生体情報工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 生体情報工学
科目番号 0009 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 医療福祉機器開発工学コース 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 神経科学 -脳の探求- Bear, M.F. et al.著 加藤宏司ら 訳、西村書店
担当教員 宮下 真信

到達目標

1.神経細胞の情報伝達メカニズム、脳神経系への感覚器からの入力と出力、感覚領野での外界情報表現に関する知識を習得する。
2.脳神経系の信号を使った医療機器に関する応用について提案できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
神経細胞の情報伝達メカニズム、脳神経系への感覚器からの入力と出力、感覚領野での外界情報表現に関する知識を習得する。神経信号の発生伝播の仕組み、視覚・聴覚・体制感覚の脳内情報表現、出力としての運動系の基礎知識を十分に説明でき、正確に基本事項を説明でき、さらに教科書以外の内容を調査・報告できる(レポート32点以上、期末試験32点以上)。神経信号の発生伝播の仕組み、視覚・聴覚・体制感覚の脳内情報表現、出力としての運動系の基礎知識をある程度説明でき、重大な誤りなしで基本事項を説明できる(レポート24~31点、期末試験24~31点に相当)。神経信号の発生伝播の仕組み、視覚・聴覚・体制感覚の脳内情報表現、出力としての運動系の基礎知識をほとんど説明できず、重大な誤りやレポートの未提出、遅延がある(レポート24点未満、期末試験24点未満に相当)。
脳神経系の信号を使った医療機器に関する応用について提案できる。脳・神経系や筋肉に関する信号を使った、リハビリテーション機器やブレイン‐マシンインターフェイス機器について、既存の研究分野の内容を正確に調査・報告できるだけでなく、独自のアイデアの機器の提案ができること(レポート17点以上に相当)。脳・神経系や筋肉に関する信号を使った、リハビリテーション機器やブレイン‐マシンインターフェイス機器について、既存の研究分野の内容を正確に調査・報告できること(レポート12~16点に相当)。脳・神経系や筋肉に関する信号を使った、リハビリテーション機器やブレイン‐マシンインターフェイス機器について、既存の研究分野の内容について、誤りのある報告があること(レポート12未満点に相当)。

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-4) 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
医療工学機器を開発するには、生体信号のもつ生理学的知見を知る必要がある。本講座では、主に脳・神経系における感覚情報処理がどのように行われているかについて講義する。神経活動や神経間の結合と活動伝播に関する仕組み、外界情報の脳内表現としての視覚領野、聴覚領野、体性感覚領野での情報処理ならびに出力としての運動領野の神経生理学について講義する。また、脳活動を非侵襲で捉える方法を学ぶために、脳波の発生機序についても触れてゆく。これらの講義内容を基礎として、近年着目されているブレイン-マシンインターフェイス技術を応用した医療器やハビリテーション方法などについても解説する。
授業の進め方・方法:
授業は、教科書の担当箇所についてレポートをする輪講形式で実施する。調べた内容の説明が不十分であったり、教科書に記述の無い内容については、座学講義で補足する。輪講を通して得た知識に基づいて、神経生理学知見を応用した研究、医療機器などについて調査レポートを作成し発表する。または、授業で得た知識に基づいて、新規な医療機器を提案してレポートし発表しても良い。発表した内容について、討論をする。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 医療工学における「生体情報工学」の位置づけと背景について理解する。
2週 神経細胞の生理1 神経細胞とグリア細胞、神経栄養因子について理解する。
3週 神経細胞の生理2 神経細胞の静止電位、活動電位など、神経細胞の基本事項を理解する。
4週 神経伝達1 シナプスでの情報伝達のメカニズムについて理解する。
5週 神経伝達2 神経伝達物質の種別と生体内で働く場所、伝達物質のアゴニストとアンチアゴニストについて理解する。
6週 視覚情報処理1 網膜・末梢神経系での情報処理について理解する。
7週 視覚情報処理2 大脳の視覚領野・中枢神経系での情報処理について理解する。
8週 聴覚情報処理 蝸牛・抹消神経系~大脳の聴覚野での情報処理について理解する。
2ndQ
9週 体性感覚情報処理 皮膚感覚器・抹消神経系~体性感覚領野・中枢神経系での情報処理を理解する。
10週 運動制御と運動出力1 感覚器-脊髄-筋肉経路での入力、出力について理解する。
11週 運動制御と運動出力2 大脳の運動野での運動制御、大脳基底核での行動順番の生成について理解する。
12週 脳のリズム 脳波の発生機序、脳疾患にていて理解する。
13週 神経系の学習メカニズム 発達期で脳・神経系のシナプス学習メカニズム、神経可塑性、機能-構造連関について理解する。
14週 脳と情報処理機器 ブレイン-マシンインターフェイスを使った義肢・義足の制御、神経科学の知見基づいたリハビリテーション方法について理解する。
15週 まとめ 各自のレポート内容の発表と、神経科学的知見や技術的知見の討論をする。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力400000040
専門的能力400000040
分野横断的能力020000020