱反応について説明できる。□反応断面図を用いて反応熱を説明できる。 □遷移状態理論を説明できる。 □反応の有効エネルギーを発熱反応と吸熱反応について説明できる。□反応断面図を用いて反応熱を説明できない。 □遷移状態理論を説明できない。 □反応の有効エネルギーを発熱反応と吸熱反応について説明できない。
評価項目4 反応速度とエネルギーの関係が説明できる(C1-4)□反応速度の温度依存性についての計算し,反応系のエネルギーについて考察できる。 □アレニウスの式とその熱力学的解釈を微視的観点を含めて説明できる。 □反応速度とエネルギーの関係を複数の反応機構について説明できる。□反応速度の温度依存性についての計算ができる。 □アレニウスの式とその熱力学的解釈を説明できる。 □反応速度とエネルギーの関係を反応機構と関連付けて説明できる。□反応速度の温度依存性についての計算ができない。 □アレニウスの式とその熱力学的解釈を説明できない。 □反応機構と反応速度-エネルギーの関係を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-4) 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学反応が進行する速さを反応物・生成物のマクロな濃度変化によって追跡する反応速度論と,化学反応を反応分子どうしのミクロな衝突過程としてとらえる反応動力学とをあわせて教授する。分光学に関する解説やレーザーや分子線を用いた現代的な研究データを交えながらの演習も行い,化学反応論を学ぶ.
授業の進め方・方法:
授業は講義を中心に進め,学修内容について口頭試問,議論,あるいは演習を適宜行う.発表議論の課題を課すこともある.
注意点:
この科目は学修単位科目で,1単位あたり15時間の対面授業を実施する.1単位あたり30時間の事前学習・事後学習が必要とされる.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業計画と評価方法の説明,化学反応論とは;身近な化学反応とその仕組みを理解する必要性を理解できる.
2週 反応速度の表現 反応速度の定義と表現方法および化学量論式と反応速度の関係が理解できる.
3週 反応系の熱力学 反応の熱力学的定義,駆動力,化学親和力の考え方を理解できる.
4週 反応速度の測定1 反応速度の実験的定義と測定法の原理を説明できる.
5週 反応速度の測定2 反応速度式の決定法および活性化エネルギー決定法を理解し,簡単な計算ができる.
6週 反応と反応経路1 素反応と複合反応,逐次反応と併発反応について説明できる.
7週 反応と反応経路2 律速段階および緩和型速度式を理解し,簡単な問題が解ける.
8週 まとめの演習 基本的な反応速度論について計算や図的開放で問題を解ける.
2ndQ
9週 素反応1 アレニウスの式,活性分子衝突反応説の基本について説明できる.
10週 素反応2 絶対反応速度と相対反応速度,アイリングの速度論について簡単な説明ができる.
11週 遷移状態理論1 衝突状態,反応ポテンシャル曲面,活性錯合体理論を理解し,説明できる.
12週 遷移状態理論2 活性錯合体理論,活性化エンタルピーを理解し,説明できる.
13週 気相反応の反応論 単分子反応,連鎖反応,爆発の基本的事項を理解できる.
14週 表面反応の反応論 表面の性質と吸着および吸着速度の考え方を理解し,簡単な問題が解ける.
15週 触媒反応の反応論 触媒作用と触媒反応速度式の表現および対応する反応機構を理解し,説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題・発表合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000